新生児が嘔吐|病院へ行く目安や原因、対処法

新生児が嘔吐したときに病院に行く目安は?

新生児の胃の形状は大人と比べて縦型で、嘔吐や溢乳(いつにゅう:母乳やミルクを多く飲んだときに口からダラダラと溢れること)をしやすい構造をしているので、授乳後に少し動いただけで吐くことは決して珍しくありません。

しばらく様子を見る

前述のように、新生児が母乳やミルクを吐くのはよくあることです。また、母乳やミルクを吐きやすい体質の赤ちゃんもいるので、嘔吐することがあっても、機嫌がよく体重が増えているようであれば、しばらく様子を見ましょう。

病院へ行く

新生児が嘔吐して以下のような症状を伴う場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。夜間や休日であれば救急病院を受診するか、往診サービスを利用して下さい。

● 生まれてはじめてけいれんをおこした
● 噴水のように勢いがよく吐く
● 顔色が悪くぐったりしている
● ずっと激しく泣いている
● 食欲がなくて水分が全く取れていない
● 半日以上おしっこが出ていない

新生児が母乳やミルクを嘔吐する原因は?

新生児が母乳やミルクを吐く原因は、溢乳のような生理的現象の場合と、病気が潜んでいる場合があります。

母乳の勢いが強い・ミルクの量が多い

母乳の出る勢いが強いと、赤ちゃんが飲みこむタイミングが合わなくて、むせて吐いてしまったり、ミルクの量がいつもより多いと、気持ち悪くなり吐いてしまうことがあります。

げっぷが出ていない

赤ちゃんは母乳やミルクを飲みながら空気も一緒に吸い込んでいますが、胃の筋肉が弱いので、自力で空気を吐き出すことができません。

そのため、ゲップが出ていないと胃の中の空気が食道から口へ逆流し、母乳やミルクを吐いてしまうことがあります。

急に体勢を変えた

ミルクや母乳を飲ませた後にげっぷをさせようとして、赤ちゃんの体勢を急に変えると、母乳やミルクを吐くことがあります。

消化器系の病気にかかっている

新生児や赤ちゃんが母乳やミルクを噴水のように勢いよくピューっと大量に吐いたら、「肥厚性幽門狭窄症」という病気が疑われます。この病気にかかっているときは母乳やミルクを上手く飲むことができないので、なかなか体重が増えずに元気がなくなるのも特徴です。

また、母乳やミルクを繰り返し吐くこと以外に、お腹が膨れる、重度の便秘といった症状がみられるときは、「腸閉塞」の可能性があります。腸閉塞になると、重度の脱水症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。

新生児が母乳やミルクを大量に嘔吐したときの注意点

新生児が嘔吐したときの対処法は?

新生児が生理的現象で嘔吐をしたときは、次のような方法で対処しましょう。

母乳・ミルクの量を調整する

ミルクのみの場合、飲ませすぎて吐いてしまうことがあります。生後12日目までは1回あたりのミルク量を1日10mlずつ増やしていき、それ以降は、1日トータル1000mlを超えないように調整するといいでしょう。

ミルクと母乳の混合の場合、母乳の量が足りているのにミルクを足しすぎて吐いている可能性があるので、一度ミルクの量を減らして様子を見てみましょう。

母乳のみの場合は、母乳が出過ぎていることが原因かもしれないので、搾乳をしてから赤ちゃんに飲ませるなど工夫をしてみましょう。

母乳を飲ませる前に搾る

母乳が勢いよく出る場合は、授乳前に搾乳をしてから赤ちゃんに飲ませるようにしましょう。

授乳後にげっぷをさせる

母乳の場合でもミルクの場合でも、授乳後は必ずげっぷを出してあげましょう。ゲップをさせるときは、赤ちゃんを縦抱きし肩にもたれさせて、背中をトントンと軽く叩くとよいでしょう。