新生児がミルクを吐く|対処法、病院へ行く目安、原因と考えられる病気

病院へ行く目安

しばらく様子を見る

ミルクを吐いたのは一度だけで、吐いたあとはスッキリして元気ならば、受診の必要はないでしょう。消化不良による嘔吐の場合は、消化不良を引き起こした食物がそのまま出てくるので分かりやすく、吐いたあとは吐き気も治まります。

診療時間内に受診する

嘔吐が一度で治まらず、38度以上の発熱があって、鼻水や咳などほかの症状も現れて機嫌が悪いようなら、かかりつけの病院を受診しましょう。

すぐに病院へ行く

以下のような症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診を利用するとよいでしょう。とくに生後3ヶ月未満の乳児で38度以上の発熱がある場合は迅速な対応が不可欠です。救急車を呼ぶべきか判断がつかないときは、小児救急電話相談(#8000)に連絡しましょう。

●嘔吐を繰り返す
●吐いたあとに高熱が出た
●意識障害があり、呼びかけに反応しない
●呼吸が苦しそうで、顔色も悪い
●痙攣を起こしている
●半日以上おしっこがでていない

さらに、以下の症状も見られるようなら救急車を呼びましょう。

●頭を強く打ったあとで嘔吐した
●40度以上の高熱がある

新生児がミルクを吐く原因は?

新生児がミルクを吐く原因としては、ミルクの量が多い、ゲップ不足などの生理的な要因と、病気が潜んでいる場合が考えられます。

ミルクの量が多い

「満腹感」が分からない新生児は、ミルクを飲み過ぎてしまうことがあります。また母乳の出る勢いが強い場合は、飲み込むタイミングが合わずむせて吐いてしまうこともあります。

ゲップが不十分

赤ちゃんはミルクを飲みながら空気も吸い込んでいますが、まだ胃の筋力が弱いために自力で空気を吐き出すことができません。そのため、胃の中の空気が食道から口へ逆流してミルクも吐いてしまうことがあります。この場合は、授乳後にしっかりゲップをさせることで、ミルクを吐き出すことも少なくなっていきます。

新生児がミルクを吐く場合に考えられる病気

ミルクを噴水のように勢いよく、大量に吐いた時には「肥厚性幽門狭窄症」という消化器系の病気である可能性が高く、注意が必要です。

胃の出口の筋肉(幽門筋)が分厚くなることで胃の出口が狭まり、ミルクが胃に留まることで起こります。噴水のように勢いよく大量に吐き出してしまうため、空腹から赤ちゃんはすぐにミルクを欲しがりますが、飲んだあとに吐くことを繰り返すので、次第にぐったりすることもあります。

肥厚性幽門狭窄症は、症状によって手術が必要な場合もあるので、早めに病院を受診しましょう。

新生児がミルクを吐いたときの対処法は?

落ち着かせてから着替えを

吐いたときは、口のまわりをきれいに拭き、たて抱きの姿勢でしばらく抱いて落ち着かせます。そのあと、シャワーを浴びさせるか温かい濡れタオルで体を拭き、清潔な衣類に着替えさせましょう。

少しずつ水分補給する

吐いたあと1時間ほどは水分を与えずに様子を見ます。落ち着いてきたら、スプーン1杯程度の赤ちゃん用経口補水液を10分おきくらいに与えましょう。さらに1〜2時間ほど様子を見て、大丈夫そうであればミルクをいつもの半分量与え、徐々に増やしていきましょう。

横向きに寝かせる

吐いたものが喉に詰まって窒息するのを防ぐため、吐き気が治まったら、頭と背中が一直線になるように丸めたタオルなどで支えて横向きに寝かせましょう。

頻繁に嘔吐する場合は感染対策を

頻繁に吐く場合はウイルスや細菌による胃腸炎の可能性も考えられるので、家族間の感染を防ぐために、吐瀉物や唾液には直接触れないように気をつけましょう。汚れた服やタオルは分けて洗濯し、こまめな手洗いやうがいを徹底しましょう。

母乳のあげ方を工夫する

母乳の勢いが良い場合は、授乳前に搾乳を行うことで、赤ちゃんが飲む時には丁度いい勢いで出るようになります。また、飲み終わったら縦抱きにして背中を軽くトントンと叩くことでげっぷを出してあげるようにしましょう。