子供のインフルエンザの症状は?
インフルエンザは毎年冬になると流行し、38度以上の急な発熱と共に、頭痛や関節痛、倦怠感などの症状が出る感染症です。
子供の場合、中耳炎や熱性けいれん、肺炎、気管支喘息を併発したり、まれに神経症状を伴うインフルエンザ脳症に進行することもあるため、急に高熱が出た場合は注意が必要です。
インフルエンザの薬の種類は?
インフルエンザの治療薬には、下記のような「抗インフルエンザウイルス薬」があります。
● タミフル(オセルタミビルリン酸塩)
● リレンザ(リレンザザナミビル水和物)
● イナビル(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)
● ラピアクタ(ペラミビル水和物)
● シンメトレル(アマンタジン塩酸塩)※インフルエンザウイルスA型にのみ有効で、副作用が強いためほとんど使用されていない
これらの抗インフルエンザウイルス薬を使用することによって、発熱の期間を1~2日ほど短縮でき、喉や鼻からのウイルス排出量も減らすことができます。
しかし、インフルエンザは安静にしていれば自然に治ることがほとんどなので、抗インフルエンザウイルス薬は必ず使用しなければいけないものではありません。
子供のインフルエンザに使える薬は?
子供のインフルエンザにも治療薬を使うことができます。ただし、それぞれ投与できる月齢や年齢が異なります。
● タミフル:生後2週間〜 ※学会などでは生後1ヶ月からを推奨
● リレンザ:吸入可能なら5歳〜
● イナビル:吸入可能なら5歳〜
厚生労働省はタミフルに関して、服用後の異常行動による転落死事例などを理由に10歳以上の子供への投与を原則として差し控えるようにと警告していましたが、2018年8月21日から、その警告の記述を削除しています。
ラピアクタも子供に使うことができますが、重症化リスクがある患者のみを対象に使用を検討すべきとされています。
子供のインフルエンザ治療薬の副作用は?
抗インフルエンザウイルス薬を服用することで、下記のような副作用が起こる可能性があるとされています。
● タミフル:腹痛、吐き気、下痢、発疹など
● リレンザ:気管支けいれん(慢性の呼吸器疾患がある場合)など
● イナビル:頭痛、下痢など
また、乳製品に対するアレルギーがある人がリレンザやイナビルを服用した際にアナフィラキシーショックが起きたという症例もあります。
子供が抗インフルエンザウイルス薬を服用した後に、窓やベランダから飛び降りる、急に走り出す、といった異常行動が起きた報告もありますが、抗インフルエンザウイルス薬と異常行動との因果関係は明らかになっていません。
子供がインフルエンザの薬を服用するときの注意点
インフルエンザウイルスは、感染後48時間までが増殖のピークなので、抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内に投与すべきとされています。
熱が下がっても、しばらくはインフルエンザウイルスの排出が続くので、発熱が治まっても決められた期間(タミフルの場合は5日間)は使用を続けるようにしましょう。
また、市販の風邪薬や以前処方された解熱剤などを自己判断で使用するのは控えてください。
子供のインフルエンザで座薬は使える?
子供がインフルエンザに感染して高熱が出たとき、解熱作用のある座薬を使うと一時的に熱が下がり体のつらさが和らぎますが、座薬の使用に関しては医師の指示に従うようにしましょう。
インフルエンザで高熱が出たときに使用できる座薬は、以下のようなアセトアミノフェンを主成分とするもので、医師の処方箋が必要となります。
● アンヒバ坐剤小児用 50mg/100mg/200mg
● アルピニー坐剤 50/100/200
● カロナール坐剤 100/200
これらの座薬を使用するときは、熱が上がりきってから使うようにしましょう。熱が上がっている最中に使用すると、座薬の熱を下げる効果が打ち消されてしまうからです。
また、以下の成分が含まれた座薬は、インフルエンザ脳症を悪化させたり、ライ症候群という合併症を引き起こしたりする可能性があるため、使用しないでください。
● サリチル酸系医薬品
● ジクロフェナクナトリウム
● メフェナム酸