子供のインフルエンザと風邪の違い|症状の違いや診断方法

子供のインフルエンザの症状は?

インフルエンザは毎年冬になると流行し、38度以上の急な発熱と共に、頭痛や関節痛、倦怠感などの症状が出る感染症です。

子供の場合、中耳炎や熱性けいれん、肺炎、気管支喘息を併発したり、まれに神経症状を伴うインフルエンザ脳症に進行することもあるため、急に高熱が出た場合は注意が必要です。

子供のインフルエンザと風邪の違いは?

インフルエンザと風邪では、経路や発熱の仕方、症状に違いがあります。

インフルエンザ

経路:飛沫感染、空気感染
発熱:38度以上の急な高熱
症状:関節痛、筋肉痛、だるさ、頭痛、吐き気、下痢
期間 : 1〜2週間

風邪

経路:飛沫感染
発熱:37〜38度
症状:喉の痛み、咳、鼻水、くしゃみ
期間 : 長くて1週間

インフルエンザでは、全身に強い症状が出るのが特徴です。風邪の場合は、呼吸器系の症状が強く現れます。

インフルエンザか風邪かで病院へ行く目安の違いは?

しばらく様子を見る

呼吸器系の症状や発熱といった一般的な風邪の症状が出ていても、普段どおり元気で食欲があれば、しばらくは自宅で様子を見ましょう。

インフルエンザは発症してから6時間以上経過しないと、感染しているかどうか正確に診断することができません。

そのため、夜間や休日にインフルエンザを疑うような高熱が出ても、まずは自宅で様子を見て、翌朝に病院を受診しましょう。

病院へ行く

高熱とともに次のような症状が見られる場合や、生後3ヶ月未満で38度以上の発熱がある場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。夜間や休日であれば救急病院を受診するか、往診サービスを利用してください。

● ぐったりしている
● 水分が摂れていない
● 嘔吐を繰り返す
● 呼吸がはやい

また、以下のような場合はすぐに救急車を呼んでください。

● けいれんを起こしている
● 意識が朦朧としている

子供のインフルエンザと風邪の違いはどうやって診断する?

インフルエンザと風邪では前述のような症状の違いがありますが、正確に判断するためには、小児科や病院で検査が必要です。

インフルエンザの検査には「迅速抗原検出キット」が使われます。子供の場合、鼻の奥に綿棒を入れて粘液をぬぐい取る方法で行うのが一般的です。

インフルエンザかどうかは、採取した粘液をインフルエンザの抗原にだけ反応する「マウスモノクローナル抗体」が塗られたテスターに付着させ、陽性か陰性かで診断します。

インフルエンザと風邪の自宅でのケア方法の違いは?

インフルエンザでも風邪でも、自宅では安静に過ごすことが最も大切です。十分な睡眠をとり、こまめに水分補給を行ってください。食欲がある場合は、消化の良いものを食べさせましょう。

子供がインフルエンザにかかると、合併症を起こしたり重症化したりする可能性があります。子供の様子をよく観察して、嘔吐を繰り返す、ぐったりしているなど明らかに普段の風邪とは違う症状が見られたら、すぐに病院を受診や往診サービスを利用しましょう。

また、けいれんや意識障害、麻痺といった神経症状が見られたときには、すぐに救急車を呼んでください。