RSウイルスとは|原因や症状、感染経路、検査、治療法

RSウイルスとは?

RSウイルスとは(respiratory syncytial virus)といい、呼吸器に感染することで咳や鼻水、発熱などを引き起こします。主に冬に流行することが多いとされていましたが、近年は一年を通して感染する可能性がある病気です。

2歳までにはほぼ100%の子供がRSウイルスに感染するといわれていますが、RSウイルスは一度免疫を獲得しても何度も感染するタイプのウイルスであるため、子供だけでなく大人もRSウイルスに感染する可能性があります。

RSウイルスの感染経路は?

感染者の唾液やくしゃみによる飛沫を直接吸い込む事による飛沫感染や、飛沫が付着したドアノブなどを触った手で鼻や口を触ることで感染する接触感染が原因で感染が広がります。

RSウイルスで現れる症状は?

RSウイルスに感染すると鼻水や咳、くしゃみ、発熱などが生じます。RSウイルスに感染しても、大半は軽症で済むことが多いのですが、1週間程度経っても咳が治まらない場合や、「ゼーゼー」と呼吸が苦しそうな場合は、肺炎などの病気へと進展する可能性があるため、一度病院を受診してください。

特に生後数ヶ月までの乳児期早期にRSウイルスに感染すると、重篤な症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

RSウイルスの検査方法は?

RSウイルスの感染を検査するためには、感染者の鼻のなかの組織を検体として採取して検査を行います。検体の採取方法は次の2通りがあります。

● 鼻腔拭い液 : 綿棒を鼻の奥に挿入することで鼻粘膜を採取する
● 鼻腔吸引液 : チューブを使用して鼻水を吸引する

「ゼーゼー」と明らかな呼吸困難の症状が見られるときは、血液検査や胸部のレントゲン検査を行い細菌の二次感染がないかどうか、肺炎などの病気へと進行していないかなどを確認します。

RSウイルスの治療方法は?

RSウイルスに対して効果的な治療法は存在していないため、症状を緩和させる対症療法を行い、自然に症状が回復するのを待ちます。

ただし、呼吸困難な症状が見られる場合は入院して酸素吸入や点滴などの治療が行われることがあります。

RSウイルスの予防方法は?

RSウイルスは主に飛沫感染と接触感染により広がるため、RSウイルスを予防するためには手洗い・うがいをこまめに行いましょう。外出する際にはマスクを使用することも予防の上では効果的です。

またRSウイルスはアルコールに弱いため、ドアノブや机、おもちゃなど日常的によく触る箇所を定期的にアルコール消毒することも、感染を予防する上で大切です。