インフルエンザワクチンとは?
インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」なので、ウイルスの感染を100%防ぐことはできませんが、感染時の重症化を予防することはできます。
国内の報告によると、ワクチンの接種によって、A型の約60%、B型の約40%を予防でき、子供の入院はA型で約50%、B型で約30%減らすことができるといわれています。
インフルエンザワクチンで副作用(副反応)が起こる確率は?
前述の通り、インフルエンザのワクチンは不活化ワクチンです。得られる免疫力は少ないですが、そのぶん副作用が少ないというメリットがあります。
ただし、副作用が全くないというわけではなく、特に0~9歳の子供は、大人に比べると副作用が起こりすいといわれています。インフルエンザワクチンの副作用全体の約25~30%が、この年齢で起こっています。
インフルエンザワクチンで副作用(副反応)の症状は?
インフルエンザの予防接種後に起こる副作用には、以下のような症状があります。
軽度の副作用
● 発熱
● 注射部位の痛み
発熱は特に子供に多くみられる症状です。接種してから6~12時間後に発熱し、1~2日間続くこともあります。
また、注射をした場所が痛む、赤みを帯びる、腫れるといった症状が出ることもあります。日常生活に影響するほどではなく、ほとんどは2〜3日で治ります。
重度の副作用
● アレルギー反応
● ギランバレー症候群
インフルエンザワクチンには卵由来の成分がごく微量含まれているため、卵アレルギーの人は、蕁麻疹や湿疹といったアナフィラキシー反応が出ることがあります。
ギランバレー症候群は、感染症にかかった後に発症する体に麻痺を起こす病気です。インフルエンザワクチンの接種によって、100万人に1~2人程度の割合で、ギランバレー症候群の患者が増える可能性があるといわれていますが、はっきりとした因果関係は明らかではありません。
インフルエンザワクチンで副作用(副反応)が出たときの対処法は?
予防接種後に副作用が起きたときは、症状によって対処法が異なります。
予防接種の副作用は、基本的には1~2日で自然に治まっていくことがほとんどです。インフルエンザワクチン接種後に子供や赤ちゃんが発熱したときは、脱水症状にならないように、こまめに水分補給を行いましょう。
万が一、意識の低下や痙攣、あざが増える、鼻出血や歯肉出血が続くといった重篤な副作用が起きた場合は、すぐに病院を受診してください。重篤な症状かどうか見極めるのが難しいときは、接種した病院や小児科に問い合わせたり、小児救急電話相談に電話したりしましょう。
また、発熱が3〜4日続いたり、接種した腕の上部から肘を超えて強い腫れが広がるようなときも、予防接種を受けた病院・小児科に相談しましょう。
インフルエンザワクチンの副作用(副反応)で注意することは?
インフルエンザの予防接種後に重い副作用が起きることもあるため、接種を受けた後30分ほどは病院内で安静にしておくと安心です。帰宅する場合は、副作用が起きたらすぐに病院へ連絡をとれるようにしておいてください。
インフルエンザワクチンの副作用は、接種後24時間以内に起こることが多いとされています。接種した翌日までは、いつもと違った様子がないかよくチェックするようにしましょう。
予防接種をした日は、激しい運動は控えましょう。発熱などの症状がなければ、お風呂に入ることはできます。ただし、注射部位をこすったりゴシゴシ洗ったりしないように注意してください。