子供の下痢|病院に行く目安や原因、対処法

子供が下痢をしたときに病院に行く目安は?

しばらく様子を見る

まず下痢以外にどんな症状が出ているのかをチェックしてください。下痢以外に明らかな症状がない場合はしばらく様子を見ます。

嘔吐や発熱をともなっていても、元気があって水分補給ができていれば、通常の診療時間を待って受診すると良いでしょう。

病院へ行く

下痢とともに次のような症状が見られる場合は、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診サービスを利用してください。

● 腹痛をともない、嘔吐を繰り返す
● 便に血が混ざっている
● 元気がなく、ぐったりしている
● 38.5度以上の発熱がみられる
● 水分補給ができておらず、口の中が乾いている、おしっこが出ていない

1歳未満の赤ちゃんが白色の下痢をしている場合はウイルス性胃腸炎の可能性が高いため、すぐに受診しましょう。また、生後3ヶ月未満の赤ちゃんで38度以上の熱が出ているときも、すぐに受診してください。自己判断で解熱剤を使うのはやめましょう。

子供が下痢になる原因は?嘔吐がない場合は?

子供の下痢の原因はウイルスや細菌であることが多く、その場合は下痢以外に発熱の症状もみられます。また、ウイルス性胃腸炎では嘔吐の症状も出ますが、細菌性胃腸炎では嘔吐がないこともあります。

ウイルスや細菌ではない原因によって下痢が起こることもあるため、以下を参考にどんな症状が出ているかよくチェックしてみてください。

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎はノロウイルスやロタウイルスといったウイルスが口から体内に侵入することで感染する病気です。下痢の他に嘔吐や発熱といった症状が見られることがあります。

ウイルスによっては、下痢中のウイルスが原因で二次感染が生じることがあります。そのため、下痢のついたおむつやパンツを処理した後は石鹸を泡立てて手洗いを行い、下痢がついた衣類やタオルは塩素系漂白剤を薄めた消毒液で消毒した後に洗濯することで二次感染を予防しましょう。

細菌性胃腸炎

細菌性胃腸炎はカンピロバクターやサルモネラといった細菌が食物などを介して体内に侵入して感染する病気で一般的に「胃腸炎」と呼ばれます。感染した場合には下痢や発熱の症状がみられ、血便を伴うこともあります。嘔吐は原因菌によって起こる場合とそうでない場合があります。

乳糖不耐症

乳糖不耐症は牛乳などの乳製品に含まれる乳糖を消化・吸収することができずに下痢を引き起こす病気です。乳製品を食べた後に下痢が生じたり、胃腸炎が治った後も1週間以上下痢が続く場合は乳糖不耐症の疑いがあるので、一度病院を受診し医師に検査してもらいましょう。

食物アレルギー

特定の食べ物に対するアレルギーを持っている子供が該当する食べ物を食べた場合にアレルギー反応が起こり、下痢が生じることがあります。下痢以外のアレルギー症状としては湿疹や嘔吐、充血などがあり、原因の食べ物を食べてから2時間以内に症状が出ることが一般的です。

その他

食べ物を食べすぎたり、水分を取りすぎた場合に腸の運動が活発になることで、腸で吸収できる量が少なくなり下痢が生じます。また、冷たすぎる飲食物を摂取した場合や疲労やストレスが原因で腸の運動が低下し下痢になることもあるので注意が必要です。

子供の下痢の診断方法は?

前述のように子供の下痢の原因は、ウイルスや細菌であることがほとんどです。受診時には診察に加え、まわりで流行している感染症はないかなどを確認して診断をします。

冬から春の流行期に、嘔吐から始まった後に下痢が続く場合は、ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が疑われます。

下痢と発熱のみで嘔吐の症状がなく、さらに血便がある場合は、細菌性胃腸炎が疑われます。

子供の下痢の治療方法は?

下痢の原因が感染症であれば、基本的には体からウイルスや細菌が体から出ていくのを待つしかありません。ただし、下痢や嘔吐の症状がひどく脱水症状が起きている場合は、病院で点滴をします。

また、嘔吐の症状が強い場合は、吐き気止めが処方されます。用量・用法を守って服用しましょう。

子供が下痢になったときの対処法は?

下痢が起きたときの自宅での対処法には、以下のような方法があります。

水分補給をする

下痢が続くと体内の水分が不足して脱水症状になることもあります。そのため、水分と塩分を同時に取れる経口補水液などをこまめに補給して脱水症状にならないようにしましょう。

冷えた飲み物を飲むと、さらに下痢が悪化してしまうこともあるので、常温の飲み物がおすすめです。

栄養補給をする

下痢をしているときは無理に食事を摂る必要はありません。食事を取れるくらいに体力が回復したら、うどんやおかゆのような消化の良い食べ物から食べ始めるのがおすすめです。

体を清潔にする

下痢がついたところをそのままにしておくと、かぶれの原因になります。便をしたあとは、できるだけ毎回温かいシャワーや座浴できれいに洗い、おしりを清潔な状態に維持しましょう。

下痢止めの服用について

ウイルスや細菌が原因の場合は、下痢止めを服用することでウイルスの排出を妨げてしまい、逆に回復までに時間がかかることもあります。そのため、子供が下痢になったからといって自己判断で下痢止めを飲ませることはやめましょう。

子供の下痢を予防するには?

ウイルスが原因で下痢が生じている場合は、下痢が始まってからの一定期間は学校へ行けないこともあります。そのため、下痢にならないように、日々手洗い・うがいや食べ物を十分に加熱することで感染予防に努めましょう。