子供に熱はなく、かゆみのある発疹が出た場合の対処法は?
かゆみへの対処法
かゆみを抑えるには、第一に冷やします。掻きむしると、かゆみが広がり皮膚も傷つくので掻かないようにしましょう。
湿疹やあせもを掻きむしり、水疱が生じてしまった場合は、潰さないようにガーゼなどで覆い一度病院を受診しましょう。
薬は自己判断で使用しない
発疹の治療は主にステロイド剤を使用しますが、発疹の原因によってはステロイド剤を使用することで、症状が悪化する場合もあります。
薬を使用する際は、一度医師に相談した上で使用するようにしましょう。
かゆみのある発疹が出たときに病院を受診する目安
しばらく様子を見る
かゆみ以外に明らかな症状がないか確認しましょう。ぐったりしていたり、呼びかけても反応がないなどの症状が見られない場合はしばらく様子を見ます。かゆみが続く場合は、診療時間内に病院を受診してください。
すぐに受診する
以下のような症状が見られる場合は、すぐに病院を受診します。休日や夜間であれば、救急病院や往診を利用しましょう。
● かゆみがひどく、眠れない
● 全身に発疹が出ている
● けいれんを起こしている
● ぐったりしている
● 唇や舌が腫れている
かゆみのある発疹の原因は?
伝染性紅斑(りんご病)
「ヒトパルボウイルスB19」に感染すると、赤い頬と手足に網目模様や波模様に発疹が広がります。乳幼児から大人まで幅広く感染しますが、5〜9歳の子供に多く見られます。
一般的に感染しても症状は軽く、自然に発疹も治まるので治療は必要ありません。
汗疹(あせも)
汗腺に汗や垢が詰ると炎症が起き、発疹が生じます。新陳代謝が活発で汗をかきやすい子供に多く見られ、首や、お腹、背中や脇の下など汗腺の多い部位に発疹ができることが特徴です。
治療は発疹が生じている患部を清潔にし、医師に処方されたステロイド剤を使用します。
小児ストロフルス
ノミやダニ、蚊などに刺された部位の周辺に、かゆみの強い赤い発疹ができます。発疹を掻きむしると全身へと症状が広がることもあります。
小児ストロフルスは通常1ヶ月以内に治まることが多く、かゆみを抑えるためにステロイド剤を使用します。
蕁麻疹
そば、えび、カニなどの食品アレルギーや汗や気温の変化やストレスなどが原因で生じます。
発疹はかゆみ以外に、チクチクとした痛みや、熱くなることもありますが、通常は発疹が現れてから24時間以内には治まります。
蕁麻疹とともにアナフィラキシーが生じることもあり、次の症状が見られる場合はすぐに救急車を呼びましょう。
● 意識がない
● 呼吸がしにくそう
● ぐったりしている
アトピー性皮膚炎
アレルゲンとアレルギー反応が起きることで発疹やかゆみが生じます。かゆみを繰り返し掻きむしることで、皮膚が傷つき炎症が慢性的化する傾向があります。
次の項目に該当する場合はアトピー性皮膚炎の疑いがあるので、一度病院を受診しましょう。アトピー性皮膚炎の治療はステロイド剤を使用します。
● かゆみがある
● 湿疹が左右対称にできている
● 乳幼児期に湿疹が2ヶ月以上続いている
● 乳幼児期以外に湿疹が6ヶ月以上続いている
おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)
下痢や汗が原因でおむつ内が蒸れると、お尻の皮膚のバリア機能が低下して、炎症や発疹が生じます。
肌あれがひどい場合は、洗剤やおしりふきを使わずにぬるま湯の座浴やシャワーできれいにしてあげてください。治療はステロイド剤や保湿剤などを使用します。
かゆみのある発疹が出たときのおうちケア方法
爪を短く
発疹を掻きむしると皮膚が傷つき、とびひなどの他の病気を引き起こしたり、治療にも時間がかかるので、爪を短く切ることで肌が傷つくことを予防することが大切です。
肌を清潔にする
汗をかいた後はシャワーで洗い流したり、濡れタオルで拭くことで肌を清潔にします。入浴する際は、刺激の少ない石鹸を泡立てて優しく洗い、ぬるめのシャワーで洗い流すとよいでしょう。
肌が乾燥するとかゆみが強くなることがあるので、特に乾燥しやすい冬場は部屋の温度は50〜60%程度に保ち、肌の保湿も行うことでかゆみの予防を心がけましょう。