性病に感染した方、性病について不安に思う方など、他人に相談できず悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は性病について以下の点を中心に解説していきます。
- 性病は何科の病院を受診するのか
- 性病は保険適用されるのか
- 症状と治療方法について
性病について理解するためにも、ご参考いただけたら幸いです。
ぜひ最後までお読み下さい。
性病とは
そもそも性病とはどのような病気なのか、簡単に解説していきます。
性病の意味
性病とは、病原菌が侵入して発症する感染症のことです。
主に性行為によって感染することから、総称して「性病」と呼ばれます。
最近ではSexually Transmitted Disease、略して「STD」と呼ぶこともあります。
主な性病
性行為が原因となる病気には次のものが挙げられます。
- 淋病
- 梅毒
- クラミジア
- カンジダ
- ヘルペス
- AIDS
上記の病気は特に性病として有名なものです。
ほかにもB型肝炎なども性病になりえます。
性病としてのイメージがない病気も、性行為によって感染したのであれば、性病として判断されます。
性病は病院の何科で受診できる?
それでは、もし性病になってしまった場合、何科の病院を受診すればよいのでしょうか?
性感染症内科
基本的な受診先は性感染症内科(性病科)です。
性病を専門とし、男女問わず幅広い症状に対応しています。
そのため、性病にお悩みの方は、まず性感染症内科の受診をおすすめします。
ですが、性感染症内科のクリニックや病院は数が少ないのが現状です。
泌尿器科、婦人科
近くに性感染症内科のある病院がない場合、泌尿器科・婦人科でも性病の診察が可能です。
泌尿器科では、特に男性の性病に対する治療・診断が可能です。
排尿時の痛みや性器の症状に対応してくれます。
女性の方は婦人科を受診するケースが多いです。
性病治療のみならず、生理や妊娠についても相談できるため安心感があります。
保健所でも検査はできる
病院やクリニックだけではなく、地域の保健所でも性病の検査はできます。
検査できるのは
- HIV
- 梅毒
- 淋菌
- クラミジア
の4種の性病です。
保健所での検査は、費用無料かつ匿名検査できるというメリットがあります。
何科で検査してもらうか悩んでいる方は、保健所に相談するのも選択肢の1つです。
検査日が決められており、人数にも限りがあります。
保健所での検査を考えている人は事前に確認しておくと良いでしょう。
性病に健康保険は適用される?
性病の診察・治療は保険適用されるのか、不安に思う方もいるかと思います。
ここで性病と健康保険について説明します。
性病も健康保険の適用内
一般的な診療と同じように、性病にも健康保険を使うことができます。
性病治療には、正確な検査と治療薬を必要とします。
そのため、費用が高くなりがちですが、健康保険を使うことで医療費を抑えられます。
無症状の場合は適用
性病の症状がなかった場合には保険適用外となり、自由診療となるため注意しましょう。
自由診療となると、病院側で自由に料金を設定できます。
そのため、場合によっては比較的高額な費用を請求されるかもしれません。
それを防ぐためにも、性病の症状についてしっかり理解しておくことが大切です。
性病の治療方法は?
性病はどのような方法で治療が行われているのでしょうか。
また、薬局などで治療薬を購入することはできるのか、解説していきます。
性病は内服薬で治療する
病院での治療には、抗生物質や抗ウイルス薬といった内服薬を使用します。
病名 | 薬品名 |
淋病 | セフトリアキソン、アジスロマイシン |
梅毒 | ペニシリン |
クラミジア | ジスロマックス |
ヘルペス | バルトレックス |
内服薬の他に注射、塗り薬など、性病の種類と症状に合わせて治療します。
治療薬は薬局で購入できない
「病院に行くのは面倒だから…」と、薬局で薬を探す人もいるかもしれません。
残念ですが、治療薬は医師の処方が必要であり、薬局では購入することはできません。
治療薬はネットで購入ができる
例外としてですが、専門の薬販売サイトなら購入は可能です。
しかし、性病によって症状は異なり、治療薬も様々な効果があります。
自分の判断で薬を服用することは、
- 効果を弱める
- 症状を悪化させる
などの危険が伴うため、おすすめはできません。
ですので、病院やクリニックで正確な診断と治療を受け、薬を処方してもらいましょう。
それが、性病改善の一番の近道となります。
性病を疑う初期症状
下記の症状がある場合、性病の疑いがあります。
- 尿道のかゆみや痛み、違和感
- 尿から膿が出ている
- 股関節の痛み
- 性器周辺のかゆみ、水ぶくれ、炎症
- 性器にイボが生じる
初期症状を放置していると症状悪化の危険性があります。
女性の場合、子宮や卵巣の病気、不妊や流産の原因となることもあります。
病院を受診し、早期対応を心がけましょう。
性病は性器以外でも生じる
「性病は性器に症状が生じる」というイメージが強いと思います。
しかし、接触感染することで性器以外にも症状が現れます。
病名 | 性器以外の症状の例 |
梅毒 | 口内のただれ、皮膚発疹、リンパ節のはれ、心臓血管疾患、視力低下 |
淋病 | 喉の違和感、 |
ヘルペス | 口内の水泡・びらん、リンパ節のはれ、発熱 |
HIV感染症 | 発熱などインフルエンザのような症状 |
B型肝炎 | 発熱、だるさ、黄疸、慢性肝炎 |
表にある症状は、出現しない場合や途中で自然に回復することもあります。
しかし、性病はしっかりと治療しない限り、他人にうつす危険があるので注意が必要です。
参照:厚生労働省【これって性感染症?】
年間の性病報告数
毎年3,000人を超える性病の報告があります。
その中でも、特に20〜30代にかけて多いことが分かっています。
性病によって違いはありますが、男女の差はあまりないようです。
2018年報告数(2018 年1月~12月、2019年1月28日現在)
男 | 女 | 計 | |
性器クラミジア感染症 | 894 | 681 | 1,575 |
性器ヘルペスウイルス感染症 | 242 | 336 | 578 |
尖圭コンジローマ | 217 | 105 | 322 |
淋病感染症 | 552 | 78 | 630 |
計 | 1,905 | 1,200 | 3,105 |
出典:愛知県庁【男女別STD(性感染症)定点疾病報告状況】
高知県の報告では、梅毒の患者として報告される数が、
- 2019年には20例
- 2020年には35例
- 2021年には96例
と急増してきていることがわかっています。
出典:高知県庁【【要注意】梅毒が急増しています!~自分や大切な人を守りましょう~ | 高知県庁ホームページ】
性病は人に相談しにくく、恥ずかしがって病院での検査や治療を受けない方も多いことが現状です。
しかし、性病は他人にうつす危険が高く、基本的には自然完治しない病気です。
保健所では匿名で無料検査も行っています。
性病について不安に思う方は、勇気を出して一度相談してみてください。
性病は病院の何科まとめ
ここまで性病について解説してきました。
本記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 性病になったら性感染症内科、泌尿器科、婦人科のある病院を受診すること
- 性病の症状がある場合は健康保険が適用される
- 尿道の違和感、性器周辺のかゆみ・炎症などが見られたら性病が疑われる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。