赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因は?
アトピー性皮膚炎はおもに、食べ物に起因する食物アレルゲンやハウスダストやダニなどの環境アレルゲンが体内に入ったときに、過剰な免疫反応が生じることで発症するとされますが、明確な原因は特定されていません。
ただし、新生児や乳幼児の場合は、乳児湿疹の悪化もアトピー性皮膚炎を引き起こす要因のひとつとして考えられています。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状は?
アトピー性皮膚炎のおもな症状は、頭部や首、顔、耳のうしろ、ひじ、ひざの裏などに強いかゆみと乾燥を伴う湿疹が現れ、ときには皮膚が切れることもあります。症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の診断基準は?
乳幼児のアトピー性皮膚炎の症状は乳児湿疹とよく似ているため、症状だけでは医師でも見分けるのが難しいとされますが、おもな判断基準は以下のとおりです。
● かゆみがある
● 赤ちゃんの場合、湿疹が頭と顔から始まり体幹や四肢に広がる
● 乳児期では2カ月以上湿疹が続いている
生後28日未満の新生児は、たとえ湿疹が見られたとしてもそれがアトピー性皮膚炎なのかどうかは診断できません。気になる場合は、新生児訪問や1カ月健診の際に相談してみましょう。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の治療は?
病院でアトピー性皮膚炎と診断されたら、アレルギー物質と考えられるものを取り除いた上で、病院から処方されたステロイドを使って治療を行いながら、自宅で保湿剤を使用してスキンケアを行います。
かゆみが強くて眠れなかったり、かきむしってしまう場合などに服用します。ただ、皮膚の炎症に対しては効果がないので、かゆみが強いときだけの補助治療として使います。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の家庭でのケア方法は?
スキンケア
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎のケアでは、体を清潔に保つことが非常に大切です。入浴時には以下のことに気をつけましょう。
● シャンプー、石けんやボディーソープは低刺激のものを使う
● シャンプー、石けんやボディーソープはしっかりと洗い流す
● 低刺激のベビーローションや保湿クリームで保湿する
● 汗や唾液、飲みこぼしなどがあったらシャワーで流すか、濡れガーゼなどで拭き取る
柔らかい素材の衣類を着る
衣類の繊維も肌への刺激となるため、肌着は柔らかい素材のものにしましょう。洗濯時は洗剤の量を少なくし、衣類に洗剤が残らないように心がけましょう。
アレルギー物質をさける
食べ物やダニ、ほこりなどがアレルギー物質となってアトピー性皮膚炎を悪化させる可能性がありますが、原因と疑われても、アレルゲン除去食をとりいれるのは、赤ちゃんの発育に影響するのが心配です。
ダニやほこり、ペットの毛、あるいは花粉などの環境要因についても完全な除去や治療はできませんが、症状の緩和には有効なので、こまめに掃除をし、清潔な環境を作ってあげましょう。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は治る?
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、成長とともに症状が改善する割合が高いとされ、生後4カ月の赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の約70%が1歳半で治癒したという報告もあります。赤ちゃんの皮膚の状態を確認しながら、適切な治療と自宅でのケアが大切です。