水疱瘡とは?
水疱瘡は、ヘルペスウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染したときに生じる感染症で、主に乳幼児や児童の時期に発症します。1年を通して発症する可能性がありますが、特に冬から春にかけて流行します。
感染者のうち子供が約90%を占めるものの大人が発症することもあり、その場合は重篤化する可能性が高いという特徴があります。
小学生の水疱瘡の感染経路は?
水疱瘡の感染経路には、咳やくしゃみによる飛沫を直接吸い込むことで感染する「飛沫感染」、空気中に漂うウイルスを吸い込むことによる「空気感染」、タオルや手すりなど付着したウイルスを触ることによる「接触感染」など、複数の感染経路があります。
水疱瘡は感染力が非常に強く、小学校のクラスで1人でも感染すると、あっという間に流行してしまうため注意が必要です。
水疱瘡の潜伏期間は?
水疱瘡は潜伏期間が長く、約2〜3週間あります。小学生が学校などで水疱瘡にかかっている子供と関わって感染しても、すぐには発症しないため、いつの間にか感染していたと感じることが多いようです。
小学生の水疱瘡の症状は?
水疱瘡にかかると2~3週間の潜伏期間を経て、まず小さな赤い発疹がお腹や手足、顔といった部位に現れます。その後、24時間以内に全身に広がっていきます。熱が出ることもあり、年齢が高いほど発熱が長く続きます。
発疹は、しばらくすると水ぶくれになって強いかゆみを伴うようになります。7~10日ほどすると、かさぶたになってかゆみもおさまり、3週間ほど経つ頃には、すべてのかさぶたが剥がれ落ちて元の状態に戻ります。
小学生の水疱瘡の治療法は?
水疱瘡に感染したときの治療法は、症状を抑える対症療法が基本となります。発疹部位にかゆみがあると、かきむしって水泡が破れて感染がさらに広がってしまうため、「カチリ」などの外用薬や抗ヒスタミン薬のような内服薬が処方されます。
また、ウイルスの増加を防ぐために「アシクロビル」という抗ウイルス薬が処方されることもあります。
小学生が水疱瘡にかかると登校できるのはいつから?
水疱瘡は、学校保健安全法で第二種の感染症に位置づけられていて、小学校は基本的に登校停止になります。
登校再開のだいたいの目安は、すべての発疹がかさぶたになる頃とされています。個人差はありますが、発疹が現れてからかさぶたになるまでは1週間程度です。
小学生が水疱瘡にかかったとき自宅でのケア方法は?
掻きむしらないように注意する
水疱瘡の発疹はかゆみが強いため、子供はつい掻きむしってしまいますが、掻くと細菌感染したり、かさぶたになるのが遅くなったりします。
子供の爪は短く切り、処方された薬を塗ってケアをして、掻き壊しによる細菌感染を防ぎましょう。かゆがってるときは、保冷剤をタオルの上から当てて冷やすとかゆみを抑えることができます。
体を清潔に保つ
体中に水疱ができていても、体調が良ければシャワーを浴びて問題ありません。
体を清潔に保つことで二次感染を防ぐことができますが、お風呂の水を介して感染がひろがる可能性があるため入浴は避けるようにしてください。
体を洗うときは、低刺激の石鹸をしっかりと泡立てて水疱を潰さないように優しく洗いましょう。しっかりすすいだ後に優しく拭き、使ったタオルは使い回さにようにしましょう。
すべての水疱がかさぶたになり、医師から許可が出れば入浴を再開することができます。
消化の良いものを食べさせる
水疱瘡に感染しても高熱が出なければ子供は比較的元気ですが、口の中に発疹ができると食欲が落ちることもあります。
その場合は、熱いものや刺激の強いものは避け、ぬるめのスープやおかゆをあげるといいでしょう。脱水症状に気をつけて、水分補給はこまめに行ってください。
小学生が水疱瘡にかかったときの注意点
水疱瘡の感染力は、発疹が現れる2~3日前から水ぶくれがすべてかさぶたになる頃まで持続します。
感染が疑われるときは早めに小児科を受診して、適切な診断と治療を受けてください。できるだけまわりの人にうつさないように、登校や外出を控え、自宅で安静に過ごしましょう。
小学生の水疱瘡の予防方法は?
水疱瘡はワクチン接種を行うことで体内に抗体ができ、発症した場合も重症化を防ぐことができます。水疱瘡の予防接種は2014年より定期接種となり、生後12ヶ月から36ヶ月の間に2回接種することが推奨されています。
小学校で水疱瘡が流行っているときは、乳幼児期の予防接種履歴を確認して、ワクチン接種を受けていない場合は特に感染に気をつけましょう。
予防接種を行っていても感染する可能性はあるため、手洗い・うがいなどを徹底して感染予防をしてください。