子供の便秘症|原因や解消法、病院へ行く目安は?

子供の便秘症とは?

便秘症とは、排便がスムーズにできなかったり、排便の回数が少なかったりする状態です。便秘症が続くと、腹痛など日常生活に支障が出る場合もあります。

日本内科学会の定義では、便秘は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」で、日本消化器病学会の定義によると「排便困難や腹部膨満感など症状を伴う便通異常」とされています。

子供に以下のような症状がみられるときは、便秘症の可能性があります。

● 1週間の排便回数が3回未満
● トイレに行きたがらない
● お腹が張っていることが多い
● 便を出すときに痛がっている
● 食欲がない

子供の便秘症の原因とは?

子供が便秘症になる原因は、主に以下の2つが考えられます。

食事内容

野菜をほとんど食べず、お菓子や肉類などばかり食べる生活が続くと、便秘が起こりやすくなります。食物繊維が豊富な野菜やいも類を、しっかりと食べさせましょう。

また、水分の摂取量が少ない場合も便秘になりやすいため、以下の数値を目安に、こまめに水分を補給させてください。

<体重1kgあたりの1日必要水分量>
・乳児:約100〜150ml
・幼児:約80〜100ml
・学童:約60〜80ml

精神的なストレス

精神的なストレスを過剰に感じると腸の活動が低下し、便秘になることがあります。また、保育園や幼稚園、小学校などで人の目を気にしてトイレで排便できず、便秘につながることもあります。

子供が便秘になったときの解消法は?

子供の便秘を解消するには、毎日の食事内容や生活習慣を見直す必要があります。スムーズに排便できるようになるまでには時間がかかることが多いので、焦らずに続けることが大切です。

食物繊維を摂取する


食生活が原因で便秘が起きている場合は、食物繊維をしっかり摂るようにしましょう。食物繊維には水溶性食物繊維と非水溶性食物繊維と2種類あり、どちらの食物繊維もバランス良く食べる必要があります。
  
● 水溶性食物繊維
果物や昆布、わかめ、里いもなどに含まれている食物繊維で、摂取すると腸内環境が整い、腸が活発に動くようになるのでお通じが良くなります。ヨーグルトなどの乳製品も整腸作用がありますが、食べすぎると冷えたりお腹がゆるくなったりすることもあるため注意が必要です。

● 非水溶性食物繊維
穀類や野菜、豆類などに含まれている食物繊維で、摂取すると胃や腸で水分を吸収して膨らみ、その刺激で腸が活発に動くようになるのでお通じが良くなります。

体を動かし水分を取る

体を動かすと腸の活動が活発になりお通じがよくなります。体を動かすことが苦手な子は近所の散歩などから始めて、少しずつ距離を伸ばしていくのもいいでしょう。

体を動かすと汗をかくので、脱水症状にならないためにもいつも以上に水分をとることを意識しましょう。

精神的なケアを行う

精神的なストレスが原因で便秘になっている場合は、その原因を取り除きます。園や学校のトイレで排便できない場合は、毎朝登園・登校前にトイレへ行く習慣を身につけましょう。

お通じを良くするための薬もありますが、薬によっては腹痛が起きたり、飲み続けることで効き目が低下して便秘が再発したりすることもあるため、自己判断で薬を使用するのは控えましょう。

マッサージをする

赤ちゃんや小さい子供の便秘の解消法にはマッサージも効果的です。3~4本の指と手のひらでお腹に「の」の字を描くイメージで、おへそを中心にやさしくマッサージしましょう。

子供が便秘になったときの病院へ行く目安は?

子供の便秘が続いているとき、便秘以外に発熱や嘔吐という症状がない場合は、前述の解消法を試しながらしばらく様子を見ましょう。

しかし、以下のような症状が見られる場合は、診療時間内に一度病院を受診してください。

● 1週間以上便が出ていない
● 便秘が原因で食欲がない
● 生活習慣や食事内容を変更しても便秘が続く

子供の便秘症の予防方法は?

栄養バランスの整った食事と運動を行うことで腸の活動を活発にし、便秘を予防します。

また、子供と接する時間や睡眠時間を十分に確保して、日々のストレスを溜め込まないようにしてあげましょう。