帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、ヘルペスウイルスの仲間である水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。このウイルスに最初に感染したときは、水疱瘡になります。ほとんどの人が幼児の頃にかかり、1週間程度で治ります。
水疱瘡に一度かかっても水痘・帯状疱疹ウイルスは神経の中に眠っているため、免疫力が低下したときにウイルスが再び活動し、帯状疱疹として皮膚に発疹や痛みが出現します。
帯状疱疹にかかった後は、ほとんど再発することはありませんが、稀に2回かかることもあります。
子供が帯状疱疹を発症する割合
子供が帯状疱疹を発症する割合は、1年間で1000人あたり1.6人とされています。特に、以下のような基礎疾患を持っていたり治療をしたりしている子供は帯状疱疹を発症しやすいことが知られています。
● 悪性腫瘍などの基礎疾患がある
● 免疫抑制剤など薬による治療を受けている
● 赤ちゃんのときに水疱瘡にかかったことがある
帯状疱疹の原因
前述の通り、帯状疱疹は免疫力の低下によって水痘・帯状疱疹ウイルスが活発になることで起こります。初めて感染したときは、水疱瘡として発症します。
通常、水疱瘡になるのは子供の頃ですが、治癒後もウイルスは消えずに神経に眠っています。そのため、疲れやストレス、日焼けのような刺激、病気による免疫力の低下といったことが原因で潜んでいたウイルスが活発になると、帯状疱疹を発症しやすくなります。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹の主な症状は、体の片側の一部に痛みのある発疹(赤いぶつぶつ)が帯のように列になって現れ、ピリピリとした痛みや違和感、痒みが出て、赤みや水ぶくれができます。子供の場合は、痛みよりも痒みを訴える傾向があります。
皮膚の症状が落ち着いても違和感や痛みが消えず後遺症として神経痛を伴うことがありますが、子供では神経痛が後遺症として現れることは滅多にありません。
発疹は数日するとかさぶたになり、発疹が出てから2〜3週間後には、かさぶたが取れます。
また発疹の他に、顔面の神経麻痺(顔面に発疹が出たとき)、発熱、頭痛といった症状が出ることもあります。
帯状疱疹で病院へ行く目安
発疹が顔や首に出ていなくて軽症であっても、帯状疱疹が疑われるときは、一度小児科を受診しましょう。ただし、何かしらの病気で免疫力が低下しているときに発疹が出た場合は、その病気が帯状疱疹の重症化につながる可能性もあるため、できるだけ早く受診してください。
帯状疱疹の検査・診断
痛みや違和感、水ぶくれ、赤みの場所など特徴的な症状から診断します。水疱の中にある液体を顕微鏡で観察して帯状疱疹や単純疱疹に特徴的な細胞が存在するかどうかをみる検査もあります。
帯状疱疹の治療方法
症状が軽い場合は、飲み薬や注射は使用せず、塗り薬で症状を緩和することがほとんどです。持病などがあって重症化のリスクがあるときは、アシクロビルやバラシクロビルという抗ウイルス薬を投与したり、入院して点滴を行ったりして、病気が悪化するのを防ぎます。
痛みに対しては、痛み止めが処方されることもあります。免疫が低下しているときに発症することが多いため、安静にすることも重要です。
帯状疱疹の予防方法
帯状疱疹ウイルスには、幼少期にほとんどの人が感染します。帯状疱疹を予防するには、子供のうちから適度な運動習慣をつけて、バランスのよい食事と十分な休息をとり、免疫力を高めておくことが大切です。また、強い症状を放置しておくと、長期間にわたって神経が攻撃され、帯状疱疹が消失した後にも神経痛が残ってしまう可能性があるので、早期の治療を心がけましょう。