子供の発熱とは?
子供の体は自律神経が発達していないため、気温や環境により、35.0〜37.4度の間で体温は変化します。
日頃から子供の平熱を知っておくことが大切ですが、一般的には、脇の下で測った温度が37.5度以上、もしくは平熱より1度以上高いと発熱していると考えましょう。
病気によって子供が発熱するのは、体が細菌やウイルスを死滅させるために体温が高くなっていることが原因です。
子供が熱だけの症状で、病院を受診する目安は?
40度以上の発熱があったり、熱だけでなく嘔吐や下痢などの症状が見られたりする場合はすぐに病院を受診してください。夜間や休日は救急病院を受診したり、往診サービスを利用したりすると良いでしょう。
熱だけの場合でも、原因不明の熱が4日以上続いている場合は他の病気の感染が疑われるので、一度病院を受診するようにしましょう。
子供が熱だけの症状のときの原因は?
子供がかかりやすい感染症の中には、最初に熱だけが出て、その後さまざまな症状が出てくるものもあります。子供の症状が熱だけだと思っても、後から他の症状が出てこないかを見てあげましょう。
熱だけだったところから徐々に他の症状も出てくる場合は、以下の病気が疑われます。
風邪
熱のほかに、鼻水や喉の痛み、咳、頭痛、腹痛などの症状が現れます。
子供が普通の風邪にかかって発熱した時は、2~3日で熱が下がることが多いです。
アデノウイルス
いわゆる「プール熱」や「はやり目」の原因になるウイルスです。発熱や咽頭炎、結膜炎などの病気を引き起こします。
主に夏に流行しますが、1年を通して感染する可能性があります。
突発性発疹
突然38〜40度の高熱が出る病気ですが、高熱以外に不機嫌になったり、眠りが浅くなったり、嘔吐や下痢、けいれんなどの症状が出ることもあります。
また、熱などの症状は3〜4日程度で治まりますが、熱が下がると同時に、首や耳の後ろ、胸、お腹に色の薄い小さな発疹が現れます。発疹は2〜3日程度で消えることが多く、あとも残りません。
インフルエンザ
冬に流行することが多く、感染すると38度以上の発熱が見られます。発熱以外にも頭痛、関節痛、筋肉痛、全身のだるさなど様々な症状が出ることがあります。
マイコプラズマ肺炎
肺炎マイコプラズマという細菌に感染して炎症を引き起こし、発熱以外にも倦怠感や頭痛などの症状が出たあとに、乾いた咳が出るようになります。
溶連菌感染症
溶蓮菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる感染症です。主な症状に、発熱と喉の腫れがあります。この他にも、咳、頭痛、倦怠感、腹痛など様々な症状が現れることもあり、風邪の症状に似ています。
舌の表面に赤い発疹が出たり、喉に白い発疹ができたりすることもあります。
子供が熱だけの症状…と思っても、注意して
子供が熱だけ出している…と思っても、水ぶくれや耳の痛みなど、気づきにくい症状が出ているときもあります。子供の様子をしっかり見てあげましょう。
症状を見逃しやすい病気のなかには、次のようなものがあります。
ヘルパンギーナ
39度前後の熱がでる夏風邪の一種で、上顎の奥の粘膜部分に小さな水ぶくれができるため、痛みで食欲がなくなったり、よだれが多くなることがあります。
急性中耳炎
乳幼児がかかると、しばしば39度以上の発熱が見られる病気で、それ以外の症状としては耳の痛み、耳だれなどが現れます。
尿路感染症
大腸菌などの細菌が尿道から侵入して、尿管や腎臓に到達することで感染する病気です。
症状が進行する腎盂腎炎を引き起こし、背中や脇腹が痛くなることもあります。
子供に原因不明の熱だけの症状が続くときは?
熱の症状がある原因不明な病気に「川崎病」があります。川崎病にかかると、発熱や咳、鼻水など、一般的な風邪と似た症状が初期症状として現れることがあります。
いまだにはっきりとした原因は不明ですが、体の免疫システムの異常が関係しているのではないかと考えられています。
子供が熱だけの症状のときのホームケアは?元気なときは?
熱だけで子供が元気だというときも、基本的に外出はせず、自宅で安静にしてください。
無理に食事を摂る必要はありませんが、脱水症状を防ぐためにこまめに水分を補給するようにしましょう。効率的に体に取り込める経口補水液もおすすめです。
布団やパジャマは暑すぎないようにして、体温を調整してあげましょう。