腸閉塞とは?
腸閉塞は別名「イレウス」と呼ばれており、様々な原因で腸がふさがってしまい、食べ物や飲み物、ガスなどが通過しないようになってしまう病気です。
腸閉塞は急激な腹痛を伴う病気の中で、虫垂炎の次に発症件数が多いといわれ、大人だけでなく、生まれたばかりの子供にも発症する可能性があります。
腸閉塞の原因は?
腸閉塞の原因は機械的閉塞と機能的閉塞の2種類があり、それぞれ原因が異なります。
機械的閉塞(腸の形が原因で起こる閉塞)
がんや誤飲した異物などが詰まることや、手術の後に腸管が癒着することで腸が詰まり、腸閉塞を引き起こします。機械的閉塞の割合は腸閉塞の原因のうち90%を占めます。
機能的閉塞(腸の動きが原因で起こる閉塞)
腸管の一部もしくは広範囲がけいれんを引き起こしたり、腸管が麻痺すると腸管の動きが止まるために内容物の流れが止まってしまいます。
腸閉塞で現れる症状は?
腸管が閉塞すると内容物が動かなくなるため、急激な腹痛、吐き気、嘔吐、腹部の膨満が見られます。
閉塞の症状がひどい場合は、血流が途絶えることによりい腸管が壊死して、穴が空くことによるショック症状などが見られることがあり、緊急手術を行う必要があるため、すぐに病院を受診しましょう。
ショック症状が見られなくても、急激な腹痛などを数日感じる場合は、早めに病院を受診しましょう。
腸閉塞の検査方法は?
まずは症状を聞く問診と、実際に腹部の膨らみなどを触診することで症状を確認します。問診や触診で腸閉塞が疑われた場合は、血液検査と腹部超音波検査や腹部レントゲン検査を行うことで診断を行います。
上記の検査を行い、腸閉塞の可能性が高いときは、より正確検査を行うために腹部CT検査を行うこともあります。
腸閉塞の治療方法は?
腸閉塞の症状の重さによって、治療内容は異なります。医師により症状が軽いと判断された場合は、絶食と点滴を行うことで症状が緩和されるかを確認します。
症状が緩和されない場合は、腸内の内容物を取り除くことを行いますが、万が一内容物を取り除いても症状が改善されないときは、手術を行います。意識障害やショック症状が出ている場合は、すぐに手術を行う必要があります。
腸閉塞の予防方法は?
腸閉塞には様々な原因があるため、一般的な予防法はありませんが、便秘が続いて腸の動きが低下すると、腸閉塞になる可能性があるため、便秘にならないように適度な運動とバランスの取れた食事、水分をこまめに補給することが大切です。
また、一度開腹手術を行っている場合は腸が癒着することで腸閉塞を発症する場合があるため、少しでも様子がおかしい場合はすぐに病院を受診しましょう。