アナフィラキシーショックとは|原因や症状、検査、治療法

アナフィラキシーショックとは?

アレルゲンが体内に入ることで、複数の臓器や全身にアレルギー症状が現れ、命の危険が生じるほどの反応が出ることをアナフィラキシーといいます。

とくに、アナフィラキシーの中でも、血圧の低下や意識の消失、失神、けいれんなど重症な症状が出ることをアナフィラキシーショックといい、すぐに治療を行わないと最悪の場合、死に至ることもあります。

アナフィラキシーショックの原因は?

食物アレルギー

卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、エビ、カニなどを食べることで発症します。アレルゲン食物を食べただけでは症状が出ない人でも、食べた後に運動をするなどの2次的な要素が加わると発症することもあるので注意が必要です。

虫刺され

ハチ、アリ、ムカデなどに刺されることで発症します。一度刺されただけでは症状が出ないことがありますが、再度刺されることによって発症します。

その他

抗生物質、解熱剤、造影剤などの薬剤の服用や天然ゴム手袋などのラテックスに触れることで発症します。

ラテックスに反応する人の30〜50%はクリやバナナなどの食べ物にもアナフィラキシーを起こすといわれているので、注意が必要です。

アナフィラキシーショックで現れる症状は?

アレルゲンにさらされた数分から数時間以内に次のような症状が現れることが特徴です。呼吸困難や血圧低下などの症状が出ていると、死に至る恐れがあるので、すぐに病院を受診するようにしましょう。

● 全身に発疹が出るなどの皮膚症状
● 唇や舌が腫れる粘膜症状
● 呼吸困難、喘鳴などの呼吸器症状
● 血圧低下、意識障害などの循環器症状
● 下痢や嘔吐などの消化器症状

アナフィラキシーショックの検査方法は?

次の3項目のうちいずれかに該当すればアナフィラキシーと診断されます。

①皮膚症状または粘膜症状のどちらかが急に現れており、呼吸器症状もしくは循環器症状のうち少なくとも1つが現れている

②アレルゲンに曝されてから急速に、皮膚・粘膜症、呼吸器症状、循環器症状、持続する粘膜症状のうち2つ以上が現れている

③アレルゲンに曝されてから急速に、平常時の血圧の70%未満に血圧が低下している

アナフィラキシーショックの治療方法

患者を横にして足を心臓よりも30cm程度高くあげた状態で、呼吸困難な症状が出ている場合は酸素投与を行います。その後、アドレナリンの投与、脱水症状や血圧低下を改善するために点滴、ステロイドや抗ヒスタミン剤を投与することで症状を緩和させます。

初めてアナフィラキシーを起こしたときは、症状が回復した後も一定期間入院して経過観察を行い、症状の再発に備えます。

アナフィラキシーショックの予防方法は?

アナフィラキシーを引き起こす可能性のあるアレルゲンを避けることが大切です。人によってアレルゲンの原因になるものが異なるため、しっかりと自分自身で把握しておきましょう。

万が一、アナフィラキシーショックが再発したときに対応できるように、アドレナリン自己注射を常備しておいてください。