火傷/熱傷(やけど)の応急処置法と治療法

やけどの応急処置方法

やけどの重症度は、やけどの深さによって軽い順から1度・2度・3度と表されます。

1度は、表皮(皮膚の表面)までのやけどで、赤くなってヒリヒリした痛みが生じます。

2度は、皮膚の表皮から真皮(表皮の下の組織)までのやけどで、水ぶくれを引き起こします。さらに、やけどをした皮膚の深さで、浅達性2度と深達性2度にわけられます。

3度は、皮膚の全て(表皮から皮下組織まで)が損傷するやけどで、細胞が壊死してしまうため痛みを感じないのが特徴です。

やけどの重症度によって応急処置の方法が異なるので、下記を参考にしてください。

軽いやけどの応急処置方法

1度の軽いやけどをしたときは、すぐに冷たい水につけて冷やします。流水で10〜20分ほど冷やしましょう。

重いやけどの応急処置方法

2度以上の重いやけどをしたときも、まずはとにかく冷やしてください。ただし、2度以上のやけどでは流水の勢いが強いと皮膚が剥がれてしまうこともあるため、水を張った風呂桶や浴槽に入れるか、シャワーのように水圧が分散している水をかけてあげましょう。

また、広範囲のやけどの場合、皮膚が服にくっついていて服を脱がせると皮膚が剥がれる恐れがあるため、服を着せたまま流水をかけたり水に入れたりしてください。

応急処置をした後は、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日は救急病院や往診サービスを利用してください。やけどの程度や症状によっては、小児科より皮膚科の方が適していることもあるため、事前に病院に連絡をして対応してもらえるかどうかを確認しておくといいでしょう。

自己判断でステロイドや抗生剤などの軟膏、アロエ、消毒薬などを塗ると、皮膚の炎症が強くなって症状が悪化してしまうこともあるため、医師の指示に従うようにしてください。

やけどの治療法

やけどの治療法は、その重症度によって下記のように違います。

1度:軟膏やクリームで対処(乾燥を予防する)
浅逹性2度:感染を予防するために洗浄、軟膏で治療
深達性2度、3度:皮膚組織は治らないので、範囲の広さによっては皮膚移植や切除を検討

1度や浅逹性2度のやけどの場合は、表皮のもとになる細胞が残っているので、表皮の再生が期待できることがほとんどです。そのため、軟膏などを使って、やけどの部分が乾かないように湿潤療法を行います。

ただし、大きな水ぶくれができて放置すると破れそうなときは、清潔な針を使って水ぶくれを破り、塗り薬や内服の抗生物質を使うこともあります。

深達性2度や3度のやけどのでは、表皮のもととなる細胞が減ってたり、皮膚が死んだりしているため、やけど部分に皮膚移植をする、切除する、といった治療が行われることが一般的です。

やけどの予防法

日常生活でやけどを予防するには、熱のあるものを取り扱うときに子供や赤ちゃんを近づけないことが大切です。

調理で使ったフライパンや鍋、お湯を沸かしたやかんや電気ケトルなどは、子供や赤ちゃんの手の届かない場所に置きおきましょう。

また、アイロンがけをしている最中やアイロンを冷やしている間は、子供や赤ちゃんが触らないように注意してください。子供や赤ちゃんが寝た後や家にいない時間にかけるようにすると安心です。

お風呂では、熱い湯船に入ったり熱湯を出したりしないように気をつけましょう。

やけどの跡のケア方法

子供や赤ちゃんがやけどをした場合、重症度によって傷跡の残り方が異なります。

1度や浅達性2度のやけどの場合、赤くなったり色素沈着で茶色くなったりすることがありますが、基本的に目立つ傷跡は残りません。紫外線に当たると色素沈着が起きるため、紫外線をさえぎるようにしましょう。

深達性2度や3度のやけどでは、「ひきつれ」を起こしたり、傷跡が盛り上がってケロイドになったりすることがあります。また皮膚の移植する場合は、移植用の皮膚をとる部位にも傷跡が残リます。

傷跡が残ってしまっても、副腎皮質ステロイドの軟膏やクリーム、テープなどを使って、傷跡を目立たせないようにすることはできるので、傷跡が気になるときは専門医に相談するといいでしょう。