赤ちゃんの熱|病院へ行く目安や対処法

発熱とは?

1歳頃までの赤ちゃんの平熱は、36.5~37.5度が平均です。赤ちゃんが発熱したと判断するのは、基本的に37.5度を超えた場合です。

ただし、平熱には個人差があるため、36.5度に近い赤ちゃんもいれば、37.5度に近い赤ちゃんもいます。そのため、平熱よりも1度以上体温が高い場合は発熱していると考えるようにしましょう。

赤ちゃんは生後5~6ヶ月頃までは母親からもらった免疫が働いているため、生後3ヶ月未満で熱を出すことはほとんどありません。新生児や生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38度を超える熱を出した場合は注意が必要です。

赤ちゃんの発熱で病院へ行く目安

しばらく様子を見る

赤ちゃんに38度以上の発熱がみられても、普段どおり元気で食欲があれば、しばらくは自宅で様子を見ましょう。翌朝になっても熱が続くようなら、診療時間内に一度病院を受診してください。

すぐに病院へ行く

万が一、次のような症状が出ているときは、すぐに救急病院を受診するか、往診サービスを利用しましょう。

● 生後3ヶ月未満で38度以上の発熱がある
● 声をかけても反応しない
● 顔色が青く、呼吸が苦しそう
● うとうとして、すぐに眠ってしまう
● 嘔吐や下痢が激しく、尿が出にくくなっている
● 水分が摂れておらず、脱水症状がでている

赤ちゃんが熱がある時の対処法は?

手足が冷たい時

まだ熱が上がりきっていない状態なので、体を冷やさないように厚着にしたり布団を重ねたりして体を温めてあげましょう。

手足が温かい時

熱が上がりきって汗をかきはじめるので、体から熱を出すために薄着にさせましょう。汗をかいたら、こまめに拭いたり下着を替えてあげるといいでしょう。

脇や首の後ろを冷やす

熱を下げたいときには、太い血管が通っている脇・首の後ろ・ひざの裏・太ももを冷やしてあげると効果的です。

冷やすことで冷たい血液を全身にめぐらせ、効率よく熱を下げる効果がありますが、急に冷やすと赤ちゃんがびっくりしてしまうので、様子をみながら少しずつ冷やすようにしましょう。

こまめに水分補給をする

熱が高くなると汗をたくさんかくため、こまめに母乳やミルクを飲ませて脱水症状にならないように気をつけてください。月齢や離乳食の進み具合では、湯ざましや麦茶、赤ちゃん用イオン飲料などを少量ずつ飲ませるのもいいでしょう。

離乳食がはじまっている赤ちゃんは、食欲がないようなら無理に食事をする必要はありませんが、食べられそうなときはいつもより消化の良い食事を与えてください。

赤ちゃんの発熱で考えられる原因の病気は?

赤ちゃんの38度以上の発熱が1~2日続き、3~4日で下がる場合は、一般的な風邪であることがほとんどですが、それ以上熱が長引くときは、以下のような病気にかかっている可能性も考えられます。

RSウイルス感染症

RSウイルスというウイルスが、呼吸器系に感染して発熱や咳、鼻水などの症状が出る病気です。生後6ヶ月以下の赤ちゃんがかかると重症化し、入院が必要なこともあります。

突発性発疹

生後6ヶ月から2歳くらいの間にかかることが多く、38度以上の高熱が3~4日続いた後、お腹や背中に発疹が出ます。発熱しても赤ちゃん本人は機嫌がよく、母乳やミルクも問題なく飲めることが多いのが特徴です。

肺炎

ウイルスや細菌などに感染して起こる、肺の炎症です。赤ちゃんの場合は重症化しやすいので、呼吸がはやい、全身を使った呼吸をする、ぐったりするといった呼吸困難の症状が出ていたら、すぐに病院を受診しましょう。

髄膜炎

生後4ヶ月~5歳で発病しやすい病気です。発熱や嘔吐、意識がもうろうとする、けいれんが起こるなどの症状が見られますが、症状の重さには個人差があります。

脳に障害を起こし後遺症が残ることもあるため、発熱だけでなく普段と様子が違うと感じたら、早めに病院を受診してください。

インフルエンザ

毎年世界中で流行する感染症で、急に38~40度の高熱が出て全身のだるさや頭痛といった症状があらわれます。

熱は2~3日で下がることが多いですが、5日ほど下がらないこともあります。乳幼児は肺炎や脳症を伴うこともあるため、経過を注意して観察してください。

赤ちゃんが熱がある時の自宅でのケア方法は?

赤ちゃんが発熱したときはできるだけ安静にして、こまめな水分補給を心がけましょう。熱は何度くらいの間で上がり下がりしているか、機嫌は悪くないか、呼吸がはやくないかなどをチェックし、気づいたことをメモしておくと、受診時に医師が診断しやすくなります。

夜寝ている間に汗をかいたり喉が渇いたりして起きて、いつもより睡眠がとれないこともあるので、いつもより昼寝を多めにさせて体力を温存させてあげることも大切です。