川崎病とは?
川崎病は正式には「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といい、手足の指先から皮膚がむけ、全身の血管に炎症が生じる小児特有の病気で、年間を通して発症する可能性がある病気ですが、特に春と夏に発症する傾向があります。
生後数ヶ月から4歳までの子供を中心に発症し、特に1歳前後の乳幼児に最も多く発症し、過去に発症している場合でも約3.6%ほど再発する可能性があります。
また、世界各国で発生が認められていますが、特にアジア系の人の発症が見られることから遺伝的な要因も関係していると言われています。
川崎病の原因は?
コロナウイルスや溶血性連鎖球菌などの感染が原因だといわれているものの、まだ原因は明らかにはなっていません。
川崎病が発症すると、通常体内に侵入した細菌やウイルスのみを攻撃する白血球が、何らかの原因で白血球が血管壁までを過剰に攻撃することで全身の血管に炎症が生じます。
川崎病で現れる症状は?
全身の細かい血管に炎症が生じる血管炎が特徴的な症状で、全身の血管に炎症が生じた場合は冠動脈瘤が併発する可能性があります。
冠動脈は心臓に血液を送るための血管で、冠動脈の壁が脆くなりコブのように血管が膨らんだ状態を冠動脈瘤といい、悪化すると心筋梗塞などに繋がる可能性があるため注意が必要です。
また、全身の血管炎以外には、次のような症状が見られる場合があります。
● 5日以上続く発熱
● 首のリンパ節が腫れる
● 両目の充血
● 唇や口内、舌に赤いぶつぶつができる
● 胸や腹に現れる発疹
● 手足のむくみ、熱が下がった後に手足の指先から皮膚が剝ける
この他にも、BCGを摂取した箇所が赤くなる、関節が痛む、下痢、お腹が張るなどの症状が見られる場合もあります。
川崎病で病院に行くタイミングは?
風邪のような症状が出た後に、高熱が何日も続いたり全身に発疹がでるなどの川崎病を疑うような症状が現れた場合はすぐに小児科を受診するようにします。
症状が発症した初期の炎症が強い場合や、発熱が10日以上も続いた場合は冠動脈瘤ができやすいと言われているので、少しでも気になる場合は早めに病院を受診するようにしてください。
川崎病の診断方法は?
以下6つの症状のうち、5つ以上該当する場合、もしくは4つ以上当てはまり、心臓のエコー検査で異常が見られる場合は、川崎病と診断されます。
● 5日以上続く発熱
● 首のリンパ節が腫れる
● 両目の充血
● 唇や口内、舌に赤いぶつぶつができる
● 胸や腹に現れる発疹
● 手足のむくみ、熱が下がった後に手足の指先から皮膚が剝ける
まれに症状が2〜3個該当する場合でも川崎病を発症することがあるので、少しでも川崎病の症状に該当する場合は念のため、早めに小児科を受診するようにしましょう。
川崎病の治療方法
全身症状の管理を行いながら、症状を抑えるために入院して薬物療法(免疫グロブリン製剤とアスピリンの投与)を行います。
症状が治まった場合には超音波検査などで心臓の冠動脈の状態をチェックし、冠動脈瘤の危険性がない場合は退院することが可能です。
まれに免疫グロブリンを投与しても炎症が続き、冠動脈瘤ができてしまった場合は外科手術を行わないと行けない場合があるため注意が必要です。
川崎病が治った後の注意点
きちんと川崎病の治療を行ったとしても、治療後に心筋梗塞を起こしたり川崎病を再発する可能性があるため、医師から問題ないと判断されるまでは子供の様子をしっかりと見てあげるようにしてください。
もし何かいつもと異なる点がある場合は、迷わず小児科を受診するようにしましょう。