子供の発疹の種類は?
皮膚に出るさまざまな吹き出物やブツブツの総称を「発疹」といいます。
発疹にはさまざまな種類があり、以下のように形状や色、出る場所、かゆみのあり・なしなどが違います。
発疹の形状
- ● 水疱(みずぶくれ):発疹の内部に水溶性の内容物を含んでいて、水疱瘡などでよく見られます。つぶしたり引っかいたりすると、中から水分が出てくることもあります。
- ● 丘疹:皮膚が小さく盛り上がった形の発疹です。蚊に刺されたときの跡などが、これにあたります。
- ● 膨疹:蕁麻疹に代表されるように皮膚がやわらかく盛り上がった状態の発疹です。
- ● 斑:皮膚が盛り上がることはなく、一部の範囲で皮が紅色や紫色に変化した状態です。
発疹の色
赤、茶、黒、紫などに変化することもありますが、ほとんど色の変化がないケースもあります。
発疹が出る場所
顔、お腹、手、足など、体の一部にだけ発疹が出ることもあれば、全身に現れることもあります。
発疹のかゆみ・痛みの有無
かゆみや痛みがある発疹もありますが、かゆみも痛みも感じない発疹もあります。
発疹以外の症状
発疹の他に発熱や鼻水、咳といった風邪に似た症状や、関節痛のような体の痛みを伴うこともあります。
次からは、子供の発熱後に発疹が出たときに疑われる病気や対処法などについてご説明します。
子供の発熱後に発疹が出た場合に疑われる病気は?
子供の発熱後に発疹が出た場合、主な原因はウイルスや細菌の感染です。疑われる病気には次のようなものがあります。
麻疹(はしか)
発熱や咳、くしゃみなどの症状が出た数日後に、口内に白い斑点が生じます。熱は一度下がりますが、数日後に再び発熱し、高熱とともに全身に大きな発疹が出ることが特徴です。
発疹はかゆみがあり、大きくなる場合もありますが、通常は発熱後7〜8日ほどで治まります。まれに重症化して、肺炎などを引き起こすことがあるので注意しましょう。
麻疹の発疹の特徴まとめ
- ● 発熱後、全身に大きな発疹が出る
- ● 発疹にはかゆみがある
- ● 発熱後7〜8日ほどでおさまる
風疹
発熱や咳といった風邪の症状とともに、赤く小さな発疹が全身に出ます。かゆみはないか、あったとしても弱く、通常3〜4日で症状が治まります。発疹が大きくなることはありません。
風疹の発疹の特徴まとめ
- ● 発熱や咳などとともに発疹が出る
- ● 発疹は全身に出る
- ● 発疹は赤く小さい
- ● かゆみはないか、あっても弱い
- ● 3〜4日ほどでおさまる
水疱瘡(水痘)
発熱や頭痛の症状が出た後に、赤い発疹が顔や体、まれに頭や口の中に出て全身へと広がります。
発疹は次第に水ぶくれのような状態になり、その後2〜3日でかさぶたになって、かさぶたが取れるとともに治ります。水疱瘡の発疹にはかゆみがあるため、掻きむしらないように注意が必要です。
水疱瘡の発疹の特徴まとめ
- ● 発熱や頭痛の後に赤い発疹が出る
- ● 発疹は顔や体から全身に広がる。まれに頭や口の中にも出る
- ● 発疹にはかゆみがある
- ● 次第に水ぶくれのようになり、2〜3日でかさぶたになる
- ● かさぶたが取れるとなおる
溶連菌感染症
38〜40度の発熱や喉の痛みなどが見られた後、喉が赤くなり、舌にイチゴのようなブツブツの小さな赤い発疹が見られることがあります。
通常1週間で症状が治まり、発熱から3〜4週間後には脇や手の指の皮膚がむけることがありますが、基本的に元に戻ります。
溶連菌の発疹の特徴まとめ
- ● 発熱や喉の痛みの後、発疹が出る
- ● 発疹は舌に現れる
- ● 発疹はいちごのように小さなブツブツで、赤い
- ● 1週間ほどで症状がおさまる
突発性発疹
突然の高熱とともに喉の腫れや下痢が生じます。発熱が3〜4日程度で下がると同時に、小さな発疹が首や体に生じることが特徴です。
発疹はかゆみがありますが、あまり強くありません。生後6ヶ月から1歳半までに起こることがほとんどです。
突発性発疹の発疹の特徴まとめ
- ● 発熱後、小さな発疹が首や体に出る
- ● 発疹はかゆみがあるが、あまり強くない
- ● 生後6ヶ月〜1歳半までに起こることがほとんど
子供の発熱後の発疹で病院へ行く目安は?
しばらく様子を見る
発熱後、発疹以外に明らかな症状がなく、発疹が体の1ヶ所だけの場合は、しばらく様子を見てもいいでしょう。
ただ、かゆみがあったり発疹が数日続いたりしている場合は、診療時間内に受診することをおすすめします。
すぐに病院へ行く
発熱後、発疹の他に以下のような症状が出ている場合は、すぐに病院へ行きましょう。夜間や休日であれば救急病院や往診サービスを利用してください。
- ● 呼吸が苦しそうで、ぐったりしている
- ● 全身に発疹が出て、かゆみがある
- ● かゆみがひどく、寝ることができない
- ● 血便が出ている
発熱の後に発疹が出たときの対処法は?
患部を冷やす
発疹にかゆみがあるときはタオルや保冷剤を使って患部を冷やし、掻きむしらないようにしてください。掻きむしることで患部が傷つき、発疹が全身へとひろがる可能性があります。
保冷剤を使う場合、直接肌に当てると凍傷になる可能性もあるので、タオルやガーゼで包みましょう。
患部をきれいにする
患部が汚れていると感染のリスクが高まるため、患部は常にきれいにしておきましょう。発疹の部分を掻きむしってしまったときは、特に注意が必要です。
かゆみや痛みがあり、程度が強くなっているときは、入浴を避けてシャワーだけで済ませるようにしましょう。
薬は自己判断で使用しない
薬は発疹の原因に合わせて使用する必要があります。以前発疹やかゆみがあって受診して、ステロイド剤などを処方されていたとしても、自己判断で再度使用することは避けましょう。一度医師に相談してください。
爪を短くする
爪が長いとかゆみがあって掻きむしったときに発疹を潰してしまい、治るまでに時間がかかることになります。日頃から爪を短く手入れしておくことも大切です。
子供の発疹を予防する方法は?
感染症を予防する
発疹は主にウイルスや細菌に感染することで生じるため、日頃から手洗いうがいをこまめに行って感染を予防することが大切です。
乾燥を予防する
喉が乾燥しているとウイルスに感染しやすくなり、発疹もできやすくなります。特に冬場は乾燥しやすいので、加湿器や濡れタオルを利用して部屋の湿度を維持するといいでしょう。外出する際はマスクを利用することも、ウイルスの侵入や乾燥を防ぐ上で効果的です。