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世間一般的に、性病検査は恥ずかしい・痛いなどのイメージがあります。
多くの場合、性病検査で痛いと感じることはありません。
しかし、感じ方は人それぞれであるため、痛いと感じる方もおられます。
性病検査では、具体的にどのような場面で痛みを感じる可能性があるのでしょうか。
本記事では性病の検査の痛みに関する事柄について、以下の点を中心にご紹介します。
- 性病検査は本当に痛いのか
- 性病検査で痛みを伴う検査の種類とは
- 性病にはどのような種類があるのか
性病の検査の痛みに関する事柄について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
性病とは
性病とは感染症の1種です。
特に性的な接触で感染する疾患を指します。
性病の主な感染経路は以下の通りです。
- 膣性交
- オーラルセックス(口腔性交)
- アナルセックス(肛門性交)
性病は男性同士・女性同士の性交渉でも感染します。
なお、キスや回し飲みによる感染リスクは、性交渉に比べると低めです。
性病の検査は痛いのか?
痛みの感じ方には個人差がありますが、性病の検査はさほど痛いものではありません。
ちなみに性病の検査は大きく分けて3種類あります。
- おりもの検査
- 血液検査
- 視診
おりもの検査は女性が対象の検査方法です。
膣または子宮からおりものを採取して検査します。
ちなみにおりものとは、膣・子宮・外陰部などの分泌物です。
おりものの採取は、膣内や子宮周辺を綿棒で拭い取って行います。
痛いと感じることはほとんどありません。
ただし、緊張して身体に力が入った場合や、膣・子宮口が狭い場合は、痛いと感じることもあります。
血液検査とは、採血を伴う検査方法です。
採血には針を用いるため、痛いと感じることもあります。
視診は、医師が直接陰部を診る方法です。
具体的には、陰部の吹き出物や腫れ・ただれなどの状態から、性病かどうかを判断します。
基本的に身体には触れないため、痛いと感じることはありません。
なお、検査から結果判明までにかかる日数は検査や性病の種類によって異なります。
たとえばおりもの検査では、判定までに1〜2週間かかることが一般的です。
血液検査は、平均4〜5日ですが、性病の種類によっては1週間以上かかることもあります。
視診は医師がその場で判断するため、原則として当日に結果が分かります。
ただし具体的な検査日数は、医療機関や検査の種類などによって変動します。
詳しくは検査を受けた病院で確認してください。
性病の種類別の検査内容
検査方法によって診断できる性病の種類が異なります。
それぞれの内容をみていきましょう。
おりもの採取
おりもの検査では、膣や子宮から採取したおりものを調べます。
綿棒などで膣内などを拭うため、人によっては痛いと感じることもあります。
おりもの検査で分かる性病の主な種類は以下の通りです。
- 性器クラミジア
- 淋菌
- 性器カンジダ
- トリコモナス
- 尖圭(せんけい)コンジローム
上記の性病は、おりものに異常が出ることがしばしばです。
異常とはたとえば、腐った魚のような異臭や、色が緑がかっているなどが代表的です。
あるいは、おりものがカッテージチーズのようにポロポロしているケースもあります。
おりものがいつもと違うと感じる場合は、念のため、おりもの検査を受けるのがおすすめです。
血液検査
血液検査は、血液を採取して調べる方法です。
採血の際に痛いと感じることがあります。
血液検査で分かる性病の種類は以下の通りです。
- HIV
- 梅毒
- 骨盤内クラミジア
- B型肝炎・C型肝炎
クラミジアは通常、性器から感染しますが、日数の経過とともに菌が体内の奥深くへ移動します。
そのため、感染から時間が経っている場合は、性器付近を調べても菌は検出されません。
よって、血液検査を行い、血液中にウイルスが存在するかを調べる必要があります。
おりもの検査で異常がなかったものの、不快な症状がある場合は、一度血液検査を受けるのもおすすめです。
ちなみにB型・C型肝炎は性病ではありません。
しかし、性的接触で人から人へ感染します。
そのため、性病の血液検査では、B型・C型肝炎の有無も一緒に調べることがあります。
視診のみ
視診は、医師が患部を眼で見て診察する方法です。
性病検査の場合は、医師が患者の陰部を直接見ます。
基本的には患部に直接触れないため、痛いと感じることはありません。
視診で分かる性病の種類は以下の通りです。
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
いずれの疾患も性器周辺に特徴的な症状があらわれます。
該当の症状がある場合は、その場で性病と診断されます。
病院によっては、視診とあわせて抗体検査を行うところもあります。
抗体検査を併用することで、より精度の高い診断結果が期待できます。
性病の種類
性病にはさまざまな種類があります。
代表的な性病を紹介します。
性器クラミジア感染症
性器クラミジアは、日本で最も感染率が高い性病です。
特に若年層の女性の感染が目立ちます。
性器クラミジアはクラミジアという細菌に感染して発症します。
潜伏期間は平均2〜3週間です。
感染は、性器・肛門・のどから起こります。
よって感染を防ぐには、膣性交だけでなく、アナルセックスやオーラルセックスでも十分な対策が必要です。
性器クラミジアの主な症状は以下の通りです。
- 性器のかゆみ・痛み
- 排尿時の痛み・違和感
- おりものの増加
性器クラミジアは、自覚症状があらわれないケースも少なくありません。
症状が出たとしても、軽度で済むこともしばしばです。
そのため罹患に気づかないまま性交渉し、他人に感染させるおそれが高い性病でもあります。
出典:
NIID国立感染症研究所【性器クラミジア感染症とは】
淋病(淋菌性尿道炎)
淋病は性器クラミジアと並んで発症率が多い性病です。
特に男性の発症が目立ちます。
淋病は淋菌に感染して発症します。
潜伏期間は2〜7日程度です。
主な感染経路は膣性交のほか、肛門性交・口腔性交です。
淋病の主な症状は以下の通りです。
【男性の場合】
- 尿道の違和感・痒み
- 性器から膿が出る
- 排尿時の痛み
【女性の場合】
- 初期は自覚症状がないことが多い
- (重症化すると)子宮頸管炎・腹膜炎など
淋病は男女共に不妊の原因となります。
妊娠中の感染は流産・早産リスクが高まるため、心当たりがある場合は早急な検査・治療が重要です。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは、一度感染すると再発を繰り返す性病です。
理由は、症状が消えてもウイルスが体内に潜伏し続けるためです。
体内に潜伏したウイルスは、普段は眠っています。
しかし疲労・風邪などによって抵抗力が弱まると、活動を再開して症状を引き起こします。
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型・2型に感染して発症します。
ちなみに1型は性病ウイルスではありません。
しかし、1型に感染している方とオーラルセックスをした結果、性器がウイルスに感染することもあります。
その他にも、キス・回し飲み・タオルの共有・便座を介して感染するケースも少なくありません。
性器ヘルペスの主な症状は以下の通りです。
- 感染部位(性器・肛門・口)周辺に痛みを伴う水ぶくれができる
- 排尿時に強い痛みがある
- ふと物の付け根やリンパ節の痛み
- 神経痛
- 発熱
男女共に、初発は最も症状が重くなりやすいです。
再発時は、初発に比べると症状が軽いことがほとんどです。
ウイルスの潜伏期間は平均5〜10日です。
梅毒
梅毒は梅毒トレポネーマに感染して発症します。
ウイルスは感染者の皮膚・体液に触れることで体内に侵入します。
そのため梅毒は、性交渉だけでなく、キスや傷口への接触によって感染することもあります。
潜伏期間は3週間〜6週間ほどです。
梅毒は数年単位で進行するのが一般的です。
進行具合は症状によって4段階に分類されます。
なお、梅毒は症状が消えたりあらわれたりするのが特徴です。
症状が消えても、ウイルスは体内に潜伏しています。
治療せずに放置すると、病巣は脳・神経・臓器にまで広がります。
最後は死に至るため、なるべく早い段階での治療が重要です。
一般的に、症状は以下の順番で進行します。
- 感染部位(性器・肛門・口)に小さなしこりができる
- 手のひら・足裏・胴体に赤い発疹が出る
- 全身に発疹が広がる
- 心臓・血管・神経などに異常があらわれる
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルスに感染して発症します。
ウイルスへの感染は粘膜を介して起こります。
つまり性交渉だけでなく、キスや傷口の接触でも感染するおそれがあります。
なお、ウイルスの潜伏期間は数週間〜数カ月にも及びます。
そのため、感染時期・経路の特定が難しいのが特徴です。
主な症状としては、性器・肛門周辺・口内に尖ったイボができます。
尖圭コンジローマは、感染部位に特徴的な形のイボができます。
多くの場合、痛みやかゆみはありません。
しかし放置すると、巨大化したり増加したりするケースがしばしばです。
なお、尖圭コンジローマは一度感染すると、ウイルスが体内に潜伏し続けます。
頻繁に再発を繰り返すことも少なくありません。
出典:厚生労働省【尖圭コンジローマ】
NIID国立感染症研究所【尖圭コンジローマとは】
性病は患者が増加している
2000〜2015年の性病患者数は、おおむね横ばいで推移しています。
ただし、梅毒患者に関しては増加傾向が指摘されています。
厚生労働省によると、2010年の梅毒患者数は男女あわせて621人でした。
しかし2015年には、2,697人まで増加しています。
感染者は女性より男性のほうが多いです。
男性で特に感染率が高いのは、30代・40代の方です。
対して女性は、20代の感染が目立ちます。
なお、男女では感染経路にも違いがみられます。
女性の主な感染経路は異性間での性交渉です。
一方、男性の場合、感染経路は異性・同性間でほぼ差がみられません。
種類・年齢・性交渉の相手にかかわらず、性病は他人に感染させないことが大切です。
感染を広げないためにも、少しでも心当たり・不安がある場合は、なるべく早めに検査を受けましょう。
なお、性病の検査で痛みを感じることは稀です。
痛みが気になる場合は、あらかじめ医師などに相談すれば、痛みの少ない検査方法を考えてもらえる場合もあります。
気になる症状がある方は、ためらわず、まずは一度医療機関を受診してください。
出典:厚生労働省【最近の性感染症の動向】
性病の検査痛いまとめ
ここまで性病の検査の痛みに関する事柄についてお伝えしてきました。
性病の検査の痛みに関する事柄の要点を以下にまとめます。
- 性病検査はさほど痛いものではないが、人によっては痛みを感じることもある
- 性病検査で痛いと感じる可能性があるのは、おりもの検査と血液検査
- 性病は、性器クラミジアや淋病、梅毒などが代表的
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。