ピルは女性ホルモンを含む薬剤のため、種類によっては避妊目的や月経困難症のほか、月経移動に利用します。
基本的には継続して服用する薬となるのでどのくらいの費用が必要になるか、また、ピルの効果について気になるところです。
本記事では、ピルは避妊目的で処方してもらえる薬なのか、またピルの費用や避妊効果をご紹介します。
- 避妊目的で服用するピルの効果
- ピルの種類
- 保険適用
- ピルの副作用
- ピルは100%の避妊効果があるのか
上記5点についてそれぞれ詳しくみていきましょう。
ピルが避妊目的で処方可能であるか、また、服用する場合の費用や避妊効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ピルとは?
ピルとは、一定割合の黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類の女性ホルモンを配合して作られた薬剤を指します。
ピルは1日1回決めた時間に服用すれば女性ホルモンの量を微調整できます。
そして生理周期を安定させ、妊娠や避妊をコントロールする効果が得られると言われる薬です。
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避妊目的のピルの効果
ピルは避妊目的で服用する場合、ピルの飲み始めの日によって避妊効果が発揮される時期が異なります。
そのため、ピルを自己判断によって服用すると、本来の避妊目的の効果が得られず妊娠する可能性があるなど、服用の際は十分注意してください。
生理1日目から服用した場合
生理1日目から飲むピルを服用する場合、ピルを飲んだその日から避妊効果を期待できると言われています。
1回目にピルを飲んだら24時間後に服用し、その後も継続して毎日飲むようにしましょう。
避妊目的でピルを服用する場合は、1シート28錠を1日1回、正しく飲み続けることが重要です。
毎日決まった時間に服用して排卵をコントロールすれば、高い避妊効果を期待できるようになるでしょう。
ただし、ピルを服用しているからと言って100%の避妊効果があるとは言い切れない点を理解しておくことが大切です。
生理が始まった週の場合
生理が始まった週からピルを服用する場合、ピルが身体に作用して高い避妊効果が期待できるようになるのは、服用をスタートしてから7日目以降だと言われています。
生理が始まった週からピルの服用を始める予定の方は、7日間については高い避妊効果が得られない可能性があります。
そのため、性交渉の際はピル服用中であってもコンドームを使用した避妊方法を行うようにしましょう。
また、避妊効果を持続させるためにも長期的に継続して毎日服用することが大切です。
ピルの休薬期間は避妊効果ある?
ピルにもいくつかの種類がありますが、基本的にどの種類のピルを服用しても避妊効果を期待できます。
その中でも28錠タイプのピルの服用を行っている方は、服用を始めてから22日目~28日目は休薬期間となります。
休薬期間に入ったときはホルモン剤が配合されていない「プラセボ錠」と呼ばれる偽薬の服用を行います。
プラセボ錠を服用している間もピルを服用しているときと同様に高い避妊効果を期待できるでしょう。その後もピルの服用を中止するまでは高い避妊効果が期待できるでしょう。
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ピルの種類
ピルは高い避妊効果を期待できる薬剤として知られているため、ピルの服用を検討する方も少なくありません。
ピルは、女性ホルモンとなる卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されている薬剤です。
ピルを避妊目的で服用する際は、いくつかの種類に分類されており、各世代のピルによって配合される黄体ホルモンの種類や効果が異なります。
ここでは、数種類のピルの中でも避妊効果を目的としたピルの服用を希望する方へ、複数のピルをご紹介します。
- 低用量ピル(第二世代)
- 中用量ピル(第三世代)
- 超低用量ピル(第一世代)
上記3種類のピルについて、それぞれの服用目的についてみていきましょう。
ピルに含まれる黄体ホルモンの成分や薬剤の特徴、さらに該当のピルの名称を挙げて解説していきます。
低用量ピル
低用量ピルは第二世代のピルに該当し、レボノルゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンが含まれています。
主な服用目的は避妊・PMS改善・生理痛改善・ニキビ改善となり、多くの方に処方されるピルとして知られています。
処方薬は、トリキュラー・ラベルフィーユ・アンジュです。
1シートが3段階のホルモン量に調整されているため不正出血が起こりにくく、安定した生理周期を保てるピルです。
また、排卵を抑制させ卵管に精子が通過するのを阻害させる効果を期待できるでしょう。
中用量ピル
中用量ピルは第三世代のピルに該当し、デソゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンが含まれています。
主な服用目的は月経移動や月経をリセットさせるために処方されることが多い薬剤です。
しかし、避妊効果も期待できると言われている薬のため、服用する方も多い種類のピルです。
処方薬は、マーベロン・ファボワールです。1シート21錠のピルとなり同じ量のホルモン剤が配合されています。
男性ホルモンのアンドロゲンを抑制させるため、ニキビ予防や肌荒れ改善効果を期待できます。
超低用量ピル
超低用量ピルは第一世代のピルに該当し、ノルエチステロンと呼ばれる黄体ホルモンが含まれています。
主な服用目的は子宮内膜の発育の抑制やPMS改善効果が期待できる薬剤です。
処方薬はシンフェーズ・フリウェルULD・ルナベルULDです。
超低用量ピルは低用量ピルや中用量ピルとは異なり避妊効果が期待できるホルモンの含有量が少ない種類です。
そのため、高い避妊効果を希望する方は、低用量ピルや中用量ピルの処方を受けるようにしましょう。
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健康保険は適用される?
月経困難症や子宮内膜症など婦人科系の治療を目的としたピルの処方の場合は保険適用となります。
避妊やPMS・肌荒れの改善を目的とした治療を希望する方は保険適用外の治療となる点について両者に違いがあります。
しかし、処方を受けるピルの種類によっては保険適用の有無に関わらず、自己負担額と保険適用の場合の治療費が同等になる可能性もあるでしょう。
そのため、避妊目的でピルの処方を希望している方は、一度医療機関へ相談されることをおすすめします。
保険適用されるピルの種類
保険適用となるピルは、月経困難症をはじめ子宮内膜症など婦人科系の治療を目的に処方される薬剤です。
そのため、月経困難症や子宮内膜症の治療が必要な方については保険適用によるピルの処方が可能です。
治療目的として処方されるピルには、
- ルナベルLD・ルナベルULD(第一世代)
- フリウェルLD・フリウェルULD(第一世代)
- ジェミーナ(第二世代)
- ヤーズ(第四世代)
があり、それぞれの処方を受ける場合は保険適用となります。
保険適用でピルを処方してもらう方法
保険適用でピルを処方してもらうには、クリニックにおいて医師による問診と検査による診察を受ける必要があります。
現在、ネットでピルが流通していますが、基本的に日本で処方を受けられるピルではない可能性が高いと言われています。
そのため、本来の目的に沿った服用が可能か、また、健康へのリスクが高くなる点を考慮しなければなりません。
避妊目的のピルが保険適用外なのはなぜ?
ピルを継続服用する場合、多くの方が気になるのはピルの費用です。
できる限り費用を抑えられる保険適用で処方を受けることを希望する方も少なくありません。
しかし、ピルは月経困難症や子宮内膜症など婦人科系の治療目的で処方を受ける場合のみ保険適用となります。
一方、避妊は治療の一環に該当しないため保険適用外となります。
そのため、避妊目的でピルの処方を希望する場合はその旨医師に相談の上、処方を受けるようにしましょう。
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ピルの副作用は?
ピルは月経困難症や子宮内膜症などの婦人科系治療をはじめ、避妊目的として服用するなど、それぞれの目的に応じた効果を期待できる治療薬です。
しかし、高い治療効果を期待できる反面、身体には副作用が現れると言われています。
そのため、ピルを服用すると身体に現れる副作用についても理解しておくことが必要です。ここでは、多くの方が感じる副作用として
- 乳房の張り
- 不正出血
- むくみ
上記3点について、それぞれどのような症状が現れるのかみていきましょう。
乳房の張り
ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類が配合されているため、女性ホルモンのバランスを微調整する働きがあります。
ピルを服用すると乳房の張りがみられ、生理前とよく似た症状が現れる方が多い傾向です。
乳房の張りの症状はピルの服用を始めた頃に起こり、服用後3ヵ月を経過する頃には自然と治まる方が多いです。
しかし中には痛みや張りが続く方もいるため、症状が治まらないという方は処方を受けた医師に相談しましょう。
不正出血
ピルを服用すると副作用として不正出血が起こる方もいます。
不正出血はピルを服用してホルモンバランスに変化が現れたことが原因だと言われています。
不正出血が起こった場合でも、通常1~3ヵ月程度で自然と治まるでしょう。
しかし、中には2週間以上の出血が続く、あるいは多量の出血がみられるなどの症状が現れる方もいます。
不正出血が続く場合はピルによる副作用ではなく、ほかの病気が疑われる可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
むくみ
ピルには黄体ホルモンのプロゲステロンが含まれています。
プロゲステロンは身体に水分を溜め込む作用があるため、ピルを服用するとむくみが副作用として現れる方が多い傾向です。
中にはむくみがみられるためにピルを服用すると太るというイメージを持つ方も多いようです。
しかし、ピルを服用して身体に脂肪がつくというような副作用は報告されていません。
実際には体内の水分量が増えたことによる見た目の変化だと言えるでしょう。
コクラン・レビューでは、OCと体重増加との間の因果関係は立証されなかった40)。
出典:「日本産科婦人科学会編 」低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)p8
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避妊効果は100%ではない?
ピルを服用すると避妊効果は99.7%以上だと言われています。
ピルを服用して99.7%以上の効果を維持するには、1日1錠正しく服用することが大切です。
通常ピルを服用する際は、毎日同じ時間に継続して飲み続ける必要があります。
しかし、ピルを飲み忘れるほか、体調不良により服用できなかった場合は避妊効果を維持することが難しくなる可能性があります。
ここではピルを服用する際に起こり得るトラブルによくある
- ピルの飲み忘れ
- 体調不良
の上記2点について詳しくみていきましょう。
ピルの飲み忘れ
ピルを飲み忘れてしまうとその分、妊娠率は高くなってしまうと言われています。
また、ピルの飲み忘れはその時に処方されているピルの種類や錠数によって妊娠率が変わります。
たとえば1錠飲み忘れた場合は早急に忘れた分を服用し、その後からは通常通り服用を行ってください。
2錠以上飲み忘れた場合も忘れた分をまとめて服用し、その後は処方通りの服用方法を守って再開しましょう。
飲み忘れの週によっては緊急避妊の必要性があるため医師に相談を行うことをおすすめします。
体調不良
ピルを正しく服用していても、下痢や嘔吐などの諸症状がみられる場合、ピルに配合されている成分が身体に吸収されず、ピルが持つ効果が得られない可能性があります。
そのため、避妊目的でピルの処方を行っている方は再度ピルの服用が必要です。
なお、ピルを服用すると副作用としてつわりのような吐き気の症状がみられることがあります。
さまざまな体調不良がある場合は妊娠の可能性も考慮し、医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。
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ピルの避妊目的に関するよくある質問
ピルを服用する方にとって、ピルが身体にどのような作用を果たすのか気になる方も多いのではないでしょうか?
また、服用に先立ちさまざまな疑問や質問がある方へ、以下にピルの服用についてよくある質問をご紹介します。
ピルは何歳から飲めますか?
ピルは月経が開始する10歳〜14歳頃からの服用が可能です。WHO(世界保険機構)により、月経開始からの使用が認められています。
一般的に平均の月経開始が10歳〜14歳だと言われているため、その年齢に達していて月経不順や痛みに悩まされている方は、ピルの服用を行いましょう。
ピルは閉経前となる40歳以上の方で妊娠を希望しない方への処方も可能です。
低年齢からのピルの服用に不安を感じる方は、医師へ相談されることをおすすめします。
ピルは保険適用されますか?
ピルは子宮内膜症や子宮筋腫など婦人科系の治療を目的として処方を受ける場合は保険適用となります。
しかし、避妊目的やPMS改善・肌荒れ治療を目的で服用を希望される場合は自費診療扱いとなり、保険は適用されません。
ネットで安価にピルの購入を行えますが、個人輸入の可能性があり、安全に服用できるという保証はありません。
保険適用でピルの処方を希望する方は、医師による問診や検査などの診察を受けるようにしましょう。
ピルは中絶経験のある人でも飲めますか?
中絶経験のある方でもピルの服用が可能です。
ピルは中絶後の女性の心身のケアのためにも服用を行い、同じ経験を繰り返さないことが重要です。
そのため、中絶後はピルを正しく服用して排卵のコントロールを行い、避妊効果を維持していくようにしましょう。
中絶後のピルの服用は通常避妊を目的として服用を行う方と同様の方法で服用を継続します。
長期にわたりピルを継続すれば高い避妊効果を持続できると言われているため、中絶経験がある方も服用を行いましょう。
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ピルの避妊目的のまとめ
ここまでピルの避妊目的についてお伝えしてきました。
ピルの避妊目的の要点をまとめると以下の通りです。
- 避妊目的で服用するピルの効果は99.7%と言われ、正しく飲み続けることで高い避妊効果が期待できる
- ピルの種類は超低用量ピル・低用量ピル・中用量ピルがあり、それぞれ目的に合わせて服用する
- ピルは子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系治療で処方を受ける場合は保険適用となり、避妊目的や肌質改善などのために服用する場合は保険適用外となる
- ピルには乳房の張り・不正出血・むくみなどの副作用がある
- ピルは飲み忘れや体調不良の場合は避妊効果が得られないこともある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。