日本では、2019年頃からアフターピルのオンライン診療が開始されます。
アフターピルのオンライン診療は通院をする必要がないため、ナイーブな話題であっても相談をしやすいといったメリットがあります。
診療時間に融通がきく場合が多く、アフターピルも早めに手に入るため、早く避妊失敗の不安を解消したいといった方向けのシステムだともいえます。
本記事では、アフターピルのオンライン診療について以下の点を中心にご紹介します。
- アフターピルの避妊成功率は
- オンライン診療を受けるクリニックの選び方
- オンライン診療で購入することで生まれるメリット
- アフターピルは未成年でも購入できるのか
性交渉は、どれだけ避妊対策をしていても時として失敗する場合があります。
性交渉中にコンドームが破れてしまう場合もありますし、排卵日前後であることを忘れて性交渉に及んで避妊に失敗してしまった、という場合もあるでしょう。
いつもは飲んでいた低用量ピルを飲み忘れた、という方もいるかもしれません。
またそうでなくとも、望まぬ性的暴力や犯罪を受けたことで妊娠してしまったのではないかと、不安にかられている方もいると思われます。
アフターピルは、そうした方々が望まぬ妊娠をしてしまわないようにする大切な薬です。
避妊失敗の恐れがある方、望まぬ行為から妊娠の不安を覚えている方は、その不安を早く取り除くためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アフターピルとは?
アフターピルとは、避妊や月経の周期を整えるために使用される医薬品・ピルの一種です。
避妊に失敗したり合意のない性行為被害にあったりした際に、望まない妊娠をしてしまわないよう阻止するために使われる緊急時の薬となっています。
薬の中には、黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの一種が含まれています。
黄体ホルモンには、卵子が入った袋・卵胞の成熟を遅らせる効果があるとされ、これにより排卵を遅らせられるといわれています。
また子宮内膜の成熟を早める効果も期待できるため、受精した卵子が子宮内膜に着床するのを妨げる効果も望めます。
これら2つの効果が合わさることで、妊娠の確率を大幅に下げられる可能性がある薬となっています。
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アフターピルの効果は?
緊急時の避妊に必要不可欠なアフターピル。
その効果について詳しく紹介します。
アフターピルの避妊効果
アフターピルには、ヤッペ法とノルレボ法(別名:レボノルゲストレル)と呼ばれる2種類の薬が存在し、2022年時点の日本ではノルレボ法が主流となっています。
ノルレボ法の場合、性交渉を行ってから72時間以内に服用することで、妊娠の可能性を大きく下げられるとされています。
早いタイミングで飲むほど避妊成功率は高くなることも判明しており、12時間以内に服用すれば99%の確率で、24時間以内に服用すれば95%の確率で妊娠を防げるといわれています。
また72時間を超えたとしても、120時間(5日間)以内に服用できれば高い確率で避妊に成功できるといいます。
さらにアフターピルに含まれる黄体ホルモンには、子宮内膜の性質を変化させる力があります。
そのため、もし排卵日前後のタイミングで性交渉を行い、排卵の抑制がまにあわずに卵子が受精してしまうようなことがあっても、着床が阻止される可能性が高いです。
出典:日本産科婦人科学会編 緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版)
アフターピルの生理への効果
アフターピルを服用すると、生理周期に10日前後の乱れが発生する場合があります。
周期がいつもよりも早まる方が多いですが、人によっては遅れてくる場合もあります。遅れてきた場合、妊娠したのではないかと不安になってしまうかもしれません。
しかし薬の影響である可能性が高いため、一度落ち着いて、10日前後は様子を見ることをおすすめします。
また早めに生理が来た場合も、次の生理が起こるまでは油断禁物です。
子宮内で問題が生じた際も生理のような出血が起こる場合があるため、一概に血が出たからといってそれが生理かは判断できません。
本当に問題なく避妊が行えているかすぐに知りたい場合は、出血が起きた際に医療機関を受診するといいでしょう。
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アフターピルの種類
アフターピルにはヤッペ法とノルレボ法の2種類が存在します。
そのうちノルレボ法はさらに「新薬」と「ジェネリック医薬品」の2種類にわかれています。
一般的にノルレボ法と呼ばれているのは新薬です。
ジェネリック医薬品は、レボノルゲストレルと呼ばれています。
新薬の方が先に作られ、後発医薬品としてできたのがレボノルゲストレルとなっています。後発で作られた方が研究開発費が少ないため、新薬よりも安い価格で提供できるのが特徴です。
価格が安いだけで、効き目は新薬と変わりません。
ヤッペ法とノルレボ法の大きな違いは、薬の量にあります。
ヤッペ法は72時間以内に2錠、それからさらに12時間後に2錠を飲まなければなりません。
対してノルレボ法は、72時間以内に1錠飲むだけです。
また避妊成功率も、ヤッペ法の場合は77%でノルレボ法の方が95%と高めです。
副作用もヤッペ法の方が起こりやすい傾向にあるため、日本ではノルレボ法が主流となっています。
出典:日本産科婦人科学会編 緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版)
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アフターピル オンライン診療の選び方
アフターピルはオンライン診療での購入が可能です
オンライン診療を行っているのかどうかは、クリニック毎に異なります。受診したい先がある場合は、公式サイトの確認や問い合わせを行い、事前に行っているか確認しましょう。
受診したいクリニックがない、そもそもどう選べばいいかわからないという方は、以下の選び方を参考に選んでみてください。
- アフターピルが、即日に発送できるかどうかで判断する
- 仕事や学校が終わった後でも受診ができるかどうか
- チャット診察がいいか、電話診察がいいかで選ぶ
- ピルの種類がどれだけ用意されているかで選ぶ
上から順に詳しく見ていきましょう。
まずアフターピルが即日に発送できるかどうかについて。
これは、とても重要な判断要素です。
アフターピルの服用には時間が決められているため、発送に時間がかかって服用できなくなっては元も子もありません。
確実に早い段階で発送してもらえるクリニックを受診しましょう。
とはいえ人によっては、仕事や学業が忙しくてオンライン診療を受ける日を作れない、といった方もいるでしょう。
そうした方は、オンライン診療に対応している時間帯から受診先を選ぶことをおすすめします。
クリニックによっては、平日の夜遅くでも対応可能な場所があります。
自分の無理のない範囲で診療できるクリニックを選びましょう。
また一口にオンラインといっても、診察方法は大きくわけて2つ存在します。
それがチャット診察と電話診察の2つです。
チャット診察の場合、相手と対面せずに相談できるというメリットがあります。
対面での診察が苦手な方向けだといえます。
ですが反面、文字だけだと上手く相談内容が伝わらない場合も出てきてしまいます。そうした情報の誤りを防ぎたい場合は、電話診察をおすすめします。
医師と直接話をしながらやり取りできるため、情報の食い違いを防げる可能性が高いです。
そして最後に、ピルの種類についてです。
「アフターピルの種類」の項で紹介したように、アフターピルは2種類の薬が存在します。
主流となっているのはノルレボ法ですが、ノルレボ法も新薬とジェネリック医薬品の2つがあります。
ジェネリック医薬品の方が新薬よりも低価格なため、そちらの方が購入しやすいという方も多いでしょう。
また複数ピルがあれば、自分の症状にあった適切な処方をしてもらえる可能性が高くなります。
ピルの種類はクリニックの公式サイトで確認できる場合が多いです。
事前にチェックしましょう。
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アフターピルの主な副作用
アフターピルの副作用としてあげられることが多いのは、吐き気・下痢・頭痛・出血・めまい・眠気といった症状です。
特に吐き気は、発現率がとても高い副作用となっています。
場合によっては嘔吐してしまう方もいますが、吐いてしまうと薬の成分も一緒に吐き出してしまう場合があります。
大抵は24時間以内に収まりますが、あまりにもひどい場合は吐き気止めを飲むのも手です。
アフターピルは頭痛薬・解熱剤・胃腸薬との併用が可能なため、我慢せずに薬を頼りましょう。
またアフターピルは、黄体ホルモンを接種する関係で体内の女性ホルモンを一時的に増加させることになります。
女性ホルモンは、肌や体、精神状態に大きな影響を与えるものです。
そのため急激な女性ホルモンの増加により、肌荒れを起こす可能性もあります。
そのほかにも、消退出血が発生する場合があります。
子宮内膜が子宮の壁から剥がれ落ちることで起こる出血です。
とはいえ、少量・短期間で終わるため慌てる必要はありません。
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アフターピルの購入が家族にバレたくない
アフターピルの購入が家族にバレたくない方向けに、オンライン診療で購入するメリットを紹介します。
家族に気づかれない配慮
アフターピルは、医者からの処方箋が必要となる薬です。
そのため、購入するためには一度医師の診察を受ける必要があります。
しかしアフターピルを購入する方の中には、家族にバレたくないという方が多くいます。
そもそも婦人科に診察すること自体が恥ずかしいという思いを抱えている方も多いです。
そうした方々のために、アフターピルはオンライン診療での購入も可能となっています。
インターネット環境さえ整っていればどこにいても受けられるため、通院をする必要がなくなります。
自分の部屋などで処方をしてもらえるため、家族にバレないで購入することが可能です。
オンライン診療で処方してもらったアフターピルは、最短で受診日、長くて翌日には郵送される場合が多いです。
また服用後の副作用や体調についても相談が可能と、アフターケアにも長けています。
診療時間も土日・祝日にくわえ、平日の遅い時間にも対応可能と、仕事や学校でなかなか時間を作れない方には嬉しい対応となっています。
クリニック毎に多少の差はあるため、診療を受けたい場合は各クリニックの公式サイトを確認、もしくは直に問い合わせてみましょう。
なお、アフターピルはネット通販での購入も可能となっています。
こちらも家族にバレずに購入できますが、ネット通販で販売されているアフターピルは海外から発送される場合が多いため、届くまでに長時間を要する可能性があります。
効果が十分に確認されていない可能性もあるため、安全性は低いです。
家族にバレたくない方は、ネットではなくオンライン診療で処方してもらうのをおすすめします。
アフターピルは未成年でも購入可能?
未成年によるアフターピルの購入が可能かどうかは、クリニック毎に変わってきます。
保護者の立ち合いや同意書が必要なところもあれば、逆にそうしたものが必要ない場合もあります。
年齢制限を設けているところや、そもそも未成年相手には処方していないというクリニックも多々あり、未成年の購入に関しては千差万別です。
知人や家族の身分証を使って購入しようとする未成年もいますが、この場合、身分を偽ったことがバレた際は偽証罪に問われてしまいます。
また副作用が原因で病院に運ばれた場合に、治療費が保険適用外になる可能性が高いです。
なおクリニックによっては、保険証なしでも処方が可能なところもあります。
実はアフターピルは、保険適用外の医薬品のため、保険証がなくても購入が可能となっています。
これは他のピルにも当てはまり、月経困難症などの治療を除き、避妊目的にピルが使用される場合は保険適用外での処方となります。
保険適用外であるため、医療費通知といった明細書に購入の経歴は記載されません。
そのため、保護者の方に通知がいってバレるといった恐れはありません。
保険適用外のため値段は高くなってしまいますが、通常の通院であっても保護者にバレずに購入することが可能です。
未成年によるアフターピルの購入は、受診先のクリニックに問い合わせるか公式サイトを確認するかして、事前に対応をチェックする必要があります。
もし性的暴行や犯罪を受けたことでアフターピルが必要だという場合は、性暴力救援センター(通称:SARC東京)というセンターに連絡をとりましょう。
SARC東京では性暴力・犯罪に関する電話相談を行っており、場合によっては未成年へのアフターピルの処方も行ってくれます。
出典:性暴力救援センター・SARC東京
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アフターピルのオンライン診療まとめ
ここまでアフターピルのオンライン診察についてお伝えしてきました。
アフターピルのオンライン診察の要点をまとめると以下の通りです。
- アフターピルは72時間以内に服用すれば95%の確率で避妊が成功するほか、早いタイミングで飲むほど成功率があがる
- オンライン診療を受けるクリニックを選ぶ場合は、アフターピルの発送タイミング、受診可能時間、診察方法、用意されているピルの種類から判断する
- アフターピルのオンライン診療は家族にバレずに購入できるほか、アフターケアもしっかりしている
- 未成年によるアフターピルの購入方法はクリニック毎に異なる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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