旅行やスポーツなどの試合、結婚式など大切なイベントの日と生理が重なってしまい、生理がなければいいのにと思う方も多いのではないでしょうか。
妊娠できる女性は毎日来る生理を止めることはできません。
生理を止めるには人工的な処置や治療が必要になってきます。
本記事では生理を止める方法やピルの服用による月経移動の効果について、以下の点を中心にご紹介します。
- 生理を止める方法
- 月経移動についての解説と対処法
- ピルの購入方法
生理を止めることやピルを詳しく理解していただくためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
生理を止める方法
生理を止めるために使用するのは低用量ピルと中用量ピルが挙げられます。
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが合成されています。
中用量ピルの方がホルモンの配合量が多く成分が強いので、効果も高く期待できます。
一方で、副作用のリスクが高くなります。副作用は低用量ピル・中用量ピルともに同じですが、中用量ピルの方が副作用が強く出る可能性が高いです。
初めて服用する場合は低用量ピルからスタートする場合が多いです。
ピルの服用について明確に止めたい日が決まっているのであれば、生理周期に合わせた1ヶ月ほど前から準備をするのがいいです。
日にちに余裕がなく必ず止めたいなど高い効果を期待するのであれば、中用量ピルを使用します。
注射薬の投与
エストロゲンの分泌を抑えるために「リュープリン」という注射薬を使用します。リュープリンは武田薬品工業が出している商品名です。
アストラゼネカ社が製造・販売する、「ゾラテックス」は「GnRHアゴニスト」というホルモン療法として使用される薬です。
子宮筋腫や子宮内膜症の症状を和らげるといった治療の一環として、半年間を限度に行っています。
婦人科の治療に、「偽閉経療法（ぎへいけいりょうほう）」というものがあります。
文字通り、偽の閉経状態を作ることで病気を治す治療法です。
リュープリンの副作用として、ほてりやのぼせなど一般的な更年期障害のような症状が出る場合があります。
閉経間前にリュープリンを投与して閉経を促すように使用される場合もあります。
ピル同様に、注射の投与をやめるとホルモンの分泌が始まります。
避妊リングの挿入
黄体ホルモンを持続的に放出する「IUS（ミレーナ）」という避妊リングを挿入します。
ミレーナを挿入していると体が妊娠していると判断し、生理が止まります。
ミレーナを使用するのにおすすめの人は、35歳以上で妊娠を希望しない人や喫煙者、血栓症を患っていない人など、主にピルの使用ができない人におすすめできます。
ミレーナは一度挿入し婦人科で定期検診を受けながら最長5年間生理を止めることができます。
妊活したいときなどミレーナを外せば生理が復活し、元の状態に戻ります。
ピルを服用したときに起こる吐き気や頭痛などの副作用も起こりにくくなります。
個人差はあるものの、出産の経験がない人など子宮口が狭い人はミレーナを挿入した時に痛みを感じる場合があります。
挿入後数日は出血やおりもの、腹痛や腰痛の症状が起こり、数ヶ月は少量の不正出血が起こる場合もあります。
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生理を止めることはできる？
海外でピルの服用で生理を止めることについて
女性として生まれ、12歳～13歳頃に初潮を迎え50歳前後で閉経する約40年間生理と長く付き合っていくことになります。
生理期間の平均は3日～7日で生理周期の平均は25日～38日くらいになります。
生理期間中と排卵日から生理前のPMS（月経前症候群）を合わせれば人によっては1ヶ月の約半分を不快な症状に悩まされなくてはなりません。
この半世紀で女性の社会進出など、生き方は大きく変化しました。
しかしながら結婚・出産する以前のような働き方をしたい女性が増えてきているのにもかかわらず、日本の女性の非正規雇用率は半数を超えており、既婚者女性は3割を下回っています。
日本の女性は家事育児や介護など社会で働く以外にすることが多くなってしまい正規で働きたくても働けないのが現状です。
海外では女性の働ける環境が日本より多く、結婚・出産してすぐ社会復帰する人が日本より圧倒的に多いです。
毎日をアグレッシブに働く海外女性にとって生理の悩みを解消するためのピルの使用率は極めて高く、人工的に生理を止めたり生理日を調整することは当たり前とされています。
日本ではまだ、常備薬を服用することに抵抗を感じる人が多いです。
生理や生理に対する悩みは女性なら誰しもあることだから、ずっと付き合っていかなければならないと半ば諦めてしまっています。
医師の診察を受ければ、人工的に生理を止めることを恐れなくてもいいでしょう。
生理が長引く場合の対策について
生理が長引いてなかなか終わらないことがあります。
原因の中には生活習慣の悪化によるホルモンバランスの乱れが挙げられます。
女性の社会進出によって男性と同等に働く女性も増えています。
朝から夜まで働いて家に帰ったら家事育児、介護をしなくてはいけないとなると忙しすぎてゆっくりできる時間がありません。当然睡眠時間も削られることがあるでしょう。
ホルモンバランスの乱れにはストレスが原因のことも多いので、自分に合ったストレス解消法を見つけて生活環境を整えていけるようにしましょう。
生活習慣を見直して定期的に生理がくるようになればいいのですが、更年期や婦人科系の病気の可能性もありますので少しでも不安があれば、早めに婦人科を受診しましょう。
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薬以外でも生理を止められる？
薬以外で生理を止められる方法については避妊リングIUS（ミレーナ）がありますが、ピルで生理を止めるのが一般的とされています。
医師の診察を受けて、確実に相性の合うピルを見つけることができるでしょう。
生理を止めるおすすめのピルは以下になります。
LEP（低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬）
LEPは月経困難症の治療や子宮内膜症の予防薬として使用されています。
月経困難症や子宮内膜症の治療、生理痛緩和として処方する場合は保険適用となります。
OC（低用量経口避妊薬）
OCは避妊目的として使用されています。
避妊目的以外には普段の生活を生理による痛みや悩みを和らげ、快適に過ごすためにも使用します。
OCは基本的には保険適用外になりますので金額については各病院・クリニックによって異なります。
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生理で痛いのは当たり前！ピルで生理痛を改善しよう！
生理痛は別名月経困難症とも言い、現代女性の約7割が悩まされていると言われている、生理に伴って起こる症状です。
とはいえ現代女性は毎日忙しく、仕事に家事育児、介護などでストレスを抱えがちになり、生活習慣の乱れから生理不調を起こすことがあります。
当然生理痛を起こすこともあるでしょう。
こういった生理痛に悩む女性を減らすべく、最新の医学では様々な取り組みが行われてきました。
通常、避妊目的で使用されるピルは、月経困難症の症状改善に用いられることが多くなってきました。
ピルを服用するタイミングによっては生理周期を長く調整して生理自体を少なくしたり、生理そのものを一定期間止めたりすることで生理回数も調整できます。
通常ピルの処方は医師の診察が必要になり、その人に合ったピルを処方してくれるので心配することはありませんが、困っていることがあれば医師に相談してみましょう。
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生理を止めたい！ピルはどこで買える？
生理を止めたいけど、どこでどのように買うのがいいのだろうという方もいるでしょう。
ここでは、ピルの購入場所について解説していきます。
市販では買えない！
ピルを服用することで生理を止めることは比較的簡単にできますが、日本ではピルは薬局やドラッグストアでの市販を禁止しています。
アメリカやヨーロッパ、アジア各国などの多くの国では薬局やドラッグストアでの市販が認められています。
ピルの服用率が高く、多くの薬局で購入できることからも安価でピルを購入することができます。
日本よりも海外の方がピルの普及率が高く、海外の通販サイトで簡単にインターネットで手に入れることができます。
大変危険ですし、診察なしで海外のサイトからピルを購入するのは、服用リスクも高くどんな副作用に見舞われるか分かりません。
効果が期待できなかったり、副作用での健康面が心配になったり、ピル自体が偽物の可能性も大いにありうるでしょう。
厚生労働省では、海外のピルは日本国内の「医薬品医療機器等法」に基づいた品質の安全性の確認がされていません。
海外の医薬品等の個人輸入は健康被害などの危険性があるとしています。
ピルを購入するときは、自分の希望や目的に応じて必ず医師の診察を受けてから処方してもらうようにしましょう。
クリニックで処方してもらう
クリニックで処方してもらうためにすることは、
- 問診
- 血液検査
- 血圧測定
- 身体測定
- 尿検査
検査をクリアした人がクリニックで自分の体質に合ったピルを処方してもらえます。
多くの病院が膣内検査をしているので生理日は避けた方がいいでしょう。
子宮頚がんや乳がん検診などを行う病院もあります。
ピルの服用を始めてからも必ず定期的な検診を行うようにしましょう。
POINT!定期健診では副作用は起こっていないか、服用しているピルを変更した方がいいかなどをしっかりと問診します。
直接医師の診察を受け、ピルを服用してもらえるので確実に効果が期待できます。
万が一、自分に合わないなと感じた場合には他の種類のピルを処方してくれるでしょう。
ピルの服用に関しての相談だけではなく、生理や身体の悩みなどを気軽に相談して不安を解消しましょう。
オンラインで買う
ピルは本来直接クリニックで処方してもらうのがよいです。
来院する場合、1日では終わらず何日も行かなくてはならないでしょう。
オンラインで買うのに適した方は、
- 仕事・家事育児・介護などでクリニックに通院する時間が取れない
- 自宅近くにクリニックがない
- 婦人科に行くのに抵抗がある
ここ最近ではオンライン診察可能なクリニックが増えてきています。
WEBから診察の希望日を予約して問診表に回答しておき、予定時間が来たら診察がスタートします。
電話以外にもZOOMなどのビデオチャットシステムで診察が行われます。
POINT!緊急避妊薬（アフターピル）について研修を受講した医師に限りオンライン診療による緊急避妊薬の処方が可能になりました。
妊娠している可能性があり、緊急に避妊を望む場合は早急に医師に診療・処方してもらいアフターピルを服用してください。
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過度なダイエットが生理不順になる？
女性なら誰しも周りからスタイル良くスリムに見られたいものです。
ただ食事を減らすだけのダイエットなどで、体重を減らすことはできても生理不順になったり、生理そのものが来なくなったりすることもあります。
厚生労働省でも、過度なダイエットが生理不順になる可能性があると言及しています。
ダイエットで何年も生理が止まってしまった場合は診療に行くこともあるでしょう。
生理不順ではつい様子見で終わってしまう人もいるのではないでしょうか。
健康な人の体内では「脂肪細胞」がある程度蓄えられると、「レプチン」というホルモンを分泌します。レプチンは食欲抑制ホルモンとも言われ、レプチンが増えることで代謝を上げて痩せやすくなります。
ダイエットをすることで、蓄えられるはずの体脂肪が減ってしまいレプチンが減ってしまいます。
食欲が抑えられなくなるので太ってしまい、またダイエットをして生理不順を引き起こしてしまうのです。
肥満度「BMI係数」の計算式
BMI＝体重（kg）÷身長（ｍ）÷身長（ｍ）
- 18.5未満：痩せ
- 18.5～25：普通
- 25～：肥満
女性の体脂肪率の計算式
体脂肪率％＝体脂肪量（kg）÷体重（kg）×100
- ～19.9％：痩せ
- 20～24.9％：普通
- 25～29.9％：軽い肥満
- 30％～：肥満
BMIは20以下、体脂肪率は17％以下になると生理不順の恐れがあります。
トレーニングをしたり、生活習慣を見直すなどして健康に正しく瘦せられるようにしましょう。
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生理に関するよくある質問
生理を止めるにはいつから薬を飲めば良いですか？
生理開始予定日から逆算して5日〜7日前からピルを服用すると、飲んでいる間は生理を止めることができます。
明確に避けたい日がある場合や遅らせたい場合など、服用している間は生理は止まっており、飲むのをやめると2日～3日で生理が来ます。
自分で生理日をコントロールできるので旅行や大切な日を不安なく楽しく過ごせます。
避妊目的などで生理を止めるために使用するものとして、中用量ピルと低用量ピルがあげられます。
よく飲まれている低用量ピルは、生理の周期を規則正しくするためにホルモンバランスを整えるための薬です。
中用量ピルであれば、ほぼ確実に生理を止めることができるでしょう。
中用量ピルは低用量ピルに比べて配合されているエストロゲンの量が多く高い効果が期待されますがその分副作用に見舞われる可能性も高いので、医師の診察のもと自分に合ったピルを処方してもらいましょう。
ピルを飲んでいるのに生理予定日ではない日に出血が起こりました。なぜでしょうか？
生理ではない「不正出血」が起こる大きな原因の1つとして、ピルの服用によるホルモンバランスの変化が考えられます。
生理初日に服用し始めると、少量の出血が何日か続くことがあります。
子宮内に剥がれ落ちた子宮内膜がまだ残っている状態で、タイミングを見計らって不正出血として少しずつ排出されます。
数日で出血が止まる場合もあれば、3週間ほどだらだらと続く場合もあります。
ピルの服用による不正出血は決して珍しくないので、一時的なものや重い体調不良でなければ特に悪影響を及ぼすことはありませんので、少し様子を見てみましょう。
ピルの飲み忘れによる不正出血も考えられます。
飲み忘れに気づいて24時間以内であれば既定の量を服用しましょう。
毎日同じ時間に服用するのが基本ですが、万が一忘れてしまっても問題はありません。
月経移動についてどこに相談すればよいですか？
月経移動とは旅行や結婚式、受験、試合などの特別な日と月経が重なってしまう場合に、ピルの服用により、月経をずらすことができるようにすることを言います。
毎日決まった時間に1回ずつ服用し続けることで、月経を移動することができます。
月経移動をしようか悩んでいる人は、婦人科を受診しましょう。
あらかじめずらしたい日が決まっているのであれば、1ヶ月程度前に受診することで医師も余裕を持って対応してくれるでしょう。
問診をする際にピルの服用をしてはいけないとされる人
- 40歳以上（病院によっては35歳以上）の人
- 喫煙者
- 血栓症など血管の病気にかかったことがある人
- 原因不明の不正出血がある人
上記以外にも病院によっては服用をすすめられない人もいます。
生理を早めるのと遅らせるのではどちらが良いですか？
ピルを服用し始めて、止めるタイミングさえ間違えなければ生理を早める方がいいでしょう。
生理をずらしたい日が1ヶ月以上前から分かっているのであれば、低用量ピルを生理予定日の1ヶ月前の生理初日から5日目までに飲み始めましょう。
10日～14日間服用して止めれば2日～3日後に生理が始まります。
5日～7日で生理が終われば本来の生理予定日には生理が終わっていることになります。
生理をずらしたい日に1ヶ月ほどの余裕がなければ、中用量ピルを生理予定日の20日前から飲み始め10日間服用したのち、飲むのを止めれば2日～3日後に生理が始まります。
生理をずらしたい日が急遽決まった場合などは生理予定日の5日～7日前から生理をずらしたり、当日もしくは1日前まで服用して止めれば生理を遅らせたりすることができるでしょう。
ピルを飲むのをやめたら生理痛はひどくなりますか？
ピルを飲むことで生理が来るのが調整されているため、止めたらどうなるかと不安になる方も方もいるかもしれませんが、心配することはありません。
ピルを飲み始めたときにホルモンバランスの変化から不正出血など体調の変化があった方は、ピルを止めたときにも当然体調の変化が起こる可能性があります。
生理中に起こる悩み、中にはひどい吐き気や腹痛に悩まされるなど重度の悩みを持つ方がピルを飲み始める場合が多いです。
ピルを飲み続けたことで生理痛が和らいだと感じた方もいるでしょう。
ピルを飲み始める前にもともと生理痛がひどかった方は、止めることで以前の状態に戻ります。
ただ、ピルにはホルモンバランスを整える作用もあるので、長期間ピルを服用したことでホルモンバランスが安定していた方は、生理がきても以前のような痛みに悩まされなくなる可能性もあります。
ピルで生理を止める際の注意点を教えてください！
確実に生理を止めるには中用量ピルを服用した方がいいと紹介しました。
中用量ピルの方がホルモンの配合量が多く薬の成分が強いのが特徴であるため、副作用が起こるリスクがどうしても高くなってしまいます。
避妊目的だけのためなら低用量ピルで十分ですが、旅行などのイベントやどうしても生理を止めたい日に中用量ピルを服用する場合は、副作用を抑える薬も合わせて処方してもらうのをおすすめします。
低用量より副作用が出づらい超低用量ピルもあります。
ピルは毎日1回決まった時間に服用しますが、1日以上飲み忘れると元の状態に戻り数日で生理が来る場合が多いです。
飲み忘れに気づいたらすぐに飲むようにしましょう。
生理に関してはどこに相談すればよいですか？
生理の悩みに関して何でも話せる友人には話しやすいのかもしれませんが、相談やアドバイスだけで終わってしまい、なかなか具体的な解決には繋がらないでしょう。
医師と対面して診察してくれる産婦人科で相談するのがいいとされています。
POINT!厚生省ホームページ「女性の健康推進室」 ヘルスケアラボは厚生労働省の研究班が監修しているのでぜひチェックしてみてください。
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生理止めるのまとめ
ここまで生理を止める方法、月経移動についての解説と対処法、ピルの購入方法についてお伝えしてきました。
この記事の内容をまとめると以下の通りです。
- 生理を止めるためにはピルの服用、注射薬の投与、避妊リングが挙げられる
- ピルを服用することで、好きなタイミングで生理を止めることができる
- ピルは病院・クリニックで診察・処方してもらうのが有効だが、オンラインでも診察・処方できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。