溶連菌感染症とは?
溶連菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌に感染することで生じる感染症です。子供から成人に幅広い年代に感染する病気ですが、一般的には4~10歳頃の子供に多く発症します。
溶連菌感染症の原因となるA群β溶血性連鎖球菌は食品中でも増殖することができるため、感染者の菌を含んだ飛沫が口に入らないようにするだけではなく、飛沫が食品に付かないように気をつけることが大切です。
溶連菌感染症の症状
溶連菌感染症の主な症状は、38度以上の高熱と喉の腫れ・痛みで、いちご舌(舌の表面に赤いブツブツができる)、頭痛、倦怠感、腹痛、吐き気といった症状が見られることもあります。風邪と異なり、咳や鼻水が出ることはありません。
発熱から1~2日して、小さな発疹が全身に現れる「猩紅熱」と呼ばれる症状が出ることもあります。発疹は1週間ほどでおさまりますが、治りかけの時期に、手足の指先や発疹が出ていた部位の皮膚がくず状にポロポロとむけることがあります。
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溶連菌感染症の検査方法
溶連菌感染症が疑われる場合は、主に次のどちらかの方法によって検査をします。
「溶連菌迅速診断キット」
綿棒で喉の粘膜中の菌を採取して検査します。5~10分で結果が出ますが、正確性は80%程度のため、陰性だった場合でも溶連菌に感染している可能性があります。
往診サービスでも「溶連菌迅速診断キット」を使って検査することが可能なので、すぐに病院へ行けないときなどは往診サービスの利用もおすすめです。
咽頭培養検査
綿棒で喉の粘膜中の菌を採取した後に、取得した細菌を培養し細菌を増やすことで検査します。検査結果が出るまで数日〜1週間程度かかりますが、溶連菌だけではなく、他の細菌の感染状況も調べることが可能です。
血清抗体検査
リウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併している場合、咽頭培養によって溶連菌を検出することができないため、溶連菌が発生する毒素や酵素に対する抗体の数値を計測することで感染を検査する「血清抗体検査」を行います。
溶連菌に感染していない人でもまれに陽性反応が出るというデメリットはありますが、結果は約30分程度で出ます。
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溶連菌感染症の治療方法
溶連菌感染症の治療には、一般的にペニシリンなどの抗生物質を使用します。
抗生物質を1〜2日間服用すると熱が下がり、1週間以内に喉の痛みは治まります。まれにリウマチ熱、急性糸球体腎炎、血管性紫斑病といった合併症が生じることもあるため、処方された抗生物質は医師に指示された期間必ず服用するようにしましょう。
また、高熱で息苦しい、水分を十分に摂れない、といった場合は、解熱剤が処方されることもあります。
溶連菌感染症になったら保育園や幼稚園にはいつから通える?
溶連菌感染症は、学校保健安全法で第三種の感染症として扱われていて、「医師が感染の恐れがないと認めるまで」出席停止になることが定められています。
前述の通り溶連菌の治療にはペニシリンなどの抗菌剤(抗生物質)が使われ、正しく服用すれば24時間以内に感染力がなくなると考えられています。そのため登園を再開してもいいとされる目安は、処方された抗菌薬を飲み始めてから丸1日以上が経ち、なおかつ子供自身が溶連菌の症状による体調の悪さを感じなくなった状態です。
具体的には、病院を受診した日から2〜3日程度は登園を控え、医師の判断を元に登園を再開するようにするといいでしょう。ただし、園によって登園再開について決まりを設けていることもあるため、いつから登園できるかは通っている園に確認してみてください。