子供の顔に湿疹ができる原因は?病院を受診する目安や治療法は?

子供の顔に湿疹ができる原因は?

子供の顔に湿疹ができた場合、次のような病気が原因の可能性があります。

乳児湿疹

乳児期に生じる湿疹の総称です。ほとんどは皮脂が過剰に分泌されてできる乳児脂漏性湿疹で、頭の生え際付近や皮脂の分泌が多い顔や胸などに湿疹が現れます。

フケが出たりかさぶたができたりすることがありますが、時間が経てば自然に治まります。

伝染性紅斑(りんご病)

ヒトパルボウイルスB19の感染で発症し、5〜9歳くらいの子供がかかりやすい病気です。

両側の頬に赤くかゆみのある発疹が現れ、次第に全身へと広がっていくことが特徴です。通常1週間程度で症状が治まります。

ヘルペス湿疹

単純ヘルペスウイルスの感染で発症し、一度感染すると再発を繰り返す病気です。

湿疹ができた後に水ぶくれが生じ、発熱や倦怠感など風邪に似た症状とリンパ節の腫れ・痛みが出るのが特徴です。症状は2〜4週間程度で治まります。

麻疹(はしか)

麻疹ウイルスの感染で発症し、湿疹や発熱、咳等が長く続きます。肺炎などの他の病気を引き起こす可能性があります。

最初の発熱が治まった約4日後に再度発熱と赤い湿疹が生じることが特徴です。症状は1〜2週間程度で治まります。

アトピー性皮膚炎

アレルゲンが体内に入るとアレルギー反応が生じ、皮膚の乾燥と痒みの強い湿疹が生じます。

子供の年齢によって発生する部位が異なりますが、顔周りや背中、首などの皮脂の分泌量が多い部位に発生することが特徴です。

アトピー性皮膚炎は慢性化することが多く、ステロイドを長期的間服用する必要があります。

子供の顔に湿疹ができたときの病院へ行く目安は?

しばらく様子を見る

まず顔の湿疹以外にどんな症状が出ているのかをチェックしてください。湿疹以外に明らかな症状がない場合はしばらく様子を見ます。

夜間に湿疹とかゆみが出ていても睡眠に影響がなければ、翌日の診察時間内に一度受診しましょう。

病院へ行く

以下のような場合は、すぐに受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診サービスを利用してください。

● 全身に湿疹が出ていて、かゆみで眠れない
● けいれんやよだれが止まらない
● 熱や咳が出ている
● ぐったりしている
● 呼吸困難な様子がでている

湿疹の原因が何か判断がつかないときや、湿疹以外の症状が出ている場合は、小児科を受診するといいでしょう。症状が皮膚の湿疹だけの場合や、虫刺されあせも、乾燥、かき壊しが原因の場合は、皮膚科を受診しましょう。

子供の顔に湿疹ができたときの治療法は?

子供の顔に湿疹ができたときは、まず原因を突き止め、症状にあった治療を受けることが大切です。

原因によって治療法は異なりますが、炎症部分には弱めのステロイドなどを含む塗り薬、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬が処方されることがほとんどです。

湿疹以外に発熱や嘔吐といった症状が現れている場合はウイルスや細菌に感染している可能性もあるため、その病気にあった治療法が行われます。

自己判断で薬を塗ったり飲んだりするのは控えましょう。

子供の顔に湿疹ができたときの自宅でのケア方法は?

子供の顔に湿疹が出たときは、次のようなことに注意しながらケアしましょう。

かかない・擦らない

かいたり擦ったりすると皮膚が傷つき、傷口から細菌に感染して他の病気を引き起こす可能性があります。また、皮膚に刺激を与えることで返ってかゆみが増すこともあります。

かゆみがひどいときは保冷剤や冷たいタオルで患部を冷やし、かいたり擦ったりしないようにしましょう。

肌をきれいにする

患部を清潔に保つことも大切です。湿疹ができている部分の汚れや余計な皮脂を落として、肌をきれいに保つようにしましょう。

お風呂では刺激の少ない石鹸を十分に泡立てて優しく洗い、ぬるま湯でしっかりとすすぎます。

赤ちゃんの顔に湿疹が出た場合は、ぬるま湯で湿らせたガーゼなどでポンポンと軽く拭いてあげましょう。

肌を保湿する

肌が乾燥すると余分に皮脂が分泌されて湿疹が悪化することがあるので、肌をこまめに保湿することもポイントです。

乾燥を伴う湿疹が見られた場合は、1日2回ほど保湿剤を塗るようにしましょう。特に乾燥する季節は、加湿器や濡れタオルを使って部屋の乾燥を防ぎましょう。

肌の保湿をこまめに行うことは、湿疹の予防にもつながります。