麻疹とは|原因や症状、感染経路、風疹との違い、検査、治療法

麻疹(ましん、はしか)とは?

麻疹は麻疹ウイルスに感染して起こる病気で、発症すると発熱や発疹、咳などの全身症状が長く続き重症化することが多くあります。

麻疹ウイルスが流行することで多くの死者が出ため、日本では麻疹のワクチン接種を進めてきましたが、まだ1歳児の麻疹ワクチン接種率は50%と低く、現在でも死亡例がある病気です。

麻疹ウイルスは免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%の確率で発症する一方で、一度感染した場合には免疫を一生保持しているために、再度感染する可能性は低くなるといわれています。

麻疹の感染経路は?

麻疹ウイルスは非常に感染力が強く、空気感染や飛沫感染、接触感染など様々な感染経路で感染する可能性があるため、一度発症すると短期間で人から人へと感染が広がっていきます。

麻疹で現れる症状は?

麻疹が発症すると、まずは38度前後の発熱や鼻水、咳、めやになど風邪の症状が現れます。発症後3〜4日程度経つと目が充血したり、頬の内側にコプリック斑と呼ばれる白いブツブツができるようになります。

発熱は12〜24時間程度で一度下がりますが、4〜5日後には再度発熱し、同時に顔や耳の後ろに生じた発疹が全身へと広がっていきます。

麻疹は、肺炎や中耳炎、脳炎などの合併症を引き起こす可能性があるため、繰り返す発熱や頬の内側に白いブツブツが見られるときはすぐに小児科を受診するようにして下さい。

麻疹と風疹の違いは?

麻疹と風疹は感染の原因となるウイルスの種類が異なります。風疹は、麻疹と同じ様な症状が出ますが、通常は軽症で麻疹よりも短期間で症状が治るというのが特徴です。

妊婦さんが風疹に感染すると、胎盤から臍帯を通じて胎児にもウイルスが感染し、子供に難聴や、先天性心疾患や白内障などの先天性風疹症候群と呼ばれる病気を引き起こす可能性があることが麻疹と風疹の大きな違いです。

麻疹の検査方法は?

血液中や咽頭の拭い液に含まれるウイルスを分離する検査を行い、ウイルスが認められると麻疹に感染していると診断されます。

麻疹の治療方法は?

麻疹に特効薬はなく、発熱などの症状を緩和させる対症療法を行い、自然に回復するのを待ちます。肺炎などの合併症を引き起こしているときは入院して治療を行うこともあるので、注意が必要です。

麻疹の自宅でのケア方法は?

水分補給を行う

発熱しているときは汗をかきやすく、脱水症状になる可能性が高いため、こまめに水分補給を行ってください。

水分は飲めるものなら何でも構いませんが、できれば常温で塩分と水分を同時に摂取することができる経口補水液などが良いでしょう。

安静にする

症状が出ているときは、静かな部屋で横になり安静にしましょう。横になると咳が出て苦しい場合は、クッションや布団などにもたれかかると良いでしょう。

体をきれいにする

汗をかいたままだと二次感染を引き起こす可能性が高くなるため、こまめに汗を拭き、体をきれいにするようにしましょう。シャワーを浴びるのは構いませんが、熱が下がって3〜4日程度経つまで入浴は控えてください。

発熱しているときは口の中が乾燥しやすく、炎症の原因になるので食事の後は口の中もきれいにしましょう。

麻疹にかかったら、保育園や幼稚園はいつから行ける?

麻疹は学校感染症の二種に指定されているため、熱が下がった後の3日間は登園・登校は禁止されています。症状が治まってきたら、一度医師に、いつ頃から登園・登校できるのか確認してください。

麻疹を予防するには?

麻疹を最も効果的に予防するには、ワクチン接種を受けることです。ワクチン接種は2回受けることで免疫を獲得できる確率が高まるため、2回予防接種を受けるよう推奨されています。日本では1〜2歳未満と就学前の1年間麻疹の予防接種を無料で受けることができます。

保育園などに通っている場合は1歳前後でも集団感染することがあるため、生後9ヶ月頃に予防接種を受けていれば感染する可能性を下げることができます。

その場合の費用は自己負担になりますが、麻疹ワクチン単体では5,000円程度、風疹ワクチンとの混合ワクチンだと1万円程度で受けることができます。