ノロウイルスの検査|検査を受けるタイミングや方法は?

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは主に12月〜1月の冬季に流行する傾向があるウイルスで、感染すると嘔吐・下痢・腹痛・発熱などを生じますが、2〜3日程度で症状が治まります。

感染後12〜48時間程度は無症状の期間がありますが、感染してから4週間程度は感染者の糞便や嘔吐中にウイルスを排出し続けます。

ノロウイルスは少数のウイルスでも感染を引き起こすほど感染力が強いので、しばしば保育園や小学校など人が集まる場所で大流行することがあります。

ノロウイルスの検査を受ける必要はあるの?

ノロウイルスには特効薬がなく、治療は主に対症療法になるため、検査を受ける必要があるかどうかは医師によっても意見が分かれます。

ノロウイルスは感染力がとても強いため、早期に検査を行うことで感染の拡大を防ぐことができます。小さな子供の場合は嘔吐や下痢を繰り返すことで脱水症状が生じるなどの重症化することもあるので、早期発見を行うために検査を受ける意味はあるといえるでしょう。

ノロウイルスの検査を受けるタイミングは?

冬季に嘔吐や下痢というような、ノロウイルスと疑わしい症状が見られたら一度病院を受診しましょう。医師の判断で検査が行われます。

糞便中には4週間程度もウイルスが排出されるので、二次感染を予防するためにも検査を行うことは大切です。

ノロウイルスの検査方法は?

検査方法は、「ノロウイルス抗原検査」と「電子顕微鏡などを利用した検査」の2種類に分けられます。

ノロウイルス抗原検査

「ノロウイルス抗原検査キット」を利用して便中のウイルスを検出します。正確性が少し低いという欠点はありますが、15分程度で結果がわかるので一般的に使用されます。

検査は通常病院で行う必要がありますが、往診を利用して自宅で受けることも可能です。

電子顕微鏡などを利用した検査

ノロウイルスの集団感染が生じた時に、原因究明の為に行政などが実施する方法で、電子顕微鏡以外にも、RT-PCR法、リアルタイムPCR法などで遺伝子を増幅させてウイルスに感染しているか判断します。

糞便や嘔吐物を利用した正確性の高い検査ですが、検査結果が出るまで1〜2日程度かかります。

ノロウイルスの検査費用は?

ノロウイルスの検査は基本的には実費負担ですが、3歳未満や65歳以上の場合は保険が適用されます。

抗原検査キットで保険適用の場合、費用は数百〜2,000円、保険適用外の場合は2,000〜5,000円程度です。

ノロウイルスのホームケアは?


ノロウイルスに効果的なウイルス剤はなく、症状も2〜3日で治まるので、対症療法を行います。

嘔吐や下痢によって体からウイルスを排出しているので、吐き気止めや下痢止めは一般的にあまり使用しません。

水分・栄養補給を行う

嘔吐や下痢が起きると普段よりも脱水症状が起きやすいため、要望するためにできるだけこまめに水分を補給するようにします。

飲み物は経口補水液のような水分と塩分を一緒に取ることができるものがおすすめですが、半日以上おしっこが出ていない場合は、脱水症状を起こしていると考えられるので注意が必要です。

また、無理に食事をする必要はありませんが、食べられるようなら消化の良いお粥やバナナなどがおすすめです。

休息をとる

できるだけ静かな場所で横になり安静して休息をとりましょう。横になると吐き気がする場合はクッションや布団などに上体を預けて安静にすると良いでしょう。

体をきれいにする

下痢が続くとお尻の皮膚がただれやすくなるので、きれいな状態を維持するために洗うだけでなくワセリンや保湿剤で保湿します。

また、嘔吐や下痢が続くと口内が乾燥しやすく、他の細菌やウイルスに感染しやすい状態なので、食事の後は口内もきれいにしましょう。

ノロウイルスの感染経路は?

ノロウイルスの感染は主に経口感染です。

感染者の糞便や嘔吐物からの感染

ノロウイルスは感染者の糞便や嘔吐中にウイルスを排出します。嘔吐の粒子を吸い込むことや糞便を処理した後に消毒が不十分な手で調理された料理を食べると感染します。

特に料理を介して感染する場合は、爆発的に感染者数が増えるため注意が必要です。

生かきなどの貝類からの感染

貝類は水中で栄養素とともにウイルスも取り込む性質があり、ウイルスが蓄積された貝類を食べることでノロウイルスに感染します。

ノロウイルスの予防法は?

食品や調理器具を十分加熱する

85度以上の温度で90秒以上加熱すると、ノロウイルスの感染力を不活化することができます。
主に牡蠣などの貝類を食べる際には、十分に加熱するようにしましょう。

また、調理器具にもウイルスが付着している可能性もあるので、85度以上のお湯に1分以上つけることで感染を予防することが大切です。

手洗いうがいを行う

手洗いうがいを行うことで、口に入るウイルスの数を減らし感染を予防しましょう。

アルコールではノロウイルスの感染力をなくすことはできないので、食事の前後や、トイレに行った後、外出の後などには石鹸を使って手を洗いましょう。

消毒を行う

感染者の嘔吐や下痢を処理する際には塩素による消毒が効果的です。

感染者の嘔吐や下痢はマスクやゴム手袋を装着して、周りに飛び散らないようにペーパータオルで拭き取り、ビニール袋などに密閉して捨てるようにしましょう。

嘔吐した場所は塩素を200ppmに希釈した消毒液で消毒することで、感染を予防することができます。