中耳炎とは|特徴や原因、症状、検査方法

中耳炎の特徴

中耳炎とは鼓膜の奥の中耳という部分に炎症が起きる状態です。中耳炎には、滲出性中耳炎、真珠性中耳炎、慢性中耳炎、癒着性中耳炎などの種類がありますが、48時間以内に起こったものを急性中耳炎と呼びます。中耳は鼻の奥と細い管でつながっており、カゼをひいて鼻の奥から耳管を通って中耳に原因微生物が至ることで感染が起きます。子供の耳管は菌が流れやすい形をしているため、お子さんに多い病気です。成人で中耳炎の治療効果が悪い場合や繰り返す場合は、中耳や耳管の変形がないかを調べる必要があります。

中耳炎の原因

急性中耳炎の最も大きな原因は、風邪などの感染症ですが、その他、大量の鼻水をすすることや急激な気圧の変化も原因の1つとなっています。急性中耳炎を放置すると、滲出性中耳炎に進行するリスクがあるため注意が必要です。

中耳炎の症状

症状としては、耳の痛みや発熱があります。耳の違和感や、膿が多い場合には鼓膜が自然に破れて、耳から膿が出てくる場合があります(耳垂れ)。

  • 耳の痛み
  • 発熱
  • 聞こえにくさ(膿のために鼓膜の動きが悪くなる)
  • 耳が詰まった感じ

乳幼児の場合は耳が痛いことを伝えられないので、機嫌が悪くなる・耳を押さえる・ひっぱる・こすりつけるなどの動きをすることがあるので観察が必要です。
発熱や耳の痛みの症状は多くは数日で改善しますが、1か月程度は膿が残っている場合が多いため、その間はカゼなどをきっかけに急性中耳炎を繰り返しやすくなります。

中耳炎の検査・診断

耳鏡検査:耳鏡を使って、鼓膜を通じて中耳を観察します。
必要に応じて血液検査やレントゲン検査で炎症の程度や血液の中に菌が移行していないかの確認をします。

中耳炎の治療法

年齢や症状で治療方法は変わります。
大人で軽症の場合は数日間は抗生物質を使用せずに経過みます。
6か月未満で耳の痛みが強い場合や2歳未満で両側性の場合は早めに抗生物質を使用します。その他、鼓膜切開して膿を出す治療があります。

中耳炎が心配な方

急性中耳炎であっても滲出性中耳炎であっても、鼻水が原因となっている場合が多く、鼻の通りを良くしておくことが予防になります。大人の場合はこまめに鼻をかんで、鼻水が詰まった状態を緩和させます。赤ちゃんやまだ鼻が上手にかめない子どもの場合は、鼻吸い機などを使って鼻水をこまめに吸ってあげましょう。
中耳炎は赤ちゃんや子どもに多い病気です。それは赤ちゃんや子どもは風邪をひきやすく、その上鼻水が詰まっていても自分で鼻をかめないことが関係しています。赤ちゃんや子どもの鼻水が多いなと感じたら注意してください。中耳炎はよっぽど腫れなければ意外と痛がらないこともあります。
軽いうちなら早く治るものなので、中耳炎をしたことがある場合などは、風邪をひいたかなと感じたらすぐに受診されるのが良いですね。