胃潰瘍とは|原因や症状、検査、治療法

胃潰瘍とは?

胃液の分泌のバランスが崩れることで、胃壁が傷つき、粘膜層よりさらに深い筋層までただれてしまっている状態です。

症状が進行すると胃に穴が空き、全身症状が現れることもある危険な病気で、40歳以上の人が発症しやすいという特徴があります。

胃潰瘍の原因は?

主にヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染や、解熱鎮痛剤である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用、ストレスによる粘膜保護成分の分泌異常などが原因で発症します。

特にピロリ菌が原因で胃潰瘍を発症することが多く、ピロリ菌は母子感染やピロリ菌に汚染された食べ物や水(井戸水)を摂取することで感染し、除去しない限りはピロリ菌は胃の中で生き続けます。

胃潰瘍で現れる症状は?

主にみぞおちあたりから左の脇腹にかけて鈍い痛みが生じることが多く、特に空腹時や食後に痛みを訴える傾向があります。

胃潰瘍が進行して胃壁から出血した場合には、黒っぽい吐血や、血の混ざった黒ぽいタール状の便、腹痛、血圧の低下が見られます。

万が一、胃が穿孔(穴が空いた状態)してしまうと、胃の内容物が腹腔内に漏出して腹膜炎が起きることもあるので、2〜3日胃が痛いときは、一度かかりつけの病院を受診しましょう。

胃潰瘍の検査方法は?

胃がんとの区別をするために内視鏡検査を行った後、ピロリ菌の感染の有無を調べるために、血液検査やウレアーゼ試験、尿中抗体検査、便中抗原検査などを行います。

胃潰瘍の治療方法は?

胃に出血が見られないときは薬による治療を行い、胃液の分泌バランスを整えます。ピロリ菌が原因で胃潰瘍が起きているときは、合わせて抗菌薬も飲み、ピロリ菌の除菌を行います。

通常2ヶ月程度でピロリ菌を除去することができますが、除去できていない場合は異なる種類の抗菌薬を使用します。途中で服用をやめると、胃潰瘍が再発する可能性もあるので、薬は自己判断で辞めずに最後まで飲みきるようにしてください。

万が一、胃に出血や穿孔が認められる場合は、内視鏡を用いて止血剤の注射や患部に小型のクリップをかけるなどの止血処置を行います。

胃潰瘍の予防方法は?

ピロリ菌の感染が主な原因なので、ピロリ菌に感染していないか検査をしましょう。

NSAIDsを長期で服用しており、胃が痛む場合は、医師と相談して異なる種類の抗炎症薬を使用すると良いでしょう。