ぶどう膜炎とは?
目の中のぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜の3つからなるもの)の一部、または全体が炎症を起こす病気です。一度ぶどう膜炎が発症すると、数ヶ月〜数年治療を行うことが多く、生涯付き合って行かなければいけない場合もあります。
ぶどう膜炎は主に大人がかかる病気で、子供が発症する確率は約8%以下とあまり多くありませんが、子供がかかると気づきにくく、失明する可能性もあるため注意してあげましょう。
ぶどう膜炎の原因は?
ぶどう膜炎の主な原因としては、次のような病気があげられますが、患者のうち約3割程度は原因がわかっていません。
自己免疫疾患
免疫系に異常が生じて、自分の目の成分の一部を異物として認識して免疫反応が起こることにより目の中で炎症が起きることがあります。
2009年の日本眼炎症学会によると、日本のぶどう膜炎の原因には次の様な全身の免疫異常が多いとされています。
● サルコイドーシス
● 原田病
● ベーチェット病
細菌・ウイルス感染
トキソプラズマなどの寄生虫やウイルス、細菌、真菌などに感染が原因でぶどう膜炎が発症することがあります。
その他
子供の関節リュウマチである「若年性特発性関節炎」はぶどう膜のうち虹彩に起きる炎症の原因として認められますが、原因は詳しくはわかっていません。
病気以外にもストレスや過労などの疲れが原因の可能性もあるとされています。
ぶどう膜炎で現れる症状は?
次のような症状が片目だけのときもあれば両目にでるなど様々なタイプで現れます。
症状を放置しておくと白内障や緑内障、網膜剥離などの合併症を起こし、最悪失明に繋がるので、以下の症状に該当する場合は、一度かかりつけ病院を受診するようにしましょう。
● 目の充血、痛み
● 視力の低下
● 目のかすみ(霧視)
● 小バエが飛んでいるように見える(飛蚊症)
● 眩しい(羞明感)
ぶどう膜炎の検査方法は?
問診や一般的な眼科検査、網膜断面構造解析、血液検査、胸部レントゲン検査、ツベルクリン反応検査など様々な検査を行い総合的に判断を行います。
ぶどう膜炎の原因が全身の免疫異常であることが多く、それらの病気の可能性まで調べるために、様々な検査を行う必要があります。
ぶどう膜炎の治療方法
原因が細菌やウイルスの感染である場合は、それぞれに効果的な薬を点眼することにより治療を行いますが、自己免疫疾患や症状が重いときは、ステロイド剤や免疫抑制剤を全身に投与することで症状を緩和させます。
なお、白内障や緑内障など薬での治療が難しい場合は手術を行うこともあります。
ぶどう膜炎の予防方法は?
原因が明らかになっていないため、完全に予防を行うことは難しい病気です。
ぶどう膜炎は長期的な治療が必要な病気なので、一度病気を発症したら再発を予防するために、定期的に通院を行い、自己判断で薬の使用をやめることは控えましょう。
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