新生児がしゃっくりと嘔吐をする原因は?
しゃっくりとは、横隔膜がけいれんを起こしている状態です。大人の場合は、食べ過ぎや早食いがきっかけで横隔膜が急に収縮して、声帯が閉じて空気が通らなくなったときに、しゃっくりが出やすくなります。
新生児のしゃっくりも基本的には同じ原理ですが、大人に比べて体と脳の繋がりが未発達で、また横隔膜も未熟なので、しゃっくりが起こりやすいといえます。
また、新生児や低月齢の赤ちゃんは、母乳を飲んでいるときに空気を一緒に吸い込んでしまうことが多いため、しゃっくりが出やすくなります。授乳直後に胃が大きく膨らんで横隔膜を圧迫することによって、しゃっくりが起こることもあります。
嘔吐については、新生児の胃の形状は大人と比べて縦型のため、授乳後の嘔吐や溢乳(いつにゅう:母乳やミルクを多く飲んだときに口からダラダラと溢れること)がよくみられます。
新生児のしゃっくりと嘔吐が同じタイミングで起こるのは?
前述の通り、新生児は母乳を飲んでいる間に空気を吸い込んでしゃっくりが出ることがあり、また授乳後にもしゃっくりや嘔吐をよくします。そのため、母乳やミルクを飲んだ後に、しゃっくりと嘔吐が続けて起きたり、ほぼ同時に起きたりすることがあります。
新生児がしゃっくりをして吐いたとき病院へ行く目安は?
しばらく様子を見る
新生児が授乳後にしゃっくりをしたり母乳やミルクを吐いたりするのは、よくあることです。また、吐きやすい体質の赤ちゃんもいるので、嘔吐やしゃっくりをすることがあっても、機嫌がよく体重が増えているようであれば、しばらく様子を見ましょう。
病院へ行く
新生児がしゃっくりと嘔吐をしていて、以下のような症状を伴う場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。夜間や休日であれば救急病院を受診するか、往診サービスを利用して下さい。
● 噴水のように勢いがよく吐く
● 顔色が悪くぐったりしている
● ずっと激しく泣いている
● 母乳やミルクを飲まない・飲む量が減ってきた
● 半日以上おしっこが出ていない
● 生まれてはじめてけいれんをおこした
新生児がしゃっくりをして吐いたときの対処法は?
新生児がしゃっくりや嘔吐をしたときは、次のような方法で対処しましょう。
授乳後にげっぷを出す
母乳でもミルクでも、授乳後は必ずげっぷを出してあげましょう。げっぷが出ていないと、胃の中の空気が食道から口へ逆流して、母乳やミルクを吐いてしまうことがあります。
また、しゃっくりが出ているときは、母乳を飲む際に空気を一緒に飲み込んでしまった可能性があるため、縦抱きにしてげっぷを出してあげると止まりやすくなります。
母乳・ミルクの量を調整する
ミルクのみの場合、飲ませすぎてしゃっくりや嘔吐をしてしまうことがあります。生後12日目までは1回あたりのミルク量を1日10mlずつ増やしていき、それ以降は、1日トータル1000mlを超えないように調整するといいでしょう。
ミルクと母乳の混合の場合、母乳の量が足りているのにミルクを足しすぎてしゃっくりや嘔吐をしている可能性があるので、一度ミルクの量を減らして様子を見てみましょう。
母乳のみの場合は、母乳が出過ぎていることが原因かもしれないので、搾乳をしてから赤ちゃんに飲ませるなど工夫をしてみましょう。
背中をさすったりトントンしたりする
げっぷがなかなか出ず、しゃっくりが止まらないときは、縦抱きにして背中をゆっくりさすったりトントンしたししてあげましょう。体が温まって安心して、しゃっくりがおさまることがあります。
新生児がしゃっくりと嘔吐で考えられる原因の病気は?
新生児や赤ちゃんがしゃっくりや嘔吐をするのはよくあることなので、基本的には心配はいりませんが、授乳のたびに母乳やミルクを吐いて、しゃっくりも伴う場合は、「胃食道逆流」の可能性もあります。
胃食道逆流とは、胃液や飲んだもの、食べたものが食道まで逆流してしまうことです。授乳後に嘔吐としゃっくりや続く場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。