紫斑病とは|原因や症状、検査、治療法

紫斑病とは?

紫斑病とは、血管炎を引き起こす病気の総称です。発症者の約9割が3~10歳で、子供を中心に発症する傾向がありますが、大人が発症した場合は、腎炎などの合併症を引き起こすことが多いです。

また、血管炎が生じるメカニズムによって次の病気に分類されます。

アレルギー性紫斑病

アレルギーによって血管に炎症が生じる病気です。別名として「アナフィラクトイド紫斑病」や「ヘノッホ・シェーンライン紫斑病」とも呼ばれています。

血管性紫斑病

血管から血がにじみ出ることで紫斑ができます。血管性紫斑病を発症した約半数が紫斑性腎炎を引き起こすことが知られています。

血小板減少性紫斑病

血を止める作用をもつ血小板の数が減少することで、粘膜や皮膚から出血する病気です。

紫斑病の原因は?

紫斑病が発症する原因は未だに明らかになっていませんが、溶連菌や風邪にかかった後に発症することが多いので、細菌やウイルスの感染が原因ではないかと考えられています。

紫斑病で現れる症状は?

皮膚内で出血が起こることで、皮膚に紫色の発疹である「紫斑」が生じます。子供の場合はおしり、太もも、ひざ、腕などの見られることが多く、乳児の場合は顔にも出ることがあります。

それ以外の症状としては、まだら状の紫斑、手足のむくみ、関節炎、腹痛や嘔吐など様々な症状が現れる可能性があります。

まれに腎臓に合併症が生じた場合には血尿やタンパク尿、高血圧、腎炎などの症状が現れることがあります。

紫斑病の検査方法は?

現れている症状を元に問診を行い、血液検査や尿検査、腎生検、骨髄生検などを行い総合的に判断を行います。

紫斑病の治療方法

紫斑病の分類ごとに治療法は異なります。

アレルギー性紫斑病

特別な治療を行わなくても、安静にしていれば約1ヶ月程度で治ることがほとんどです。ただし、重症化を防ぐために免疫抑制剤を使用することがあります。

血管性紫斑病

安静にしていれば症状が治まることが多いですが、医師の判断によっては入院することもあります。腹痛や関節痛がひどい場合は痛み止めなどを服用する場合があります。

血小板減少性紫斑病

血液製剤であるガンマグロブリンやステロイド薬の服用、脾臓の摘出を行います。命に関わる状態のときは、血小板の成分を輸血によって補うこともあります。

紫斑病の予防方法は?

紫斑病は様々なメカニズムによって生じる病気で、現在はっきりと原因は特定されていないため予防がしにくい病気です。そのため、特徴的なあざのような発疹を見つけた場合はできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。