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男性の薄毛とAGA治療について
ふと鏡を見たときに薄毛が気になって悩んでいるけれど、治療方法やかかる費用など気になっている方いませんか?
男性の薄毛や脱毛症状の多くは「AGA(壮年性脱毛症または男性型脱毛症)」といわれています。
薄毛は気になりだすと悩んでしまう方も多く、気持ちが塞ぎ込んでしまうこともあるためできる限り改善したいものです。
本記事ではAGAについて以下の点を中心にご紹介します。
- AGAとはどんな症状なのか
- AGAを発症する原因は何か
- AGAの治療方法はどんな種類があるのか
- AGA治療にかかる費用の相場
AGA治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
AGAとは
AGAとは成人男性が遺伝や男性ホルモンなどの影響で発症することのある脱毛症です。
AGAを発症する大きな原因は「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンが関係しています。
DHTは前頭部や頭頂部に作用することから、AGAによる抜け毛の症状は同じ箇所に起こりやすいのが特徴です。
また、進行性の脱毛症であるため放置していると薄毛の症状が進んでしまう可能性があります。
AGAの進行パターンには頭頂部から薄くなっていくO型タイプ、おでこの生え際からこめかみの方向へ薄くなっていくM型、おでこの生え際が薄くなっていくV型と3つのパターンがあります。
薄毛が進行している途中で複数のパターンが発生することもあり、最終的にはどのパターンも側頭部と後頭部の髪の毛だけが残る形となります。
AGAの原因
AGAが発症、進行するにはさまざまな原因が考えられます。
AGAは進行性の脱毛症であるため、予防したい方や薄毛が気になっている方は原因を知り進行、悪化させないことが大切です。
ここではAGAを引き起こす原因と考えられる以下の6つをご紹介します。
- 遺伝
- 男性ホルモンの作用
- ストレス
- 栄養バランスの偏り
- 生活習慣の乱れ
- 頭皮環境が悪い
遺伝
親族に薄毛の方がいる場合、遺伝する可能性があります。
特に、母方の家系で薄毛の方がいる場合は、子や孫に遺伝する可能性は高くなります。
体内で生成されたDHTが毛母細胞内の男性ホルモンレセプターと結合すると、脱毛を進める「TGF−β」が増加しAGAの症状は進んでしまいます。
男性ホルモンレセプターの感受性が強いと遺伝しやすいといわれており、男性ホルモンレセプターの感受性の強さは母方の家系に薄毛の方がいると、遺伝する確率が高まります。
また、男性ホルモンレセプターは隔世遺伝であるため、両親が薄毛でない場合でも祖父母や先祖の世代で薄毛の方がいれば遺伝する可能性が高いです。
男性ホルモンの作用
AGAが発症する要因で多いのは男性ホルモンの作用です。
男性はもともと体内に存在している男性ホルモン「テストロン」の作用で男性らしい骨や体つきをしています。
このテストロンが還元酵素である「5αリダクターゼ」と結び付くとAGAの大きな原因である悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されてしまいます。
DHTが生成されると、髪の毛を健康に育てる毛髪サイクルが乱れてしまい、短い周期で髪の毛が抜けるため抜け毛が発生します。
DHTを生成する元であるテストロンと5αリダクターゼはもともと体内に存在する男性ホルモンや還元酵素です。
それぞれの活性度や感受性はそれぞれ違い個人差があります。
しかし、5αリダクターゼは優性遺伝であるため、両親に活性度の高い遺伝子を持つ方がいると遺伝しやすいのが特徴です。
ストレス
気付かぬうちに溜まりやすいストレスもAGAを発症する原因のひとつとなる可能性があります。
ストレスが溜まると体内の血流が滞る傾向があり、健康な髪を育てるために必要な栄養素が頭皮まで届きにくくなってしまいます。
血流が滞る原因は、ストレスによる自律神経の乱れです。
ストレスを感じると自律神経が乱れ、緊張状態のときに作用する交感神経が長く優位な状態となります。
交感神経が優位にある状態が続くと血管収縮が起こり、血流が悪くなるため十分な栄養素が頭皮まで届かなくなります。
また、ストレスで乱れるのは自律神経だけでなく、ホルモンバランスの乱れも招きます。
ホルモンバランスの乱れは皮脂の分泌を過剰にし、頭皮の環境が悪化することで健康な髪が育たず、抜け毛も進行しやすくなることが考えられます。
栄養バランスの偏り
食生活の乱れやダイエットでの過度な食事制限による栄養不足、また脂肪分や糖分を摂取し過ぎた栄養過多は髪の毛を健康に育たなくする原因のひとつです。
髪の毛は、食事で摂取した栄養素をもとに作られます。
しかし、乱れた食生活を続けると髪の毛に栄養がいかず毛髪周期の乱れを招き、成長途中で髪の毛が抜けて新しい髪の毛が生えにくくなることが考えられます。
健康な髪の毛や毛髪を育てる頭皮にとって、栄養バランスの整った食事は重要です。
ここでは頭皮や髪の毛にとって必要な以下の栄養素をご紹介します。
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
タンパク質
タンパク質は髪の毛の主成分です。
さまざまなタンパク質の中でも重要なのは、18種類ものアミノ酸が合成すると生成される「ケラチン」というタンパク質です。
ケラチンを直接摂取できる食材はなく、ケラチンを生成するために必要な栄養素を摂取し、ケラチンそのものは体内で生成されます。
ケラチンを生成するために必要な栄養素は以下の通りです。
- 亜鉛…牛肉・牡蠣・炒りごまなど
- ビタミンB2…レバー・味噌など
- ビタミンB7…レバー・白キクラゲ・落花生など
- 良質なタンパク質…肉・魚・牛乳・卵など
ビタミン
(レバー・うなぎ・ブロッコリー・アセロラ・キウイ・アーモンドなど)
頭皮環境を健康に保つためにも、摂取した栄養素を頭皮まで行き渡らせるためにも大切な栄養素のひとつです。
ミネラル(亜鉛)
(牛モモ肉・牡蠣・うなぎ・かつおぶしなど)
AGAの予防に重要な亜鉛は、健康な髪の毛をつくるのに必要なケラチンの生成をサポートします。
また、AGAの原因である5αリダクターゼを妨げる作用も期待できます。
AGAの予防のためには、必要な栄養素だけを摂取するのではなく、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることが重要です。
生活習慣の乱れ
日々の生活習慣が乱れてしまうと、AGAを招く原因となってしまう可能性があるため、AGAが気になる方や予防したい方は生活習慣を見直してみましょう。
運動不足による筋力の低下や、喫煙によるニコチン摂取での血管収縮は血行不良を起こしやすくなり、頭皮に必要な栄養素が行き届かなくなってしまいます。
頭皮に栄養が行き渡らないと健康な髪の毛が育たず、細くて弱い髪の毛が生えたり、抜けやすくなったりするため、AGAや薄毛が進行する恐れがあります。
お酒を仕事後の楽しみにしている方も過度な飲酒には注意が必要です。
アルコールの過剰摂取は髪の毛の主成分であるタンパク質を体内で合成するのを防ぎ、アルコールを分解する際に発生する有害物質がAGAの大きな原因であるジヒドロテストステロンを増加させてしまう可能性があります。
さらに、この有害物質は、寝る前にアルコールを摂取することで睡眠の質を低下させるとされています。
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、健康な髪の毛を育てるのに必要です。
睡眠不足や睡眠の質が低下すると成長ホルモンの分泌は減少し、健康な髪の毛が育たなくなってしまいます。
頭皮環境が悪い
健康な髪の毛を育てるためにも頭皮環境を良好に維持することは大切です。
しかし、パーマやカラー、紫外線や乾燥など外的要因によって頭皮環境が悪化するとAGAや薄毛を引き起こす原因となります。
パーマ剤やカラー剤は頭皮に刺激となるような強い成分の含まれた薬剤が多いです。
強い成分の薬剤が頭皮に付着することで、炎症を起こしやすくなってしまいます。
また、パーマやカラーを繰り返し行うことで、頭皮や髪の毛にダメージを与え、弱ってしまいます。
このように、頭皮にダメージを与え、AGAを引き起こす可能性があることから、できる限りパーマやカラーは避けるといいでしょう。
紫外線にも注意が必要です。
紫外線は季節や天候に強弱はあるものの毎日降り注いでいるため、日々頭皮や髪の毛にダメージを与えます。
紫外線を浴び続け、頭皮にとってよくないのは乾燥や光老化です。
紫外線は頭皮や肌の乾燥を引き起こすため、かゆみやフケの原因となります。
また、頭皮が乾燥していると髪の毛の成長を妨げ、細く弱い髪の毛が育ってしまいます。
紫外線を浴びることで起こる老化現象は、髪の毛のもとである毛母細胞の機能を低下させる可能性を高めることです。
毛母細胞の機能が低下してしまうと、髪の毛が健康に育たず抜け毛や薄毛を招く原因となります。
紫外線を予防するために日傘や髪の毛の日焼け止めなどがあります。ただ、帽子を長時間被っていると頭皮が蒸れて、頭皮環境が悪化するため注意しましょう。
AGAセルフチェック
薄毛が気になる方は、まずはセルフチェックをしてみるといいでしょう。
<AGAの可能性があるセルフチェック項目>
- 家族や親族(特に母方の家系)に薄毛の方がいる
- 細くて短い産毛のような髪の毛が増えたように感じる
- 前頭部の生え際が後退してきているように感じる
- 頭頂部やつむじ部分が薄くなり地肌が見えてきているように感じる
- シャンプーをしたときや、起きたときの枕元に抜け毛が増えたように感じる
- 同世代の方より髪の毛の量が少なく感じる
- 髪の毛にハリや元気がないように感じる
- ストレスが多い
- 睡眠不足である
- 喫煙している
- 脂っこい食事や栄養バランスの乱れた食事をしている
セルフチェックをしてみて当てはまる項目が多かった場合、AGAである可能性や今後発症する可能性が高くなります。
進行性の脱毛症であるAGAは早期治療、改善が大切です。
セルフチェックはあくまで目安であり、正確ではないため、当てはまる項目が多かった場合は専門クリニックで相談し正確な検査をしましょう。
AGA治療方法
クリニックを受診すると多くの場合、検査を受けて薄毛の原因を探り、進行具合に合わせて治療方針が決まります。
AGAの治療方法は「内服薬」「外用薬」「メソセラピー(注入療法)」「自毛植毛」などがあります。
それぞれの治療方法をご紹介します。
内服薬
内服薬は2つの目的に分かれており、薄毛の進行を予防するものと発毛を促すものがあります。
薄毛の進行を予防する内服薬は、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を体内で生成するのを抑え脱毛を予防するのが目的です。
発毛を促す内服薬は髪の毛のもとである毛母細胞を刺激して、新しく発毛するよう促します。
これらの内服薬はクリニックで診断を受け、医師の判断で症状に合わせて処方されます。
また、進行具合によっては複数の内服薬が処方されることもあります。
<主な内服薬の種類>
- プロペシア
- フィナステリド錠
- ザガーロ
- ミノタブ
プロペシア・フィナステリド錠
フィナステリドが主成分で、DHT(ジヒドロテストステロン)を生成する5αリダクターゼの働きを抑え、薄毛の進行を予防する効果が期待できます。
基準の厳しいアメリカ食品医薬品局(FDA)と厚生労働省の承認を受けており、AGA治療薬でも基本となる治療薬といえます。
また、フィナステリド錠はプロペシアのジェネリック医薬品です。
プロペシアとフィナステリド錠を服用した際に起こる可能性のある副作用は、男性機能の低下(性浴の減退・精液の減少・勃起不全など)や肝機能障害による吐き気や食欲不振などがあります。
どの副作用も発症率は低いといわれていますが、上記のような副作用が報告されています。
また、服用開始後の初期に脱毛症状がみられることがありますが、主成分であるフィナステリドの働きにより毛髪周期が正されようとしている症状であることから過度な心配は不要でしょう。
ザガーロ
デュタステリドが主成分で、作用はフィナステリドと同様DHTの生成を抑え、脱毛の進行を予防する作用に期待できます。
フィナステリドのと違いは、フィナステリドが5αリダクターゼⅠに働きかけるのに対し、デュタステリドは5αリダクターゼⅠ・Ⅱに働きかけるため、頭頂部やおでこの生え際の脱毛に効果が期待できます。
ザガーロを服用した際に起こる可能性のある副作用は、プロペシアやフィナステリド錠と同様です。
その他にも蕁麻疹や黄疸などの副作用がみられるケースもあります。
ミノタブ
主成分であるミノキシジルには発毛を促す作用があるため、新しい髪の毛の成長に期待できる内服薬です。
ミノタブを服用した際に起こる可能性のある副作用は、動悸やめまい、息切れ、頭痛、手足や顔のむくみなどが挙げられます。
どの内服薬も服用開始してすぐに効果はみられず、個人差はありますが6ヶ月以上の継続が必要とされています。
外用薬
外用薬は直接頭皮に塗布して、薬剤が毛根まで届くことで効果が期待できる治療薬です。
外用薬の種類は主にミノキシジル外用薬で成分や作用は内服薬であるミノタブと同様です。
効果の高さは内服薬より劣りますが、体内に入れない分内服薬より副作用が穏やかとされてます。
また、同じミノキシジルが主成分である内服薬と外用薬では副作用が異なり、外用薬で起こる可能性のある副作用は塗布した場所にかゆみや発疹、皮膚炎、ニキビなどの頭皮トラブルが起こる場合があります。
ミノキシジルの外用薬は市販でも販売されていますが、成分の濃度が市販薬では5%までと決められており、処方薬と差が出てしまいます。
メソセラピー(注入療法)
メソセラピーとは頭皮に成長因子などの成分を直接注入する治療方法です。
メソセラピーは頭皮に注入するという治療法の名称であって、クリニックによって「育毛メソセラピー」「AGAメソセラピー」「HARG療法」「毛髪再生療法」など呼び方は変わります。
注入する成分は髪の毛の主成分であるタンパク質から生成されてた成長因子(グロースファクター)に、治療薬に含まれる成分であるフィナステリドやミノキシジルなど、髪の毛に大切なミネラルやビタミンなどの栄養素を注入されることが多くみられます。
しかし、注入方法や注入する成分の種類はクリニックによって違います。
メソセラピーは本命治療として行われるのではなく、内服薬や外用薬のサポートとして行われることが多く、成分を直接頭皮に注入することで効果を短期間で発揮するように手助けをします。
メソセラピーで起こる可能性のある副作用は、頭皮に注入する際にかゆみや痛み、腫れ、赤みなどの頭皮トラブルが生じることがあります。
また、頭皮に注入する成分の種類によって変わりますが、体にとって悪影響のある副作用はあまりみられないのが特徴です。
しかし、注入する成分に内服薬や外用薬の主成分と同じ成分が含まれている場合は、服用したときにあらわれる副作用と同様の症状が出ることがあります。
自毛植毛
自毛植毛とは薄毛を改善するために、自分の髪の毛を毛包ごと採取して移植する治療方法で主に内服薬や外用薬で効果がみられない場合に推奨される治療法です。
髪の毛を成長させる毛包ごと移植するため、移植後は自然と髪の毛が再び生えてくるようになり、半永久的に伸びることが期待できます。
自毛植毛の施術にはメスを使用する方法とメスを使用しない方法に分かれます。
メスで頭皮ごと採取し移植を行う「ストリップ法(FUT法)」とメスを入れずにパンチという専用器具で毛根ごと採取し移植する「ダイレクト法(FUE法)」があります。
自毛植毛は毛根を採取し移植先に穴をあけ移植するという高い技術や手間がかかるため費用が高額になりやすいのが特徴です。
一度移植するとメンテナンスなどは必要ありませんが、移植する毛根を健康に維持することも重要であるため、費用がより高くなる傾向があります。
AGA治療の費用相場
薄毛やAGAが気になり治療を受けたいけれど、治療にかかる費用が気になるという方は多いのではないでしょうか。
AGAは短期的に改善されるものではなく、ある程度は継続的な治療が必要となります。
ここではクリニックにより変わりますが、それぞれの治療にかかる費用相場をお伝えします。
診察
AGA治療を開始するのにまずは診察してカウンセリングを受ける必要があります。
また、今後AGA治療を続けるとなると1〜2ヶ月に1度の通院が必要になり、その度に費用がかかります。
<初診・再診の費用相場>
費用相場 | |
初診 | 無料〜5、000円程度 |
再診 | 1、000〜3、000円程度 |
また、オンライン診療での初診で無料でカウンセリングを行っているクリニックもあります。
検査
AGA治療を行う際に、クリニックでは検査を行うことがほとんどです。
検査を行う理由は、薄毛の原因や進行状況の把握、今後の治療で薬の使用が可能かどうか、治療薬の効果の予測などをするためです。
今後の治療を行ううえでとても重要な検査となります。
<検査の費用相場>
費用相場 | |
血液検査 | 5、000〜10、000円程度 |
血液検査(遺伝子検査も兼ねた場合) | 10、000〜20、000円程度 |
検査方法は血液検査を行うことが多く、クリニックによっては遺伝子検査を兼ねて行う場合もあります。
検査は診察の度に行うのではなく、初診時と治療の途中で経過状況を把握するためにおこなわれることがあります。
処方薬
AGA治療を行う際に費用のほとんどを占めるのは処方薬の費用です。
AGAが改善されるまで継続的に続ける必要があるため、定期的に処方薬の費用がかかります。
また、AGAの進行具合によって処方薬は1つではなく複数処方される場合もあるため、複数処方された場合はその分費用が嵩んでしまいます。
<処方薬の費用相場>
費用相場 | ||
内服薬 | プロペシア | 5、000〜8、000円程度 |
ザガーロ | 8、000〜10、000円程度 | |
ミノタブ | 8、000〜10、000円程度 | |
外用薬 | ミノキシジル外用薬 | 10、000〜 |
メソセラピー(注入療法)
内服薬や外用薬で改善がみられなかった場合、メソセラピーでの治療を推奨されることがあります。
<メソセラピーの費用相場>
費用相場 | |
メソセラピー | 120、000〜800、000円程度
(20、000〜80、000円程度/1回) |
メソセラピーは1回ではなく3〜4週に1回、複数に分けて半年〜1年半かけて継続的に注入します。
複数に分けて継続的に行う治療法のため、1回分の費用ではなく複数回分を1クールとして費用を定めているクリニックが多くみられます。
また、注入する成分や薬剤、施術方法はクリニックにより違うため費用も大きく違います。
自毛植毛
自毛植毛にかかる費用は、植毛する範囲や施術方法により大きく変わります。
主に基本料金(機器の使用料・技術料・衛生維持費)、1グラフトあたりの費用×グラフト数が自毛植毛にかかる費用です。
<自毛移植の費用相場>
費用相場 | |
基本料金 | 110、000〜380、000円程度 |
ストリップ法(FUT法) | 660〜1、100円/1グラフトあたり |
ダイレクト法(FUE法) | 720〜1、700円/1グラフとあたり |
グラフトとは植毛する毛包の単位を指し、1グラフトあたりの料金は施術方法により違いがあります。
自毛植毛を行う施術方法にはストリップ法(FUT法)とダイレクト法(FUE法)があり、メスを使用せず毛包を採取するダイレクト法は高い技術が必要となるため機械の使用料、1グラフトあたりの費用などが上がる傾向があります。
薄毛の進行具合で移植する範囲が変わり、比例してグラフト数も変わるため費用も変化します。
そのため、脱毛が進行していて広範囲になるほどグラフト数が増え、その分費用が高額になります。
また、1度の手術で移植できるグラフト数は2、000グラフトと決まっているため、2、000グラフト以上の自毛移植を行う場合は施術するたびに基本料金も必要です。
施術回数によって費用も大きく差が出ます。
AGA治療には保険が適用されない
AGA治療は通院や継続して治療を行う必要があるため、保険適用になるのか気になるところです。
しかし、AGA治療は基本的には保険適用外の自由診療となり、医療費控除も対象外となります。
保険が適用されない理由
保険適用で治療を受けられるのは命が危険に及ぶ可能性のある病気や怪我などです。
AGAは精神的なショックや髪の毛の健康は損ねるものの、命に関わる心配がないため保険適用外となります。
そのため、診察や検査、処方薬などにかかる費用は全額自己負担です。
基本的にAGA治療は保険適用外となりますが、一部の脱毛症に関しては保険が適用される場合があります。
頭皮に炎症がある場合は炎症の治療に対してのみ保険が適用されます。
また、円形脱毛症も保険適用内で治療することが可能です。
薄毛が気になる方はAGAと決めつけず、まずはクリニックで検査を行いAGAなのかその他の脱毛症なのか検査してみるといいでしょう。
医療費控除も対象外
医療費控除とは1年間のうちで支払った医療費の一部を所得金額から差し引ける制度のことです。
この医療費控除にAGA治療は適用されません。
医療費控除の対象にならない理由としては、AGA治療を行わずとも健康を損ねる心配がないことと、容姿や見た目の美化目的に該当するためです。
保険適用外になる理由でもご説明した通り、AGAは命の危険に関わる病気ではありません。
医療費控除の対象になるのは健康被害を損ね、生活が困難になる病気が対象となるためAGAは対象外となります。
また、国税庁が定めた所得税の基本通達に以下のような記載があります。
「いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する」
出典:「国税庁ホームページ」
AGA治療は容姿や容ぼうを変える治療に該当すると考えられるため、医療費控除の対象外となります。
AGA治療費を安く抑えるには
保険適用外なため全額自己負担となるAGAの治療費をできる限り安く抑えたい方も多いと思います。
AGAの治療費を安く抑えるポイントは以下の3つです。
- 早めに治療を開始する
- ジェネリック医薬品を選ぶ
- オンライン診療で治療を受ける
早めに治療を開始する
AGAは進行型の脱毛症です。
放置しておくと薄毛は進行し、悪化するほど改善されるまでに必要な時間もかかるようになってしまいます。
時間がかかる分、診察や薬、通院などの費用がかかってしまいます。
また、軽度の薄毛であれば内服薬のみで改善が期待できますが、悪化してから治療を開始すると内服薬の他に外用薬など複数の薬代がかかってしまう恐れもあります。
AGAの可能性や薄毛が気になった場合は、速やかに専門クリニックで受診しましょう。
ジェネリック医薬品を選ぶ
内服薬や外用薬などは治療を行う上で毎月かかる費用であるため、できる限り抑えたいところです。
先発品に対して遅れて製造されたジェネリック医薬品は開発費などが軽減されるため、先発品よりも安価で購入できます。
価格は異なりますが、含まれる成分や期待できる効果は同等なため、ジェネリック医薬品を取り扱っているクリニックであればそちらを選択すると費用を抑えることができます。
オンライン診療で治療を受ける
診察費を直接抑えることはできませんが、オンライン診療で治療を受けることで通院費を抑えることができます。
AGA治療は短期間で効果が出るものではなく、ある程度治療を続ける必要があるためそのたびに通院が必要です。
交通費だけでなく時間も節約できるため、忙しい方でも受診しやすいでしょう。
男性の薄毛とAGA治療に関するよくある質問
ここまで男性のAGAについて原因や治療方法、費用などをお話してきました。
その他にAGAに関するよくある質問をまとめています。
薄毛は全てAGAですか?
薄毛の原因はAGAだけではありません。
AGA以外にも脱毛症はあり、それぞれ原因や治療方法が異なります。
<AGA以外の脱毛症の例>
- 円形脱毛症
- 神経性脱毛症(ストレス性脱毛症)
- 脂漏性脱毛症
- 圧迫性脱毛症(機械的脱毛症)
- 粃糠性脱毛症
これらの脱毛症は皮脂の過剰分泌や帽子やヘルメットの圧迫などによる外的要因、皮膚に常在するカビなど症状により原因はさまざまです。
脱毛が気になる場合は、原因を知り早く治療を始めることが大切であるため自己判断せずにクリニックを受診して医師に診断してもらうよう検討しましょう。
女性もAGAになりますか?
女性でもAGAになることがあります。
AGAを発症する原因は男性と同様、男性ホルモンが原因です。
しかし、男性と女性ではAGAを発症するメカニズムや治療方法に違いがあります。
通常は女性ホルモンが優位にあり健康な肌や髪の毛、女性らしい体つきをつくっていますがストレスや加齢、生活習慣の乱れなどで女性ホルモンが低下すると男性ホルモンが優位になってしまいます。
男性ほど男性ホルモンが活発になることは少なく、女性がAGAを引き起こす可能性は高くありませんが、AGA以外にも産後の抜け毛やびまん性脱毛症などの脱毛症があり薄毛に悩む女性がいることは確かです。
シャンプーや育毛剤でAGAを治すことはできますか?
薄毛が気になり始めるとまずは自宅でセルフケアとしてシャンプーや育毛剤で改善を試みる方もいらっしゃると思います。
しかし、シャンプーや育毛剤ではAGA治療の根本である発毛に期待はできません。
薄毛対策として販売しているシャンプーやヘアケア用品は発毛を促す成分が含まれているのではなく、あくまで髪の毛にいい栄養や頭皮の衛生を維持する成分が含まれているものが多いのです。
髪の毛を生やすという目的よりは、生えている髪の毛の健康を維持し頭皮の環境を整える目的と考えるといいでしょう。
また、育毛剤に関しても同様で、発毛を促す科学的根拠のある成分が含まれているものではないため、薄毛になった部分の髪の毛を生やすという目的では効果は期待できないでしょう。
シャンプーや育毛剤は薄毛の予防として使用することをおすすめします。
AGAの治療を途中でやめると元に戻りますか?
AGAの治療を途中でやめると元の薄毛や脱毛状態に戻ってしまうことが考えられます。
治療をして髪の毛が生えてきたとしても、薬の効果で生えてきたと考えられるため、治療を中断することで薬の効果は切れてしまい再び脱毛症状が始まる可能性があります。
また、AGAは進行性の脱毛症であるため、治療で生えてきた髪の毛の場合でも再び抜けやすくなり症状は進行する一方です。
継続してAGA治療を行い、発毛・育毛効果が見られたあとは発毛の薬を中止し、脱毛予防の内服薬のみに減薬して様子を見ていくのが基本的なAGA治療の過程です。
男性の薄毛とAGA治療まとめ
ここまでAGAについてお伝えしてきました。
AGAの原因や治療について要点を以下にまとめます。
- AGAは成人男性が発症する進行性の脱毛症で、前頭部やおでこの生え際などから薄くなっていくパターンが多く見られる薄毛の症状のこと
- AGAを発症する原因や遺伝や男性ホルモンの働き、生活習慣の乱れ、頭皮環境の悪化などで引き起こす可能性が考えられる
- AGA治療は進行具合によって医師の判断で決まり、内服薬や外用薬の薬治療の他に、成長因子など成分を注入するメソセラピー、自毛を毛包から移植する自毛植毛などがある
- AGA治療にかかる費用は症状が進行しているほど高額になる傾向があり、自由診療のためクリニックによりさまざまな設定である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。