ジフテリアとは|原因や症状、感染経路、検査、治療法

ジフテリアとは?

ジフテリア菌が口や喉に感染することで気道に炎症が生じる感染症です。ジフテリア菌が産生する毒素が心臓の筋肉や神経まで作用すると不整脈や、心不全などの症状を引き起こし死に至ることがあります。

1945年には約1万人ほどがジフテリアによって死亡したと報告されていますが、現在は予防接種の普及により、感染者は確認されていません。

ジフテリアの感染経路は?

感染した人の咳やくしゃみによる飛沫を直接吸い込むことで感染する飛沫感染と、感染した人の飛沫が手についたまま鼻や口を触ることで感染する接触感染によって感染が広がります。

ジフテリアで現れる症状は?

発熱や咳、喉の痛みなど風に似た症状が現れます。そして、ジフテリア菌が感染した部位によって現れる症状が異なります。

鼻ジフテリア

ジフテリア菌が鼻粘膜に感染した場合は血が混じった鼻水が出たり、唇が赤くただれることがあります。

咽頭ジフテリア

ジフテリア菌が喉に感染すると、「ケンケン」といった犬に似た鳴き声のような咳が出て発熱を伴う「クループ」と呼ばれる病気が起きることがあります。

喉の炎症がひどく、膿が偽膜と呼ばれる膜を形成して気道を塞いだときは、呼吸困難になることもあるので注意が必要です。

ジフテリア菌が喉に感染した場合は、ジフテリア菌の発生する毒素によって神経麻痺や心筋炎など命に関わる症状に注意が必要です。

発熱があり、「ケンケン」という咳が続く、呼吸が苦しい状態が続く場合には、一度病院を受診するようにしましょう。

ジフテリアの検査方法は?

過去にジフテリアの予防接種を受けたことがあるかどうかを確認します。

予防接種を受けておらず、鼻水や喉の痛み、全身のだるさ、喉に偽膜が形成されている場合は、喉の粘膜や偽膜の組織を採取してジフテリア菌が含まれているかの確認を行います。

ジフテリアの治療方法は?

ジフテリアは症状が悪化するスピードがとても早いため、感染が認められると早急に完治するまでは入院して治療を行う必要があります。

ジフテリアの毒素を中和するためにジフテリア血清を筋肉や静脈に注射し、ペニシリン系やマクロライド系の抗生物質をジフテリア菌が死滅するまで服用します。

ジフテリアの予防方法は?

ジフテリアの予防接種を行うことで約95%のジフテリア感染を防ぐことができると言われています。

ジフテリアのワクチンが含まれている「四種混合ワクチン」は定期接種に含まれており、生後3ヶ月〜7歳6ヶ月未満のうちに4回受ける必要があります。

定期接種は法律に従って自治体が実施しているので無料で受けることができます。十分な抗体を作るためにも4回必ず受けるようにしましょう。