インフルエンザの症状は?
インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって起こる呼吸器感染症で、毎年12月~翌3月にかけて流行します。一般的に1〜3日間程度の潜伏期間を経て発症し、38度以上の発熱と共に、頭痛や関節痛、倦怠感などの症状が急に現れます。さらに、のどの痛みや鼻水、咳といった症状が続きます。
1週間ほどで治まることがほとんどですが、子供の場合は、熱性けいれんや中耳炎、肺炎、気管支喘息を併発したり、まれに神経症状を伴うインフルエンザ脳症に進行したりすることもあります。
インフルエンザで腹痛が起こることもある?
前述の通り、インフルエンザの主な症状は発熱と呼吸器系に関係するものですが、下痢や嘔吐、それらに伴う腹痛といった消化器系の症状が見られることもあります。また、下痢や嘔吐はなく、腹痛だけが起こる場合もあります。
インフルエンザによる腹痛はA型でもB型でも起こる?
インフルエンザによる腹痛や嘔吐・下痢の症状は、A型でもB型でも起こる可能性があります。特に2009年から流行している新型インフルエンザ(A/H1N1 2009pdm型)では、消化器系症状が多く見られる傾向があり、腹痛が起こる可能性が高いといえます。ただし、インフルエンザにかかったら必ず腹痛の症状が出るというわけではありません。
インフルエンザで腹痛が起こる時期は?
インフルエンザは、発症の前日から発症後3~7日間にわたってウイルスを多く排出するといわれています。解熱後もウイルスが体内にとどまっているため、治りかけの頃に下痢や嘔吐に伴う腹痛の症状が出ることがあります。
インフルエンザによる腹痛の原因は?
インフルエンザで腹痛が起こる原因は、インフルエンザの症状の一つである場合と、抗インフルエンザウイルス薬の副作用の場合とがあります。
抗インフルエンザウイルス薬は病院で処方される治療薬で、発症から48時間以内に使用を開始することで発熱の期間を短縮したりウイルスの排出量を減らしたりする効果が期待できます。
いくつかの種類がありますが、タミフル、イナビル、リレンザといった抗インフルエンザウイルス薬を使用すると、副作用として下痢や嘔吐の症状が現れ、それに伴い腹痛が起こることがあります。
また、高熱が出て一時的に熱を下げるために解熱剤を使用したときも、副作用として腹痛や下痢の症状が出ることがあります。
インフルエンザの腹痛で病院を受診する目安は?
しばらく様子を見る
前述の通り、インフルエンザによる腹痛は発症後しばらくしてから起こることがほとんどです。インフルエンザの初期症状の段階で病院を受診して適切な診断と治療を受けていれば、腹痛の症状が出てもそのまましばらく様子を見ましょう。
すぐに病院へ行く
下痢によって脱水症状を起こしている場合や、下痢や嘔吐、腹痛の症状が激しいときは、病院を受診してください。下痢が長引く場合は腸管の状態が悪化している可能性も考えられるため、早めに受診しましょう。
自己判断で市販の整腸剤や下痢止めを使用するのは控えてください。下痢の症状がひどくて薬が必要なときは、受診して適切な薬を処方してもらいましょう。
インフルエンザによる腹痛で自宅でのケア方法は?
水分補給をする
インフルエンザで腹痛を伴う下痢や嘔吐をしたときは、こまめな水分補給を心がけましょう。高熱が出て全身の怠さも加わると食欲がなくなることもありますが、食べたり飲んだりしていない状態で下痢や嘔吐が続くと、脱水症状を起こす恐れがあります。
消化の良い食事にする
下痢や嘔吐をしているときは胃腸が弱っているので、豆腐や味噌汁、ヨーグルトなど、消化の良い食べ物がおすすめです。
消化の良い食事にする
体力を消耗しないように、できるだけ安静に過ごすようにしましょう。子供はインフルエンザにかかっても熱が下がると比較的元気になって、普段のように遊んだり動いたりしたがるかもしれませんが、腹痛が治まるまでは室内でゆっくり過ごすようにしてください。