おたふくかぜとは?
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)とは、ムンプスウイルスに感染することで耳の下にある「耳下腺」が炎症を起こし、おたふくのお面のように顔が腫れる病気です。
おたふくかぜは2〜9歳の子供がかかりやすく、春から夏にかけて流行しますが、一度感染すると免疫を獲得し再発する可能性は低いといわれています。
おたふくかぜの感染経路は?
おたふくかぜに感染した人の唾液やくしゃみなどの飛沫を直接吸い込むことで感染する飛沫感染と、飛沫が付着した手で鼻や口を触ることで感染する接触感染が原因で感染が広がります。
おたふくかぜで現れる症状は?
おたふくかぜが発症した場合は、発熱や倦怠感、頭痛などの症状が現れた後に、片側もしくは両側の耳下腺が腫れます。耳下腺が腫れているときは、口を開けると痛みを感じるため食欲が低下することもありますが、通常腫れや痛みは1週間程度で治まります。
ただし、おたふくかぜが重症化すると、髄膜炎や精巣炎、難聴などの合併を引き起こす可能性があるので、おたふくかぜを疑うような症状が見られたときは、一度病院を受診しましょう。
特に1週間以上熱が下がらない場合や、ひどい頭痛や嘔吐を伴う場合はすぐに病院を受診してください。
おたふくかぜの診断方法は?
一般的には問診や視診、触診を行い、おたふくかぜの診断を行います。おたふくかぜの確定診断を行う際に血液検査を行うこともありますが、結果が出るまでに1〜2週間程度かかるため、あまり行われることはありません。
おたふくかぜの治療方法は?
おたふくかぜに効果的な治療薬は現時点でないため、発熱や痛みを緩和させる対症療法を行い、症状が回復するのを待ちます。
自宅でもできるケア方法には次のようなものがあります。
腫れている箇所を冷やす
おたふくかぜに感染すると、耳の下が腫れて熱を持ちます。痛みがひどいときは、冷たいタオルや保冷剤をタオルの上から当てることで患部を冷やすと痛みが和らぎます。
食事は柔らかいものをとる
耳の下が腫れている場合は、口を開けるだけでも痛むため、噛まずに飲めるスープや柔らかいゼリーなどがおすすめです。
おたふくかぜの予防法は?
おたふくかぜは一度免疫を獲得すると生涯感染の可能性が低くなるため、子供のうちに予防接種を受けておきましょう。予防接種を受けた後、数日は耳下腺が軽く腫れることがありますが、自然に治まっていきます。
日本小児科学会では、確実に免疫を獲得するために生後12〜15ヶ月の間に1回目を、5〜6歳の間に2回目のワクチンを接種することを推奨しています。
予防接種を受ける際には自己負担で受ける必要があるため、4,000〜6,000円程度かかります。自治体が補助を出していることもあるので、事前に確認してください。
子供がおたふくかぜになった時はいつから保育園にいける?
おたふくかぜは症状が出てから10日間は人に感染させる可能性があるため、学校保健安全法により「耳下腺などの腫れが見られてから5日以上経っており、全身の症状が治まるまでは出席を停止する必要がある」と定められています。
保育園などの通い始めるタイミングについては、症状が治まってきましたら一度かかりつけの医師と相談しましょう。