生理痛にピルが効く?効果や副作用について解説!

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「生理痛がきつい…」

「生理のたびに生活に支障が出て困る…」

 

生理痛を我慢しながら、仕事や家事、学校生活などをおくっている方も多いのではないでしょうか。

ピルは一般的に避妊薬として知られていますが、生理痛を和らげる効果も期待できるといわれています。

 

本記事では、生理痛を和らげる目的でピルを検討している方に向けて、以下の内容をお伝えしていきます。

 

  • ピルについて
  • ピルは生理痛になぜ効くのか
  • ピルを飲むさいの注意点
  • ピルは保険適用になるのか?
  • ピル服用を迷っている方へ

 

生理痛の対処方法の1つとして、ピルについて学んでいきましょう。

ぜひ最後までお読みください。

ピルとは

ピルのイメージ画像

ピルはもともと避妊目的で開発された薬ですが、『生理痛やPMSを緩和する効果』も期待できるといわれています。

実際に、医師の診断によって生理痛・PMS緩和目的でピルが処方されることがあります。

 

ピルには女性ホルモンの「エストロゲン」「プロゲステロン」が含まれています。

ピルはホルモンの量や、その使用目的によって以下の4種類に分けられています。

 

  • 超低用量ピル
  • 低用量ピル
  • 中容量ピル
  • アフターピル

ピルの効果

笑顔の女医の画像
超低用量ピル

「生理やPMSを安定させたい」「副作用が心配」という方に適したピルといえるでしょう。

超低用量ピルは、主に以下のような目的で使用されます。

  • 生理の安定
  • 生理痛の軽減
  • PMSの緩和
  • 避妊
  • 生理過多

 

超低用量ピルのエストロゲンの量は、1錠あたり0.03mg以下です。

 

エストロゲンの量が多いほどピルの効果は高いといわれています。

そのため超低用量ピルは、ピルの中で最も効果がマイルドといえるでしょう。

 

その分、副作用がほとんど出にくいというメリットもあります。

低用量ピル

低用量ピルは、超低用量ピルと同様に「生理やPMSを安定させたい」「副作用が心配」という方に適したピルといえます。

 

低用量ピルは、主に以下のような目的で使用されています。

  • 生理の安定
  • 生理痛の軽減
  • PMSの緩和
  • 避妊
  • 生理過多 

 

低用量ピルのエストロゲンの量は、1錠あたり0.05mg以下です。

超低用量ピルよりもエストロゲンが多いため、効果もより感じやすいといわれています。

中用量ピル

中用量ピルは、主に以下のような目的で使用されています。

 

  • 避妊
  • 生理の移動
  • 月経困難症の治療

 

エストロゲンの量は低用量ピルよりもさらに多くなります。

その分ピルの効果も高まるため、生理日のコントロールができたり、避妊効果がより高まったりするといわれています。

 

副作用が出る可能性も、低用量ピルと比べると上がるといわれています。

アフターピル

アフターピルは、緊急用の避妊薬として使用されています。

避妊失敗から72時間以内に服用すると避妊効果が得られやすいため、なるべく早いタイミングで飲むことが推奨されています。

 

中には避妊失敗後5日間効果が得られるものもあるため、早めに相談してみることをおすすめします。

アフターピルには多量の女性ホルモンが含まれており、強制的に体を妊娠しない状態にするといわれています。

 

POINT!
受精卵の子宮内膜への着床を防ぎ、排卵のタイミングを遅らせるなどして、妊娠を避ける効果が期待できます。

生理痛が起こる原因

悩む女性の画像

生理痛の原因には「プロスタグランジン」というホルモンが深く関わっているといわれています。

プロスタグランジンは、生理のさいに子宮収縮を促し、不要になった粘膜や血液などの排出を手助けしているホルモンです。

 

通常、女性の体は妊娠するために排卵し、子宮内膜を厚くするなどして受精の準備をしています。

しかし受精がされなければ、子宮内の粘膜や血液などは不要となり、プロスタグランジンによって外に排出しようとします。これが生理のメカニズムです。

 

プロスタグランジンが過剰に分泌された場合、その分子宮収縮も強くなるため「生理痛」が強く感じられるといわれています。

痛みの感じ方には個人差がありますが、中には「耐えられない」程の痛みを感じ、生理のたびに苦痛を伴っている方もいるようです。

ピルで生理痛を緩和できるメカニズム

ピルを服用することによって、生理痛の緩和が期待できるといわれています。

 

低用量ピルには、エストロゲンプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが含まれています。

ピルを服用すると常に女性ホルモンが満たされるため、体は妊娠したときのようなホルモンバランスになるといわれています。

 

 

体は「妊娠している」と錯覚し、排卵を抑制します。排卵がなければ子宮内膜が厚くなりにくくなります。

生理のさいに排出する内膜や血液などが少なくなるため、過剰な子宮収縮も起こりにくくなり、生理痛の軽減に繋がるといわれています。

 

生理痛に対するピルの効果は比較的高く、鎮痛剤を使用しなければ生活できなかったような方でも、ピル服用によって痛みが軽減することもあるといわれています。

ピルを処方してもらうには?


クリニックを受診

ピルは産婦人科や内科などのクリニックを受診し、処方してもらうことが可能です。

クリニック受診では医師に直接相談ができたり、必要な検査がすぐにできたりするメリットがあります。

 

生理期間以外にも出血がある「不正出血」や、強すぎる生理痛などの場合には病気が隠れている可能性もあるといわれています。

 

このようなトラブルがある場合は、内診や血液検査などの必要な検査をすぐに行えるため、オンラインクリニックではなく直接クリニックを受診されることをおすすめします。

オンライン処方

オンライン処方は「忙しくて時間がない」「婦人科に行くことに抵抗がある」など、通院がむずかしい方におすすめの購入方法といえるでしょう。

 

オンラインクリニックでは予約から処方、支払いまでをネット上で済ませられ、その後自宅などにピルを届けてくれるシステムです。

最短翌日配送が可能で、配送時のプライバシーにも配慮されています。

 

注意!
値段が高めで配送料がかかることや、定期検査などは自分でクリニックを探さなければならないことは注意しておく必要があります。

ピルの服用方法


21錠タイプと28錠タイプ

ピルの服用方法は、21錠タイプと28錠タイプの2パターンがあります。

どちらも1周期を28日として数えますが、休薬期間がある/ないで違いがあります。

 

  • 21錠タイプ
    21錠タイプは、1シートあたり21錠です。1日1錠を順番通りに21日間服用し、7日間休薬期間をとります。休薬期間後に次のシートの服用を開始します。

 

  • 28錠タイプ
    28錠タイプは、1シートあたり28錠です。1日1錠を順番通りに28日間服用します。

 

28錠ではありますが、最後の7日間はホルモンの全く入っていない錠剤(プラセボ錠)を服用します。毎日飲むことを習慣づけるために、あえて休薬期間をとらない仕組みになっています。

気を付けること

ピルの効果を得るためには、気をつけておくべきことがあります。

またピルの副作用には「よくみられるもの」と「重大なもの」とがあるため、どちらもおさえておく必要があるでしょう。

 

まず、ピル服用時に気を付けたいことは以下のとおりです。

 

  • 飲み合わせは医師にかならず相談する
    飲み合わせによって効果に影響がでるものが多数あるといわれています。(糖尿病治療薬/てんかん治療薬/抗真菌薬など)
    他の薬を服用中の場合は、かならず医師または薬剤師に相談しましょう。

 

  • 性行為時はコンドームを使用する
    ピルはエイズや性感染症を予防するものではないため、感染予防のためにも性行為時はコンドームを使用しましょう。

 

  • 用法用量を守る
    飲み忘れによって妊娠する可能性もあるため、指示どおりの飲み方を守ることが大切です。通常は2日以上飲み忘れた場合はリセットとなり、次の生理を待ち服用を再開することが多いといわれています。

 

  • 定期健診を受ける
    副作用や健康管理のため、定期的な健診が推奨されています。(血圧・体重測定/乳がん・子宮がん検査/超音波検査など)

 

  • 激しい下痢または嘔吐が続く場合は医師に相談する
    下痢や嘔吐があると、薬の成分が吸収されにくく妊娠する可能性があるため、医師または薬剤師に相談しましょう。

 

ピルの副作用については、以下の表を参照してください。

 

比較的よくみられる副作用
悪心・嘔吐

乳房の張り・痛み

頭痛

下痢

体重増加

倦怠感

ニキビ

不正出血

 

※1~2ヶ月服用するうちに消失するものが多いといわれています。

 

頻度は少ないものの、重大な副作用
血栓症

心筋梗塞

乳がん

子宮頸がん

 

※ピルを服用していない人に比べて発症頻度がわずかに高くなるといわれています。

 また、喫煙者は血栓症を発症するリスクが高いため医師に相談しましょう。

ピルは保険?自費?

ピルは使用目的によって、保険適応になる場合/ならない場合(自費)に分かれています。

 

ピルが自費になるケースは、使用が「避妊目的」であることです。保険適応はむずかしく、多くは自費になりやすいため注意しましょう。

 

ピルが保険適応になるケースは、使用が「治療目的」であることです。そのさい医師による診察・処方、検査などが必要といわれています。

 

低用量ピルで保険適応になりやすいケースは以下のとおりです。

 

  • 子宮内膜炎の治療
  • 月経困難症の治療
  • 過多月経
  • PMS(月経前症候群)の緩和など

 

また低用量ピルの相場は1ヶ月あたり2,500~4,000円で、保険適応になると1,000〜2,000円といわれています。

早期受診を心がけましょう

毎回生理痛に悩まされていても、

「婦人科に行くほどではない」「生理痛は我慢するべき」

そう思っている方も多いのではないでしょうか。

 

実際に日本の働く女性は、生理中に不調を感じても対処できていない方が多いといわれています。

 

調査によると、生理の異常・PMSに対して「何も対処していない」と答える割合が全体で最も多いようです。

しかし生理異常や重たいPMSの裏には、病気が隠れている可能性もあるといわれています。もし早期の段階で発見できれば、治療に繋がるかもしれません。

 

また病気でない場合でも、診察や服薬によって、生理トラブルを緩和できる場合も多くあります。

 

どうしても周囲の雰囲気に合わせて我慢をしたり、忙しくて自身の体調と向き合う余裕がなかったりするかもしれません。婦人科に抵抗がある方も多いかと思います。

しかし女性が健康的でかろやかに生きていくためにも、生理と向き合い適切に対処していくことはとても大切といえるでしょう。

 

もしご自身に生理異常や辛いPMSがあるさいは、我慢せずに早めのうちに病院を受診してみましょう。

出典:「働く女性の健康増進調査2018」特定非営利活動法人日本医療政策機構」 

ピル 生理痛 に関するよくある質問

とくにピルを初めて検討している方は、「本当に飲んで大丈夫かな?」と不安に思うのではないでしょうか。

ピルに関するよくある質問をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

妊娠に影響しますか

低用量ピル服用によって不妊症になる可能性は低いといわれています。

 

低用量ピルは、服用中止後1~3ヶ月以内にもとのホルモンバランスに戻り、妊娠が可能になるケースが多いといわれています。

しかし低用量ピルには不妊症を改善する効果は望めないため、もともと不妊症であった方は治療を再開していく必要があるといわれています。

何歳から服用できますか

ピルは、生理開始〜閉経までの期間、服用できるといわれています。

 

ピルは「成人してから」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、中高生のうちから生理痛改善などの目的で服用される方もいます。

40歳代以上の方は心臓・血管障害のリスクが高まるといわれています。持病なども含めて確認し、医師の診断によってはピルの処方が貰えない可能性があります。

生理痛とピルまとめ

ここまで生理痛とピルについてお伝えしてきました。

以下は本記事の要点のまとめです。

 

  • ピルは女性ホルモンが含まれており、量と使用目的によって【超低用量ピル/低用量ピル/中用量ピル/アフターピル】に分かれる。超低用量ピルや低用量ピルは生理の緩和目的で使用される。
  • ピルによって女性ホルモンが妊娠時と同じ量になるため、生理のさいに出る血液量が減り、子宮収縮の痛み(生理痛)が減るといわれている。
  • ピルは用法用量を守ることが大切。飲み合わせによっては効果に影響が出たり、副作用が出たりすることもある。ピル服用時はかならず医師の診察・処方を受け、異常のさいには相談を。
  • ピルは子宮内膜炎や月経困難症、過多月経、PMS緩和などの『治療目的』であれば保険適応となる。「避妊目的」の場合は保険適応外となる。
  • 生理異常やPMSがあっても受診をしない方が多い。病気が隠れている場合もあるため、我慢せずに早期受診をしたほうがよい。

 

本記事が、皆さんの生理痛改善に少しでも役立てられると幸いです。

最後までお読みくださってありがとうございました。