病院へ行く目安
しばらく様子を見る
吐いたのは一度だけで、吐いたあとはスッキリして元気ならば、受診の必要はありません。
消化不良による嘔吐の場合は、消化不良を引き起こした食物がそのまま出てくるので分かりやすく、通常、吐いたあとは吐き気も治まります。
診療時間内に受診する
嘔吐が一度で治まらず、38度以上の発熱があって食事や水分が摂れない状態が続くようなら、感染性胃腸炎などの疑いもあるので、一度かかりつけの病院を受診するようにして下さい。
すぐに病院へ行く
以下のような症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診を利用するとよいでしょう。
とくに生後3ヶ月未満の乳児で38度以上の発熱がある場合は迅速な対応が不可欠です。救急車を呼ぶべきか判断がつかないときは、小児救急電話相談(#8000)に連絡しましょう。
●嘔吐を繰り返す
●吐いたあとに高熱が出た
●意識障害があり、呼びかけに反応しない
●呼吸が苦しそうで、顔色も悪い
さらに、以下の症状も見られるようなら救急車を呼びましょう。
●吐瀉物がのどに詰まって呼吸ができない
●40度以上の高熱がある
夜中に幼児が嘔吐する場合に考えられるほかの原因は?
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌などに感染することによって発症します。ウイルス性の感染性胃腸炎は秋から冬にかけて流行しやすく、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどが原因です。
細菌性の感染性胃腸炎は黄色ブドウ球菌、病原大腸菌、サルモネラ菌などが代表的な原因菌で、とくに夏場に集団発症することが多いのが特徴です。おもな症状は嘔吐や下痢、発熱で血便などの症状が見られることもあります。
自家中毒
2〜10歳くらいの痩せている子供に見られることが多いのが自家中毒です。脂肪代謝の異常によってケトン体が体内に溜まり、中毒症状のひとつとして嘔吐すると言われています。数時間から数日間にわたって嘔吐が続くのが特徴です。
夜中に幼児が吐いたときの対処法は?
水分補給と安眠
口をゆすいできれいにし、水分を欲しがったら脂肪分のない飲料を少しずつ飲ませましょう。
衣類や寝具が吐物で汚れているようなら取り替えて睡眠をとらせます。翌朝、熱が平熱で食欲もあるようなら、登校・登園が可能です。
薬について
下痢や嘔吐は、ウイルスや細菌を排出するための生体防衛反応です。自己判断で薬を飲ませることは避け、病院を受診して医師の判断を仰ぎましょう。
家庭内での感染予防は?
子どもの嘔吐にウイルスや細菌が含まれる可能性があるため、汚物を処理する際は使い捨てのマスクや手袋を身につけ、飛び散っている箇所はペーパータオルなどで拭き取ります。
ハイターなどの塩素系消毒剤を200ppmに薄めた消毒液で拭くのも効果的です。拭き取った吐瀉物や汚物、消毒時に使用した手袋などはまとめてビニール袋に入れ、密閉して捨ててください。